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闇に堕ちる勇者 ~再現の魔人と喰魂の魔人~

#7

脱出/会話/実力測定

[打消し]――――[/打消し]上位魔人へと進化しました。
身体能力が大幅に上昇しました。
総魔力量が大幅に上昇しました。
魔双鎌の意思が完全に解放されました。
[打消し]――――[/打消し]これにて進化を終了します。

俺は目を開いた。
今まで壁だと思っていたものが、ただの薄い紙切れのように見える。
自分の鼓動一つで、周囲の空間が震えているのが分かる。
体の中を流れる魔力は、もはや川ではなく、荒れ狂う暴風だ。
魔双鎌の意思「......満足でしょうか? ...いえ、まだ足りないはずです。この程度の雑魚をいくら喰らおうと、貴方の乾きは癒えることはない。そうでしょう?マスター。」
先程はボンヤリと聞こえていた声が、今ではハッキリと聞こえる。
少し口調が変わったか?
恐らく、俺が上位魔人へ進化したことが切っ掛けだろう。
キルン「......いちいち扉を探すのは性に合わないな。」
​キルンの足元で魔力が渦巻き、漆黒の衝撃波となって床を粉砕する。
手に馴染んだ『喰魂の魔双鎌』が、獲物の鼓動を察知して不気味に共鳴した。
双鎌を交差させ、力を溜める。
その瞬間、周囲の空気がキルンの魔力に吸い寄せられ、真空の渦が巻き起こる。

キルン「......消えろ。」
​―――閃光。
​一振りの斬撃。それは単なる物理的な破壊ではなく、魔力そのものを喰らい尽くしながら進む漆黒の刃。
ドゴォォォォン!!という轟音と共に、何十メートルもの厚みがあるはずの天井が、まるでバターのように一瞬で十文字に切り裂かれた。

​[太字][大文字]ガシャアァァン[/大文字][/太字]

​キルンは天井を破り、土砂を切り裂き、地上へと跳躍する。
眩しいはずの陽光すら、今の彼の赤い眼には弱々しい光にしか見えない。
​キルン「......外か......」

魔双鎌の意思「まずは貴方様が何が出来るのか。それを確かめるのが宜しいかと。...少し記憶を覗かせて頂いても...?」

キルン「......勝手にしろ。どうせ俺自身にも思い出せない代物だ。」

​俺がそう吐き捨てると、脳髄に冷たい指が触れるような感覚が走った。

魔双鎌の意思(ふむ...やはり予想通り、[漢字]魂[/漢字][ふりがな]こん[/ふりがな]に蓄積されている記憶までは抽出されていない。
しかし...[漢字]不純物[/漢字][ふりがな]平和な記憶[/ふりがな]が混じっていますね...
魂に蓄積されている記憶から戦闘に役立ちそうな記憶のみ抽出して知識へ変換して...
なるほど...貴方の名前はキルンと言うのですね...?
ではこれからはキルン様と...)

キルン「......何をした?」
​脳の奥底、空っぽだった場所に、冷たく鋭利な知識が流れ込んでくる。
それは記憶を失くす前の前のキルンが磨いた、身体の動かし方、魔力の通し方、魔法の唱え方、魔物の名前や生態、
そして――敵を最も効率よく絶命させるための、型。
キルンは無意識に地を蹴った。
魔双鎌が空を裂く。それは鎌特有の引っ掛ける動きではなく、あたかも長剣であるかのように最小限の予備動作で急所を貫く刺突と、一閃の払い。
​シュンッ、ドォォン!!
​一振りで、施設の外壁に残っていた巨大な監視塔が斜めに滑り落ち、爆発する。
​キルン「......なんだ、今の動きは。」
​キルンは自分の手を見つめ、不快そうに顔を歪めた。
一撃の威力、速度、精度。どれをとっても完璧だ。
だが、納得がいかない。
​キルン「......効率はいい。だが、この鎌の重さに対して、動きが細すぎる気がするな。まるで、もっと別の......薄い獲物を振っていたような感覚だ。......反吐が出るな。」
​腕の振り、足の運び、そのすべてが完璧だ。
完璧すぎて、まるで「自分ではない誰か」の残像をなぞっているような違和感が拭えない。
鎌を振っているはずなのに、頭のどこかでは「長い一振りの刃」を振るっているような錯覚が起きる。
​魔双鎌の意思「......おや、お気に召しませんか? これこそが前のキルン様が導き出した、最も効率的に敵を屠るための動きですが。」
​キルン「効率なんて知らん。......まぁいい。動けるなら今はそれで十分だ。」
​キルンは自分の過去が剣士であったことなど露ほども知らない。
ただ、体に染み付いた騎士のような気高ささえ感じさせる精密な動きと、現在の魔人としての残虐な破壊衝動が、彼の中で激しく衝突していた。
​魔双鎌の意思(納得いかないようなお顔ですね。ならば、その違和感が消えるまで殺し尽くしましょう。技術と本能が混ざり合い、貴方が完成されるまで...)
[大文字][太字]ガサ...[/太字][/大文字]
キルン「狼か...?............!」

狼に気付いた後、キルンの脳内に、遅れて彼の持つスキルの情報などが送られる。

[水平線]
キルン=フィアビュレジ
スキル
(異空格納は再現の魔人でない今は使用できない)
1. 無効無効化 耐性・無効を無効化出来る
2. 万全戦闘形 どんな所でも通常の地上と同じ動きが出来る
3. 領域破壊 敵の作った領域などを破壊する
4. 使い魔創造 自らの血肉で使い魔を作ったり、既存の魔物を操ったり動植物を使い魔にできる
5. 古代語詠唱 数万年も前に作られた古代語魔術を詠唱する。
6. 同一化 心を許し相手からも許された相手と合体、2人の力を足しただけでなくさらに大幅パワーアップする
7.魔混魔法 闇属性の強力な魔法。使えるものは少ない
8.神聖魔法 聖属性の強力な魔法。使えるものは少ない
9.火炎魔法 炎属性の魔法。かなり洗練されている
(※弱点看破は再現したスキルのため、再現の魔人でない今は使用できない)
(※超魔再生は最上位魔人でないため使用できない)
視覚再現 自らの魔力を半分に分け、分身を作る。本体と同じスペックであるがゆえに1人しか作れない
(※並列分身は最上位魔人でない今は使用できない)
(※並列人格分裂分身は副人格の居ない今は使用できない)
10.スキル強制停止 相手に3秒触れる事で触れている間スキル(または相手が有する超能力など)を強制的に終了させる。

(※今の彼に魔聖剣術は使用出来ない)

真魔領域

『輝焔影牢領』
触れた部分が消し飛ぶ闇で出来たドーム状の領域を展開する。敵は常に強烈な光によって視覚が封じられ、中には紫外線が飛び交っている。その上高火力の炎の矢が敵に向かって飛んでいる。もしそれがなくても、紫外線により人間は3分、並みの魔物は4分、魔族でも10分で死に至る。魔王レベルなら死にはしないが、あらゆるステータスが大幅に減少する。
[水平線]
[大文字][太字]ガサ...[/太字][/大文字]
情報を取り込み、ボーッとしていたキルンの意識を引き戻したのは草をかき分ける音。
キルン「なるほど...スアーウルフ(ウルフの上位種)の群れか...スキルを試してみよう...」
悠然と立っているキルンの前に数十頭のスアーウルフの群れが牙を剥いて立ち塞がる。
ウルフ「グルルル......ッ!!」
​殺気。しかし、キルンはその殺気すらも心地よく感じた。
彼は双鎌を無造作に下げたまま、一歩前へ踏み出し...
唱えた。
キルン『使い魔創造』
キルンの指先から魔力の糸が生じ、スアーウルフ達を絡めとる。そしてその糸が指先の部分から少しずつ赤に染まり...スアーウルフまで到達し、赤いひびがスアーウルフの身体を侵食していく。
完全に侵食した時、糸はほどけ...
スアーウルフ達は一斉にキルンにひれ伏した。

第7話「脱出/会話/実力測定」
次回 第8話「統率/襲撃」

2026/03/12 19:58

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