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あいかとるかと、誰にも見えない空の下で

#7

るか、学校にいますっ...!(たぶん)

教室のドアを開けると、少しざわっとした空気が流れた。
るかは、まるで迷いこんだ子ウサギみたいに、もじもじと教室の入り口に立っていた。

首元には点滴の跡を隠すスカーフ。
包帯はもう取れていたけど、長袖でそっとかくしていた。
足取りはちょっとおそい。でも、しっかりしていた。

「……おはよう、ございます……」
声はか細いけれど、ちゃんと届いていた。

最初に声をかけてくれたのは、席の近くの女の子だった。
「るかちゃん、久しぶり……!」
驚いて、でもあたたかい声だった。

藍佳が隣で、すっと椅子を引いてくれた。
それだけで、るかの肩の力がふわって抜けた。

授業中、ノートを取る手がちょっと震えた。
先生の声がちょっと遠くて、何度も藍佳のノートをのぞき見した。

でも、藍佳は怒らずに、こっそりノートの端に
「がんばっててえらいよ」って、書いてくれた。

るかは口元を押さえて、そっと笑った。

お昼。
お弁当を出すのが、ちょっとだけ恥ずかしかった。
けど――藍佳が「こっち来なよ」って手を引いてくれて、
ふたりで中庭のベンチへ。

「……るか、ここで食べたいって思ってたの」
そう言ったら、藍佳は「わたしも」って言ってくれた。

午後の授業は、ほんの少し眠くなって、
授業中にうとうとしかけたけど……
藍佳が机の下で、そっと指先をトントンってしてくれた。
「起きてる?」って、やさしく聞いてるみたいだった。

放課後。
みんなが帰る中、るかと藍佳はいつもの屋上へ。
でも今日は、いつもと少し違っていた。

風の音が、すこしだけやわらかかった。
だって、今日のるかは――
ちゃんと、「ここにいる」って思えたから。

2025/07/04 12:24

藍瑠
ID:≫ 21UXd1371f91U
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