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自殺描写あり

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形骸

#7

6

●●「へえ、ほのかってそのアニメが好きなんだ」

ほのか「特に、このシーンの背景の作画すごくない?」

フルートの練習教室の片隅。他愛のない趣味の会話に花を咲かせている

ほのか「あ、ごめん、次の合奏の楽譜、部室に忘れてきた、取ってくるね」

ほのかがそう言って、パタパタと教室を出ていく

ドアが静かに閉まり、夕暮れの教室には●●と陽菜の二人だけが残された

窓から差し込む西日が、二人の影を床に長く伸ばしている

陽菜「ほのかちゃん、楽しそうに話してくれてよかった、」

陽菜がフルートを優しく磨きながら、いつものマイペースな調子で微笑む

●●はその横顔を見つめ、心の冷たい部分に風が吹き抜けるのを感じた

●●「……ねえ、陽菜」

陽菜「ん? どうしたの?●●ちゃん」

●●「もしさ、私が明日から急に部活に来なくなっても...」

●●「...陽菜はちゃんとフルートを楽しく吹き続けられる?」

あまりにも唐突で、ひどくオブラートに包まれた問いかけ

進路の悩みか、あるいは冗談のようにも聞こえる声のトーン

陽菜「何言ってるの、●●ちゃん、●●ちゃんがいない部活なんて...」

陽菜「寂しくて調子狂っちゃうよ...合奏のバランスも崩れちゃうし、笑」

鈍感で優しい陽菜は、その言葉の裏にある本当の重さに気づかない

陽菜「またそんな冗談言って」

と、純粋に笑って首を振る

●●「……そうだよね。ごめんごめん、ちょっと変なこと聞いちゃった」

●●はいつものように、困ったような優しい笑顔を浮かべた

誰も自分の本当の孤独には気づけないし、引き止めることもできない

その諦めが、彼女の中で静かに、そして決定的に完成した瞬間だった

ほのかが「お待たせ」と楽譜を抱えて戻ってくると、空気はまた元の賑やかさに戻った

部活が終わり、蒼音はいつも通り自分のトロンボーンを拭き、部室に仕舞った

毎日のように見慣れた、誰もが疑わない「いつも通り」の片付け

里奈たちにいつも通り挨拶をする、「じゃあね」と

途中で一人きりになった●●の足取りは、どこか迷いのないものに変わっていた

夜、静まり返った自分の部屋

●●は勉強机のデスクライトだけを点け、一人で机に向かっていた

手元にある便箋に、いつもの綺麗な字で、ゆっくりと言葉を綴っていく

何をやっても失敗せず、要領よく生きてきた彼女が

何度もペンを止め、息を吐きながら、たくさんの時間をかけて心を込めて言葉を選んでいた

机の上には、綺麗に揃えられた七通の封筒が並んでいく

『里奈へ』『千歳へ』『蓮へ』『陽菜へ』『未羽へ』『日向へ』『ほのかへ』

それぞれの表面に、一人ひとりの名前が丁寧に書き加えられた

蒼音は七通の手紙をトントンと綺麗に一まとめに束ねる

誰かが必ず見つけられる机の真ん中に静かに置いた

すべてをやり終えた彼女の顔には、もう何の無理もなかった

本当に穏やかで、平穏な微笑みを浮かべながら、デスクライトのスイッチに指をかける

カチリ、という小さな音が響き、部屋の明かりが消えた

深い静寂の中、○○●●という存在は、この世界から静かに消えていった

2026/06/24 23:38

しゅーりっく
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ヒューマンドラマ病み自殺描写あり

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