2006年 春
三人の生徒が教室で担任が来るのを待っていた。
五条「なぁ傑、夜蛾セン遅くねー」
そう五条は愚痴をこぼす。そして夏油はそれに答える。
夏油「まあ君に言われたくはないと思うけど今日は遅いね。」
五条「はぁ!?」
五条が明らかに苛つきを見せる中、それを見事にスルーし、家入は遅れている理由に対する答えを述べる。
家入「そういや今日、転校生来るから遅くなるって言ってたけど」
五条「んなのどうせ雑魚だろ。」
夏油「こら、悟あってもないのに失礼だよ。」
家入「あった上で雑魚って言うのは良いのかよ。」
五条を叱る夏油に家入が正論をぶつける。
そしてやっとガラガラとドアを開け夜蛾先生が入ってくる。そして教卓に立つと直ぐに口を開く。
「今日は転校生が来る。仲良くするんだぞ。」
そう言うとその後すぐ転校生に入ってくるよう合図し、教室に入ってきたのは血のように鮮やかな赤髪に吸い込まれるような翠色の眼を持った男が入ってきた。
「キルン=フィアビュレジだ。これから宜しくな。」
そう自己紹介をし、それに最初に答えたのは夏油だった。
夏油「夏油傑だよ、よろしくね。」
それに続き、家入も「家入硝子、よろしくー。」
と自己紹介した。だが、もう一人が口を開き自己紹介するのかと思いきや、「やっぱ雑魚じゃん」と言い、夏油はそんなことを言ってはいけないと宥める。
キルン「...初対面で雑魚呼びはどうなんだ?」
五条「だってお前、呪力ほぼねぇーじゃん」
キルン「呪力量は1つの基準だろ?」
しかし、五条が納得する訳もなく。
「じゃあ表出ろよ。俺に勝ったら雑魚呼びを改めてやるから。」
と言い放ち、流石にやばいと思った夜蛾先生が「おい、悟。」と、止めに入ろうとするがキルンは全員の予想とは裏腹に、
キルン「良いぞ、その代わり俺が勝ったらちゃんと名前呼べよ。」と勝負に乗った。
[水平線]
五条「おい、避けてばっかじゃねぇーか。反撃の一つでもしてみろよ。」
キルン「攻撃したとしてお前まで届くのか?」
そう、結界ではない何かが攻撃を届かないようにしている。
なんていうか...斬ろうとしても当たってない感じ。
滅茶苦茶硬いんじゃなくてそもそも当たってない。
ずっと距離を伸ばされてるみたいな変な感覚だ。
厳密には違うんだろうけどまぁ、大体そんな感じだと思う。
五条「来ないなら俺からいくぞ?」
五条の手中に蒼色の光...否、エネルギーが集まる。
五条『術式順転【蒼】』
キルン「(……来るな。)」
視界が歪む。五条の指先に収束した「青」の輝きが、周囲の空間そのものを強引に吸い寄せ、捻じ曲げていく。
物理法則を無視した圧倒的な吸引力。並の術師なら抗うことすらできず、肉体ごと中心点へ引き摺り込まれて圧壊するだろう。だが、俺はその破壊力ではなく、彼が展開している「無下限呪術」が何なのか考えていた。
先程から剣を振るっても、拳を突き出しても、五条悟には届かない。
最初は感じ取れない強固な壁があるのかと思ったが、そうじゃない。俺の攻撃が彼に近づくほど、その速度は極端に落ち、無限に鈍化していく。
キルン「(……アキレスと亀、か。)」
頭の片隅で、古いパラドックスが浮かぶ。
標的までの距離を常に半分、そのまた半分、さらにその半分……と分割し続ければ、理論上、距離は永遠にゼロにはならない。五条は「無限」という概念をこの現実空間に持ち込み、自分と対象の間に収束する無限の境界を現出させている。
つまり、俺の手が彼の顔面に届くまでの数cmの有限の距離の中に、彼は無限を詰め込んでいる。
キルン「触れられないんじゃない。進むほどに距離が引き延ばされて永遠に辿り着けないだけ......反則だろ、これ。」
物理的な干渉が意味をなさない。どれだけ速く動こうが、どれだけ鋭く斬ろうが、この「無限」を突破しない限り、彼には指一本触れることすら叶わない。
五条「ははっ、固まってんじゃねーよ! 」
放たれた『蒼』が、空間を削り取りながら俺へと迫る。
避けるだけなら容易い。だが、それでは「名前を呼ばせる」という条件は達成できない。あの絶対防御を、概念ごとブチ抜く方法を考えろ。
呪力がほぼ無い? ああ、そうだろうな。
六眼を持つお前から見れば、俺の魔力は異質すぎて理解不能なはずだ。俺の呪力が少ないのは呪力を持っていないから。今呪力を使えているのは魔力を呪力に変換しているからだ。
キルン「......悪いな五条。お前の『無限』、多分突破出来る。」
三人の生徒が教室で担任が来るのを待っていた。
五条「なぁ傑、夜蛾セン遅くねー」
そう五条は愚痴をこぼす。そして夏油はそれに答える。
夏油「まあ君に言われたくはないと思うけど今日は遅いね。」
五条「はぁ!?」
五条が明らかに苛つきを見せる中、それを見事にスルーし、家入は遅れている理由に対する答えを述べる。
家入「そういや今日、転校生来るから遅くなるって言ってたけど」
五条「んなのどうせ雑魚だろ。」
夏油「こら、悟あってもないのに失礼だよ。」
家入「あった上で雑魚って言うのは良いのかよ。」
五条を叱る夏油に家入が正論をぶつける。
そしてやっとガラガラとドアを開け夜蛾先生が入ってくる。そして教卓に立つと直ぐに口を開く。
「今日は転校生が来る。仲良くするんだぞ。」
そう言うとその後すぐ転校生に入ってくるよう合図し、教室に入ってきたのは血のように鮮やかな赤髪に吸い込まれるような翠色の眼を持った男が入ってきた。
「キルン=フィアビュレジだ。これから宜しくな。」
そう自己紹介をし、それに最初に答えたのは夏油だった。
夏油「夏油傑だよ、よろしくね。」
それに続き、家入も「家入硝子、よろしくー。」
と自己紹介した。だが、もう一人が口を開き自己紹介するのかと思いきや、「やっぱ雑魚じゃん」と言い、夏油はそんなことを言ってはいけないと宥める。
キルン「...初対面で雑魚呼びはどうなんだ?」
五条「だってお前、呪力ほぼねぇーじゃん」
キルン「呪力量は1つの基準だろ?」
しかし、五条が納得する訳もなく。
「じゃあ表出ろよ。俺に勝ったら雑魚呼びを改めてやるから。」
と言い放ち、流石にやばいと思った夜蛾先生が「おい、悟。」と、止めに入ろうとするがキルンは全員の予想とは裏腹に、
キルン「良いぞ、その代わり俺が勝ったらちゃんと名前呼べよ。」と勝負に乗った。
[水平線]
五条「おい、避けてばっかじゃねぇーか。反撃の一つでもしてみろよ。」
キルン「攻撃したとしてお前まで届くのか?」
そう、結界ではない何かが攻撃を届かないようにしている。
なんていうか...斬ろうとしても当たってない感じ。
滅茶苦茶硬いんじゃなくてそもそも当たってない。
ずっと距離を伸ばされてるみたいな変な感覚だ。
厳密には違うんだろうけどまぁ、大体そんな感じだと思う。
五条「来ないなら俺からいくぞ?」
五条の手中に蒼色の光...否、エネルギーが集まる。
五条『術式順転【蒼】』
キルン「(……来るな。)」
視界が歪む。五条の指先に収束した「青」の輝きが、周囲の空間そのものを強引に吸い寄せ、捻じ曲げていく。
物理法則を無視した圧倒的な吸引力。並の術師なら抗うことすらできず、肉体ごと中心点へ引き摺り込まれて圧壊するだろう。だが、俺はその破壊力ではなく、彼が展開している「無下限呪術」が何なのか考えていた。
先程から剣を振るっても、拳を突き出しても、五条悟には届かない。
最初は感じ取れない強固な壁があるのかと思ったが、そうじゃない。俺の攻撃が彼に近づくほど、その速度は極端に落ち、無限に鈍化していく。
キルン「(……アキレスと亀、か。)」
頭の片隅で、古いパラドックスが浮かぶ。
標的までの距離を常に半分、そのまた半分、さらにその半分……と分割し続ければ、理論上、距離は永遠にゼロにはならない。五条は「無限」という概念をこの現実空間に持ち込み、自分と対象の間に収束する無限の境界を現出させている。
つまり、俺の手が彼の顔面に届くまでの数cmの有限の距離の中に、彼は無限を詰め込んでいる。
キルン「触れられないんじゃない。進むほどに距離が引き延ばされて永遠に辿り着けないだけ......反則だろ、これ。」
物理的な干渉が意味をなさない。どれだけ速く動こうが、どれだけ鋭く斬ろうが、この「無限」を突破しない限り、彼には指一本触れることすら叶わない。
五条「ははっ、固まってんじゃねーよ! 」
放たれた『蒼』が、空間を削り取りながら俺へと迫る。
避けるだけなら容易い。だが、それでは「名前を呼ばせる」という条件は達成できない。あの絶対防御を、概念ごとブチ抜く方法を考えろ。
呪力がほぼ無い? ああ、そうだろうな。
六眼を持つお前から見れば、俺の魔力は異質すぎて理解不能なはずだ。俺の呪力が少ないのは呪力を持っていないから。今呪力を使えているのは魔力を呪力に変換しているからだ。
キルン「......悪いな五条。お前の『無限』、多分突破出来る。」