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自殺描写あり
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うちの吹奏楽部は人数も少ない小さな部活だから、顧問は合奏以外ほとんど顔を出さない
だからぶっちゃけ、みんな結構サボっている
自主練はパートごとに空き教室に分かれてやる
パーカッションの俺は、スティックをいじりながらよく廊下をぶらついていた
廊下を歩いていると、クラリネットの教室から里奈の音が響いていた
里奈は普段、お調子者でサボっているように見える
だけど、何だかんだと言いながら、裏では結構しっかり楽器を吹いて練習しているのだ
上原、西野たちも、そんな里奈の音に引っ張られるようにして、一生懸命に音を出していた
一方で、トロンボーンパートの教室の前を通りかかるとき、楽器の音が聞こえない
覗いてみると、いつも○○が楽器を置いたまま、誰もいない教室の椅子に座っている
ここ一週間くらい、俺は○○がぼんやりと窓の外を眺めている姿を見かけていた
○○は熱量がしっかりあって、合奏中ならほとんどミスしないし、何より要領がいい
だから、こうして自主練中に結構サボりがちになっても、誰もあいつを責めない
「さすが○○、息抜きも上手だな」くらいにしか思わなかった
今日もまた、誰もいない教室でただ座っているあいつを見かけた
俺はなんとなく気になってガラリと教室のドアを開けた
蓮「よっ。要領良すぎちゃん、お疲れ。またサボり中? 里奈とかしっかり吹いてたぞ」
俺がいつものようにからかうと、柔らかい苦笑いを浮かべた
●●「蓮か...もう、変な呼び方しないでよ...みんなは、偉いね、ちゃんと吹いてて」
蓮「○○だって合奏じゃ完璧じゃん。まぁ、そうやって息抜きするのも大事だけどさ」
俺はただ、○○の要領の良さを羨むような、本当に他愛のない冗談のつもりで笑った
●●「……うん。そうだね、大事だよね」
○○はそう言って、ふにゃりと困ったような、いつもの優しい笑顔を俺に返した
その瞬間、ほんの一瞬だけ、俺の胸の奥を小さな棘が刺したような、妙な違和感が走った
最近よくサボっているのを見かけるから、てっきり気楽にサボっているんだと思っていた
なのに、○○が浮かべた笑みが、一瞬だけ酷く頼りなく、今にも壊れそうに見えた
どうかしたの、と喉まで言葉が出かかった
でも、触れたら割れてしまいそうなほど繊細な表情を見て、俺は言葉を止めた
俺が余計な口を挟んで、○○の領域に土足で踏み込むようなことはできなかった
あいつを戸惑わせたくなくて、俺はいつもの距離感を保つことにした
蓮「……ま、コンクール前だし、しっかり練習しろよ、じゃ、俺も練習戻るわ」
あいつのいつも通りの空気を壊さないように、少しぶっきらぼうに言葉を濁す
●●「うん、蓮も練習がんばってね」
と、○○はおれをあしらった
教室を出て廊下を歩きながら少し考えた、でも、疲れたのかな、としか思わなかった
あいつが何一つ悩みのない、ただの要領の良い幸せ者だと信じ切っていたから
だから、○○がトロンボーンを愛おしそうに撫でていたことに気づかなかった
その日の放課後も、みんなで並んで一緒に家路についた
夕暮れの光の中、里奈や陽菜が笑い、6月組のほのかが○○にアニメの話を振る
あいつはやっぱり、いつもの優しい笑顔をみんなに返していた
さっきの教室での小さな引っかかりなんて、もう俺の頭からは綺麗に消え去っていた
明日もまた、いつも通りの朝が来て、あいつは里奈に転がされながら笑っているはずだ
だからぶっちゃけ、みんな結構サボっている
自主練はパートごとに空き教室に分かれてやる
パーカッションの俺は、スティックをいじりながらよく廊下をぶらついていた
廊下を歩いていると、クラリネットの教室から里奈の音が響いていた
里奈は普段、お調子者でサボっているように見える
だけど、何だかんだと言いながら、裏では結構しっかり楽器を吹いて練習しているのだ
上原、西野たちも、そんな里奈の音に引っ張られるようにして、一生懸命に音を出していた
一方で、トロンボーンパートの教室の前を通りかかるとき、楽器の音が聞こえない
覗いてみると、いつも○○が楽器を置いたまま、誰もいない教室の椅子に座っている
ここ一週間くらい、俺は○○がぼんやりと窓の外を眺めている姿を見かけていた
○○は熱量がしっかりあって、合奏中ならほとんどミスしないし、何より要領がいい
だから、こうして自主練中に結構サボりがちになっても、誰もあいつを責めない
「さすが○○、息抜きも上手だな」くらいにしか思わなかった
今日もまた、誰もいない教室でただ座っているあいつを見かけた
俺はなんとなく気になってガラリと教室のドアを開けた
蓮「よっ。要領良すぎちゃん、お疲れ。またサボり中? 里奈とかしっかり吹いてたぞ」
俺がいつものようにからかうと、柔らかい苦笑いを浮かべた
●●「蓮か...もう、変な呼び方しないでよ...みんなは、偉いね、ちゃんと吹いてて」
蓮「○○だって合奏じゃ完璧じゃん。まぁ、そうやって息抜きするのも大事だけどさ」
俺はただ、○○の要領の良さを羨むような、本当に他愛のない冗談のつもりで笑った
●●「……うん。そうだね、大事だよね」
○○はそう言って、ふにゃりと困ったような、いつもの優しい笑顔を俺に返した
その瞬間、ほんの一瞬だけ、俺の胸の奥を小さな棘が刺したような、妙な違和感が走った
最近よくサボっているのを見かけるから、てっきり気楽にサボっているんだと思っていた
なのに、○○が浮かべた笑みが、一瞬だけ酷く頼りなく、今にも壊れそうに見えた
どうかしたの、と喉まで言葉が出かかった
でも、触れたら割れてしまいそうなほど繊細な表情を見て、俺は言葉を止めた
俺が余計な口を挟んで、○○の領域に土足で踏み込むようなことはできなかった
あいつを戸惑わせたくなくて、俺はいつもの距離感を保つことにした
蓮「……ま、コンクール前だし、しっかり練習しろよ、じゃ、俺も練習戻るわ」
あいつのいつも通りの空気を壊さないように、少しぶっきらぼうに言葉を濁す
●●「うん、蓮も練習がんばってね」
と、○○はおれをあしらった
教室を出て廊下を歩きながら少し考えた、でも、疲れたのかな、としか思わなかった
あいつが何一つ悩みのない、ただの要領の良い幸せ者だと信じ切っていたから
だから、○○がトロンボーンを愛おしそうに撫でていたことに気づかなかった
その日の放課後も、みんなで並んで一緒に家路についた
夕暮れの光の中、里奈や陽菜が笑い、6月組のほのかが○○にアニメの話を振る
あいつはやっぱり、いつもの優しい笑顔をみんなに返していた
さっきの教室での小さな引っかかりなんて、もう俺の頭からは綺麗に消え去っていた
明日もまた、いつも通りの朝が来て、あいつは里奈に転がされながら笑っているはずだ