深い深い山の奥。
見るからに豪華な建物があった。
その中にお目当ての獲物は居た。
赤と黄が混ざった髪と目の男。
魚人達から聞いた特徴と一致している。
キルン「夜分遅くにすまないが、聞きたいことがある...なぜ、魚人達を襲った?」
俺は取り敢えず、目の前にいる男に問う。
理由はない。ただの気分だ。
だが、ソイツは聞こえていないのか、それを無視して喋りだす。
??「......あァ? 今、俺を見たな? その濁った眼球で俺を映したな? 許可なく俺の存在を網膜に焼き付けた罪、万死に値すると気づかねえのか......ッ!!」
キルン「...は?」
意味が分からなかった。
だがすぐに理解した。
コイツとは、分かり合えそうもないことには。
前の俺の知識から引用すれば、
コイツは、異常者といえるだろう。
だが、感情が読めないわけじゃない。
コイツは今俺に、怒りを抱いている。
??「あァ...?テメェ...」
キルン「...?」
??「[漢字]紅[/漢字][ふりがな]くれない[/ふりがな]の髪色に、[漢字]翠眸[/漢字][ふりがな]すいぼう[/ふりがな]の瞳を持つ男...そして、この魔人の気配...」
なんだ...?今、一瞬コイツの怒りが和らいだ?
??「お前か!組織が生け捕りにしろと命令したヤツは!まさか、こんな掃き溜めみてぇな山奥に、向こうからノコノコ歩いてくるとはなぁ......ッ!!」
キルン「...」
多分、コイツは前の俺を襲った奴らと同じ組織に所属している。
そして、コイツも魔人だろう。
??「おい、喜べよ。お前のおかげで俺の不快な残業代が跳ね上がったぜ。本来なら、俺が山を一つ一つ叩き潰して、お前という『ゴミ』を分別しなきゃならねえところだったんだ。その手間が省けた......あァ、最高に......」
一瞬和らいだかに見えた空気が、一気に沸騰する。
??「――最高にムカつくんだよ、テメェはッ!! なぜ、もっと早く俺の前に現れなかった!? なぜ、俺に無駄な移動をさせ、無駄な時間を浪費させた!? お前がさっさと捕まってりゃ、俺は今頃アジトのふかふかの椅子で酒でも飲んでたんだよ!!魚人を襲った理由だぁ? 知るかよ、そんなこと! 奴らの鱗がギラついてて眩しかったからだ! 理由を欲しがるその安っぽい口が、俺のをこれ以上貶す前に......四肢をもぎ取っておとなしくさせてやる。死ななきゃいいんだろ? なら、心臓以外は全部ブチ壊しても問題ねえよなぁッ!!」
前の俺の記憶からは時々襲撃を受けていたことが分かる。すぐに倒していたようだが。
キルン「...成る程な...俺を倒すように命令され、渋々それを引き受けるが移動が面倒でこの村を支配して女に溺れていたと。憐れだな。まるで...育ちきっていない子供の癇癪のようだ。」
??「......は。......あ?」
コイツの顔から表情が消える。赤と黄が混ざった瞳が、獲物を捕らえる獣のそれへと変貌し、周囲の空気が物理的な熱を帯びて歪み始めます。
??「......ガキ......の......癇癪......だと......?」
ギリ、と奥歯が砕けんばかりの音が響く。
??「......ッ!! 殺す。殺す殺す殺す殺す殺すッ!!! 報酬なんて知るか! 組織がなんだ、金がなんだ!! テメェのその、分かったような口を利く舌を引き抜いて、二度とそんな反吐が出る言葉を吐けねえようにしてやるッ!!」
ソイツの背後の空間が、怒気によって真っ赤に染まる。
??「憐れだぁ? どっちがだッ! 弱者の分際で、魔人であるこの俺を、あろうことかガキと比較したなぁッ!! その一言は、万死を重ねても購えねえ......!骨の一本一本を粉々に砕いて、その憐れな口から『許してください』以外の言葉が出なくなるまで、何日かけてでも絶望を刻み込んでやるよ!!」
ソイツが一歩踏み出した瞬間、豪華だった建物の床が、その怒りの圧力だけで爆ぜた。
??「立てよ、キルン! 貴様のその翠の瞳が、恐怖で濁り、絶望で染まる瞬間が楽しみで仕方がねえ......!俺はWDSFのI部隊幹部の『憤怒の魔人』イーラ!泣いて、喚いて、俺を怒らせたことを後悔しながら......ゴミ以下の死体になりやがれッ!!!」
第13話「怒に焼かれし魚人の村2」終
次回 第14話「キルンvs.イーラ」
見るからに豪華な建物があった。
その中にお目当ての獲物は居た。
赤と黄が混ざった髪と目の男。
魚人達から聞いた特徴と一致している。
キルン「夜分遅くにすまないが、聞きたいことがある...なぜ、魚人達を襲った?」
俺は取り敢えず、目の前にいる男に問う。
理由はない。ただの気分だ。
だが、ソイツは聞こえていないのか、それを無視して喋りだす。
??「......あァ? 今、俺を見たな? その濁った眼球で俺を映したな? 許可なく俺の存在を網膜に焼き付けた罪、万死に値すると気づかねえのか......ッ!!」
キルン「...は?」
意味が分からなかった。
だがすぐに理解した。
コイツとは、分かり合えそうもないことには。
前の俺の知識から引用すれば、
コイツは、異常者といえるだろう。
だが、感情が読めないわけじゃない。
コイツは今俺に、怒りを抱いている。
??「あァ...?テメェ...」
キルン「...?」
??「[漢字]紅[/漢字][ふりがな]くれない[/ふりがな]の髪色に、[漢字]翠眸[/漢字][ふりがな]すいぼう[/ふりがな]の瞳を持つ男...そして、この魔人の気配...」
なんだ...?今、一瞬コイツの怒りが和らいだ?
??「お前か!組織が生け捕りにしろと命令したヤツは!まさか、こんな掃き溜めみてぇな山奥に、向こうからノコノコ歩いてくるとはなぁ......ッ!!」
キルン「...」
多分、コイツは前の俺を襲った奴らと同じ組織に所属している。
そして、コイツも魔人だろう。
??「おい、喜べよ。お前のおかげで俺の不快な残業代が跳ね上がったぜ。本来なら、俺が山を一つ一つ叩き潰して、お前という『ゴミ』を分別しなきゃならねえところだったんだ。その手間が省けた......あァ、最高に......」
一瞬和らいだかに見えた空気が、一気に沸騰する。
??「――最高にムカつくんだよ、テメェはッ!! なぜ、もっと早く俺の前に現れなかった!? なぜ、俺に無駄な移動をさせ、無駄な時間を浪費させた!? お前がさっさと捕まってりゃ、俺は今頃アジトのふかふかの椅子で酒でも飲んでたんだよ!!魚人を襲った理由だぁ? 知るかよ、そんなこと! 奴らの鱗がギラついてて眩しかったからだ! 理由を欲しがるその安っぽい口が、俺のをこれ以上貶す前に......四肢をもぎ取っておとなしくさせてやる。死ななきゃいいんだろ? なら、心臓以外は全部ブチ壊しても問題ねえよなぁッ!!」
前の俺の記憶からは時々襲撃を受けていたことが分かる。すぐに倒していたようだが。
キルン「...成る程な...俺を倒すように命令され、渋々それを引き受けるが移動が面倒でこの村を支配して女に溺れていたと。憐れだな。まるで...育ちきっていない子供の癇癪のようだ。」
??「......は。......あ?」
コイツの顔から表情が消える。赤と黄が混ざった瞳が、獲物を捕らえる獣のそれへと変貌し、周囲の空気が物理的な熱を帯びて歪み始めます。
??「......ガキ......の......癇癪......だと......?」
ギリ、と奥歯が砕けんばかりの音が響く。
??「......ッ!! 殺す。殺す殺す殺す殺す殺すッ!!! 報酬なんて知るか! 組織がなんだ、金がなんだ!! テメェのその、分かったような口を利く舌を引き抜いて、二度とそんな反吐が出る言葉を吐けねえようにしてやるッ!!」
ソイツの背後の空間が、怒気によって真っ赤に染まる。
??「憐れだぁ? どっちがだッ! 弱者の分際で、魔人であるこの俺を、あろうことかガキと比較したなぁッ!! その一言は、万死を重ねても購えねえ......!骨の一本一本を粉々に砕いて、その憐れな口から『許してください』以外の言葉が出なくなるまで、何日かけてでも絶望を刻み込んでやるよ!!」
ソイツが一歩踏み出した瞬間、豪華だった建物の床が、その怒りの圧力だけで爆ぜた。
??「立てよ、キルン! 貴様のその翠の瞳が、恐怖で濁り、絶望で染まる瞬間が楽しみで仕方がねえ......!俺はWDSFのI部隊幹部の『憤怒の魔人』イーラ!泣いて、喚いて、俺を怒らせたことを後悔しながら......ゴミ以下の死体になりやがれッ!!!」
第13話「怒に焼かれし魚人の村2」終
次回 第14話「キルンvs.イーラ」