「ああそうだ、ジマさんに相談し忘れていたことがありました」
「おや、何かな?」
ジマが振り向いて、ククの方を見遣る。
「実は今日の昼、第四倉庫に忘れ物をしてしまって…今から取りに行きたいので、鍵をお借りしてもよろしいですか?」
「今からか…この小屋は戸締りをしておかなければならないからな…明日では駄目か?」
ククは、慌てて懐から銀色に輝く小さな鍵を取り出した。
「昨晩リカ様から預かったスペアです。戸締りは私が責任を持って行いますので」
「そうか。くれぐれも気をつけるのだぞ。
では、おやすみ」
闇夜に浮かぶ灯りに照らされた上品な笑みを残し、ジマは小屋を出ていった。
ふううう…
一人になった小屋の中でため息をつく。
少し背伸びをして、鍵の一式が並べられた壁から目当ての鍵を探り取る。
軽い金属音と共に、手の中に滑り込んだ小さな鍵を見つめる。そしてククは、おもむろに天井を見上げ、言った。
「…リカ様?そこにいますよね?降りてきてください」
その呼びかけに応えるように音もなく、華奢な黒い影が降り立った。
「[漢字]そういう事[/漢字][ふりがな]・・・・・[/ふりがな]なら、先に言っておいてください…喋っていないはずなのに突然自分の声がしたら、誰だって驚きますよ」
呆れたような声音でそう言うククに、音のない影―王女リカは、ニヤリと笑った。
「見事だっただろう?ン゙ン…“ああそうだ、ジマさんに相談し忘れていたことがありました”。ククそっくりな声など、クメの声真似の時の百倍は容易いな」
いつものように、その白い喉に手を添えて、コキコキと音を鳴らしながら笑うリカ。
それは、先ほど門番の気を引くために活躍した、お得意の変声術だった。
「おや、何かな?」
ジマが振り向いて、ククの方を見遣る。
「実は今日の昼、第四倉庫に忘れ物をしてしまって…今から取りに行きたいので、鍵をお借りしてもよろしいですか?」
「今からか…この小屋は戸締りをしておかなければならないからな…明日では駄目か?」
ククは、慌てて懐から銀色に輝く小さな鍵を取り出した。
「昨晩リカ様から預かったスペアです。戸締りは私が責任を持って行いますので」
「そうか。くれぐれも気をつけるのだぞ。
では、おやすみ」
闇夜に浮かぶ灯りに照らされた上品な笑みを残し、ジマは小屋を出ていった。
ふううう…
一人になった小屋の中でため息をつく。
少し背伸びをして、鍵の一式が並べられた壁から目当ての鍵を探り取る。
軽い金属音と共に、手の中に滑り込んだ小さな鍵を見つめる。そしてククは、おもむろに天井を見上げ、言った。
「…リカ様?そこにいますよね?降りてきてください」
その呼びかけに応えるように音もなく、華奢な黒い影が降り立った。
「[漢字]そういう事[/漢字][ふりがな]・・・・・[/ふりがな]なら、先に言っておいてください…喋っていないはずなのに突然自分の声がしたら、誰だって驚きますよ」
呆れたような声音でそう言うククに、音のない影―王女リカは、ニヤリと笑った。
「見事だっただろう?ン゙ン…“ああそうだ、ジマさんに相談し忘れていたことがありました”。ククそっくりな声など、クメの声真似の時の百倍は容易いな」
いつものように、その白い喉に手を添えて、コキコキと音を鳴らしながら笑うリカ。
それは、先ほど門番の気を引くために活躍した、お得意の変声術だった。