あれから1ヶ月ほど経った。
警備隊は、あの事件の犯人であると思われる「フォーミュラ」のアジト捜索に勤しんでいた。
あたしはまだまだ新入隊員の身なので、先輩方の手伝いをしたり、仕事場の掃除をしたり、空中車の渋滞の交通整理をしたりと、言ってしまえば地味な仕事を日々こなしている。
そんなある日、あたしは先輩に呼び出された。
「お、アイラ来たか」
「何か用っスか?」
「ちょっとお前に頼みたいことがあってな……いや、“ちょっと”ではないけども」
「?」
その時、先輩の背後からにゅっと誰かが出てきた。
それは……その子は、小さな少女だった。
10代前半……いや、10代にもなってないかもしれない。
この辺りでは珍しい雪のような銀髪が、部屋の照明の灯りを反射してキラキラと輝いている。
顔には、小さくて白い顔に不相応な、真っ黒なマスクを着けていた。
「この子は今日から警備隊に入隊する、新入りだ」
「えぇ!? この子が!?」
確かに、小綺麗な顔と印象的な黒マスクに気を取られて気が付かなかったが、体にはきっちりと警備隊の制服を身につけている。
確かに警備隊の入隊条件に、年齢はない。
入隊2ヶ月目で分かったことのひとつに、「警備隊はとことん実力主義である」というものがある。
うちなら、どんなに小さい子でも戦闘能力があれば採用しかねないな。
「お前にはこの子の教育係になってもらう」
「はあ!? あたしまだ入隊2ヶ月目ですけど!?」
「あいにく、フォーミュラのアジト捜索で、みんな手が空いてねえんだ。お前は暇だろ? だからだよ」
「ぜんっぜん暇じゃないっスよ!?」
「まあまあ。いいだろ? ほら新入り、この姉ちゃんがお前の教育係だ。自己紹介しとけよな」
先輩が女の子に促す。
女の子はにっこりと青い目を細めて、言った。
「[漢字]棗[/漢字][ふりがな]なつめ[/ふりがな][漢字]柚[/漢字][ふりがな]ゆず[/ふりがな][漢字]木[/漢字][ふりがな]き[/ふりがな]っていいます! よろしくね!」
……かわいい。
さっきまでの先輩への苛立ちがどっか飛んでった。
かくして私は、この女の子……棗ちゃんの教育係になったのだ。
警備隊は、あの事件の犯人であると思われる「フォーミュラ」のアジト捜索に勤しんでいた。
あたしはまだまだ新入隊員の身なので、先輩方の手伝いをしたり、仕事場の掃除をしたり、空中車の渋滞の交通整理をしたりと、言ってしまえば地味な仕事を日々こなしている。
そんなある日、あたしは先輩に呼び出された。
「お、アイラ来たか」
「何か用っスか?」
「ちょっとお前に頼みたいことがあってな……いや、“ちょっと”ではないけども」
「?」
その時、先輩の背後からにゅっと誰かが出てきた。
それは……その子は、小さな少女だった。
10代前半……いや、10代にもなってないかもしれない。
この辺りでは珍しい雪のような銀髪が、部屋の照明の灯りを反射してキラキラと輝いている。
顔には、小さくて白い顔に不相応な、真っ黒なマスクを着けていた。
「この子は今日から警備隊に入隊する、新入りだ」
「えぇ!? この子が!?」
確かに、小綺麗な顔と印象的な黒マスクに気を取られて気が付かなかったが、体にはきっちりと警備隊の制服を身につけている。
確かに警備隊の入隊条件に、年齢はない。
入隊2ヶ月目で分かったことのひとつに、「警備隊はとことん実力主義である」というものがある。
うちなら、どんなに小さい子でも戦闘能力があれば採用しかねないな。
「お前にはこの子の教育係になってもらう」
「はあ!? あたしまだ入隊2ヶ月目ですけど!?」
「あいにく、フォーミュラのアジト捜索で、みんな手が空いてねえんだ。お前は暇だろ? だからだよ」
「ぜんっぜん暇じゃないっスよ!?」
「まあまあ。いいだろ? ほら新入り、この姉ちゃんがお前の教育係だ。自己紹介しとけよな」
先輩が女の子に促す。
女の子はにっこりと青い目を細めて、言った。
「[漢字]棗[/漢字][ふりがな]なつめ[/ふりがな][漢字]柚[/漢字][ふりがな]ゆず[/ふりがな][漢字]木[/漢字][ふりがな]き[/ふりがな]っていいます! よろしくね!」
……かわいい。
さっきまでの先輩への苛立ちがどっか飛んでった。
かくして私は、この女の子……棗ちゃんの教育係になったのだ。