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うさ神様のいるところ

#14

第十四羽

「………。…」
「………はい、おそらく…」

先ほどよりも、夜風が強く吹いていた。
ひゅうひゅうと泣きすさぶような音が、塀を越え、[漢字]櫓[/漢字][ふりがな]やぐら[/ふりがな]を越え、そしてふたりが密談を交わすその小屋にも吹きつけてくる。

「…そうか、それなら必要以上の心配は要らないな。王女が帰って来やすいように、今晩はこっそりと屋敷の門を緩めておいてやろう」
ククは安堵に、思わず小さなため息をついた。
ジマはそれを見ていなかったのか、いつもの厳格だが慈愛に満ちた表情をククに向ける。

 「ふふ…それにしても王女、今日は本当に焦っていたとみえるな。いつもは[漢字]当[/漢字][ふりがな]まさ[/ふりがな]に鮮やかとしか言えない手口で脱出していたが、今日は門の[漢字]閂[/漢字][ふりがな]かんぬき[/ふりがな]をあのように大きく外し、あろうことか[漢字]草鞋[/漢字][ふりがな]わらじ[/ふりがな]の足跡まで付けていくとは。…これも、自分は必ずや戻るという、決意のあらわれだったのだろうか」


…良かった。
今の一言でククがやった[漢字]こと[/漢字][ふりがな]犯行[/ふりがな]を全て網羅されたが、どうやらバレてはいないようだった。



ジマが灯を手に、くるりと[漢字]踵[/漢字][ふりがな]きびす[/ふりがな]を返して出口へと向かう。足音は相変わらずコツコツと硬くその背には威厳を纏ってはいるが、明らかに先ほどよりオーラが柔らかくなっていた。

ひとまずは、これで一件落着かな。

そう感じたククは、軽やかにジマの背中を追う。
たった今木の軋む音と共に開けられた扉の先の、小さくくり抜かれた夜空を見つめながら歩いていたとき、ククははたと、立ち止まった。


リカ様って、ジマさんをマーキングしていたんじゃなかったっけ。ジマさんの部屋の、鍵束を狙って。


…だとすれば、今ククが彼と話し、足止めしていたことは、リカにとって好都合だったはずである。
しかし、きちんと整えられた彼の身なりからしても、彼が自分の部屋に鍵を掛け忘れるほど焦っていたとは思えない。
では、作戦は失敗したのだろうか。

...リカは今、どこにいる?

作者メッセージ

今回、「執筆環境」という点において、とある初めての試みを行っていました。
ただちょっと事情がございまして、今はまだネタバラシができない状態...

なんとかね、完結に持っていきますね。

2025/03/20 21:41

団栗きんとん
ID:≫ soHtg8UkVbFiM
コメント

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セルフリメイク一話一話よ短し御免

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