ぽかぽかした春の朝。
藍佳がおそるおそるキッチンの戸を開けると――
「…………お、おはよう……あ、藍佳……」
るかが、ちいさな声で、でもちょっぴり誇らしげに立っていた。
パジャマの上にエプロンをくしゃっと着て、
フライパンを……ふりながら、あたふたしていた。
「え、えっと……きょ、今日からね……その……っ」
るかは顔を真っ赤にしながら、もじもじ、目をそらした。
「も、もう……病院も、点滴も……なくて……だ、だから……っ」
「その……っ、こ、こういうこと、できるように……なったの……っ」
藍佳は、なにも言わずにるかの頭をなでた。
あったかくて、ほっとするその手に、
るかは思わず目を閉じて、こくんと小さくうなずいた。
「た、卵焼き……すこし焦げちゃったけど……た、食べてくれたらうれしい……かも……っ」
その日の朝ごはんは、ちょっぴり苦くて、
でも、ふたりにとっては、まるでごほうびみたいな味だった。
藍佳がおそるおそるキッチンの戸を開けると――
「…………お、おはよう……あ、藍佳……」
るかが、ちいさな声で、でもちょっぴり誇らしげに立っていた。
パジャマの上にエプロンをくしゃっと着て、
フライパンを……ふりながら、あたふたしていた。
「え、えっと……きょ、今日からね……その……っ」
るかは顔を真っ赤にしながら、もじもじ、目をそらした。
「も、もう……病院も、点滴も……なくて……だ、だから……っ」
「その……っ、こ、こういうこと、できるように……なったの……っ」
藍佳は、なにも言わずにるかの頭をなでた。
あったかくて、ほっとするその手に、
るかは思わず目を閉じて、こくんと小さくうなずいた。
「た、卵焼き……すこし焦げちゃったけど……た、食べてくれたらうれしい……かも……っ」
その日の朝ごはんは、ちょっぴり苦くて、
でも、ふたりにとっては、まるでごほうびみたいな味だった。