恐怖のあまり動けなくなってしまったあたしを、隊長が無言で突き飛ばした。
その衝撃で、目が覚めた。
そうだ、援護射撃をしなくては。
腰のホルダーから銃を抜き、構える。
構えた先では、隊長が怪物と戦っていた。
隊長が手に持っている得物は、長槍だ。
あんなデカいもんどこに隠し持ってたんだか。
というか、足怪我してたんじゃなかったのか。
しかし、そんな疑問もどこかに飛んでいってしまうほど、隊長の戦いぶりは美しかった。
銃を構えたままぼぅっと見惚れていると、いつの間にか返り血だらけになった隊長がこちらに歩いてきていた。
その後ろには、刺し傷だらけになって先ほどの怪物が倒れている。
「終わったよー」
「……足を怪我してたってのは何だったんスか」
「ああごめん、あれ嘘」
「ッスゥゥゥゥ……ほーん……?」
「何その顔。怖い怖い」
「あと、あんなデケェ得物どこに隠し持ってたんっスか? 負ぶってるときも全然気づきませんでしたよ」
「それはまあ、隊長パワーだよ」
勝手に新しいエネルギーを生み出すな。
エイレネ警備隊よ、こんな奴がトップに立ってて本当に大丈夫なのか?
確かに、さっきの戦いぶりからして実力は相当なものなんだろうけど……
実力主義にも程がないか!?
「じゃあ、戻ろっか」
「え? 犯人は追わなくていいんですか?」
「もう見失っちゃったしね。それに……」
「それに?」
「あの犯人、気配からして恐らくかなり腕が立つ。銃痕が乱れてたのは、きっと欲求が暴走したせいだ。僕でも一対一じゃ負けるだろうね」
「っえ!? そんなに!?」
「そう。だから、このことは他の隊員にも通達して、じっくり計画を立てて居場所を捜索して、警備隊の精鋭メンバーで確実に殺しに行った方がいい」
「……分かったっス。じゃあ戻りましょ。……あ、帰りは負ぶいませんからね! 絶対っスよ! 頼むから自分で歩いて下さい」
その返り血まみれの体で背中に乗ってこられたら、制服クリーニング不可避だ。絶対に避けなければ。
その一心で言うと、隊長はくつくつと笑った。
「隊長相手に随分強気な物言いだね」
その衝撃で、目が覚めた。
そうだ、援護射撃をしなくては。
腰のホルダーから銃を抜き、構える。
構えた先では、隊長が怪物と戦っていた。
隊長が手に持っている得物は、長槍だ。
あんなデカいもんどこに隠し持ってたんだか。
というか、足怪我してたんじゃなかったのか。
しかし、そんな疑問もどこかに飛んでいってしまうほど、隊長の戦いぶりは美しかった。
銃を構えたままぼぅっと見惚れていると、いつの間にか返り血だらけになった隊長がこちらに歩いてきていた。
その後ろには、刺し傷だらけになって先ほどの怪物が倒れている。
「終わったよー」
「……足を怪我してたってのは何だったんスか」
「ああごめん、あれ嘘」
「ッスゥゥゥゥ……ほーん……?」
「何その顔。怖い怖い」
「あと、あんなデケェ得物どこに隠し持ってたんっスか? 負ぶってるときも全然気づきませんでしたよ」
「それはまあ、隊長パワーだよ」
勝手に新しいエネルギーを生み出すな。
エイレネ警備隊よ、こんな奴がトップに立ってて本当に大丈夫なのか?
確かに、さっきの戦いぶりからして実力は相当なものなんだろうけど……
実力主義にも程がないか!?
「じゃあ、戻ろっか」
「え? 犯人は追わなくていいんですか?」
「もう見失っちゃったしね。それに……」
「それに?」
「あの犯人、気配からして恐らくかなり腕が立つ。銃痕が乱れてたのは、きっと欲求が暴走したせいだ。僕でも一対一じゃ負けるだろうね」
「っえ!? そんなに!?」
「そう。だから、このことは他の隊員にも通達して、じっくり計画を立てて居場所を捜索して、警備隊の精鋭メンバーで確実に殺しに行った方がいい」
「……分かったっス。じゃあ戻りましょ。……あ、帰りは負ぶいませんからね! 絶対っスよ! 頼むから自分で歩いて下さい」
その返り血まみれの体で背中に乗ってこられたら、制服クリーニング不可避だ。絶対に避けなければ。
その一心で言うと、隊長はくつくつと笑った。
「隊長相手に随分強気な物言いだね」