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短編集

#2

親友の恋

夕希「ごめん、今日ちょっと用事あるから、先帰ってて」

去年の十月、夕焼けに染まる校門の前で、同じ吹奏楽部の夕希にそう言われた時、

私はなんだよ、水臭いな〜としか思っていなかった

その一ヶ月前、クラスでは「夕希と奈月が付き合ってるらしい」というデマが流れていた

二人はクラスのみんなから愛されるタイプだったから、

全般的に男子たちからよくいじられて、教室はいつも賑やかだったのだ

だから、三月に奈月が

奈月「実は夕希と付き合った」

と打ち明けてきた時は、一回目に聞いた時は嘘だと思ってしまった

だが2回目に同じことを聞いて本当だということがわかり、ものすごく驚いた

そして色々問い詰めてみると、

・奈月が告白した

・なぜか好きと伝えた日と、付き合った日が違う

・付き合ったという話をするのが私で最初

というのがわかった

そして六月の今

私はなぜか、この二人のややこしい恋愛相談に乗りまくる日々を送っている

学校で突然、奈月が笑いながら私に言ってきた

奈月「記念日きえたわ笑」

私は「え? 何事?笑」

詳しく話を聞いてみることにした

すると、

奈月「あいつがLINEの記念日カウントを好きって言った方の日にしてて、え?と思って問い詰めたら...」

夕希のことをあいつと言っているのでまだ誰にもばれていないらしい

そんなことはさておき、詳しく話を聞いてみると

夕希がLINEの記念日カウントを好きと伝えられた日にしていた

それを見つけた奈月がえ?と思って問い詰めたら、何も教えてくれず

2人で記念日どっちだ?となり、結局話がまとまらず消えてしまった

というのが「記念日消えたわ」の真相だった

一般的な考え方は付き合った日だろ、と思いながら話を聞いた

私は、その日の部活の帰り道、夕希をこれでもかと茶化してやった

すると夕希は、耳まで真っ赤にして、いつもと違う変なテンションでこう言った

夕希「あの日先に帰らせた日に好きって言われて、それで言われたんでふけど...//」

完全に照れ隠しのキモオタみたいな口調になっていて、

私は思わず「話し方きもっ!」と言って大爆笑してしまった

付き合ってから半年以上。

みんなから隠し通してきているのに、なぜか事件が多い

真っ赤になって照れている友達の姿を見て、

私は爆笑しながらも、ちょっとだけ温かい気持ちになった

人の不幸は蜜の味ともいうけど、たまにはこういうのもいいな、と心の中で呟きながら

私はカバンを揺らし、夕暮れの帰り道を一緒に歩いていった
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2026/07/13 18:33

しゅーりっく
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