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【/参/加/型/】 スパイ兼暗殺者グループ“《easyt》”

#36

�シ熟ight\_

夜は静かだった_____


けれどその静寂は、嵐の前触れに似ている。

数日後。

湖緑たちの拠点に、奇妙な噂が流れ込んだ。

「長距離から、観測者を正確に撃ち抜く影がいる」

「撃った後、必ず笑っているらしい」

「身長が……やけに高い女」

ヌッシが鉛筆を回しながら言う。

ヌッシ「それ、味方?」

琉夏「わからない。けど――」

ありす「匂いがする」

るるちゃんが、かすかに明滅した。

天ちゃんが、空中で一回転する。

湖緑は端末を閉じた。

湖緑「接触する。敵なら排除。味方なら――」

ヌッシ「面接?」

湖緑「……ベテラン枠」

その女は、あっさりと現れた。

ビルの屋上。

紺のスーツをだらしなく着崩し、巨大なケースに寄りかかっている。

身長、217。

長いブルーバイオレットの髪が、夜風に流れる。

紫の垂れ目。

口元には、うっすらと口紅。

左の八重歯が、月明かりを反射した。

女はにこにこと笑っている。

「んぁ?なーにーどーしたのぉ〜」

柔らかく、気の抜けた声。

ヌッシが小声で。

ヌッシ「でか……」

女はケースを軽く叩く。

中身はTAC-50とR93。

ただの狙撃銃。

だが、その“ただ”が恐ろしい。

湖緑「名前」

女は片手をひらひら。

「碧薫 神楽(あおざき かぐら)。コードネームは――」

紫の瞳が細まる。

「可惜夜(リグレッタブル)」

空気が、わずかに重くなる。

琉夏が静かに前へ。

琉夏「目的は」

神楽は考える素振りをし、ロケットペンダントを指で弾く。

「自由。あと、ご飯と睡眠」

ヌッシ「雑」

神楽「えーめんどくさーい、、まあやるけどさぁ〜、、」

ありすがじっと見つめる。

ありす「戦争、好き?」

一瞬。

ほんの一瞬だけ。

神楽の笑顔が、消えた。

真顔。

凍りつくほど冷たい。

見た者が息を呑むほど。

だが次の瞬間、また笑う。

「嫌いだよぉ〜」

その声だけが、少し低い。

琉夏は察する。

湖緑「政府をどう思う」

神楽の指が、止まる。

「詮索はナシって言ったよね?」

空気が、張り詰める。

ヌッシが、わざとらしく手を挙げた。

ヌッシ「はいはい質問。裏切る?」

神楽は肩をすくめる。

「彼奴らみたいな真似はしないよぉ〜。今はね」

ヌッシ「今は、ね」

神楽は笑う。

「強い子たちといるの、嫌いじゃないんだ。僕」

琉夏と目が合う。

神楽「壊さないなら歓迎?」

琉夏は小さく頷く。

湖緑は決断する。

湖緑「碧薫 神楽。“ベテラン”。仮採用」

神楽「マジで? ふふ、ありがと」

ありすが近づく。

ありす「よろしくねっ!」

神楽は屈む。

長い髪が流れる。

「よーしお姉さんが甘やかしてあげようじゃないかぁ」

ありすが笑う。

ヌッシ「俺は?」

神楽「君はサボったら撃つ」

ヌッシ「怖」

その夜。

初任務。

敵対勢力の観測班を無力化。

神楽はビルの縁に寝そべる。

TAC-50を構え。

呼吸を整え。

引き金を引く。

一発。

二発。

三発。

音は、遠い。

だが命中は正確。

琉夏が驚く。

琉夏「……化け物」

神楽「平和だねぇ〜」

ありすが小型ナイフのキーホルダーを見つめる。

神楽がそれを指で回す。

「これ? おもちゃだよぉ〜」

次の瞬間。

刃が、静かに展開する。

光を吸い込むような鋭さ。

「護身用」

笑顔。

だが目は笑っていない。

任務後。

拠点。

神楽は人気のない廊下で立ち止まる。

ロケットペンダントを開く。

中には、青年の写真。

優しい顔。

神楽は小さく笑う。

「待っててね」

その笑顔は、本物だった。

だが。

背後で足音。

ヌッシが偶然、見てしまう。

ヌッシ「それ、彼氏?」

空気が凍る。

神楽の肩が、わずかに震える。

ゆっくり振り返る。

真顔。

紫の瞳が、底なしになる。

「詮索はナシって言ったよね?」

ヌッシ、冷や汗。

「ごめん」

沈黙。

数秒後。

神楽は、また笑う。

「冗談だよぉ〜」

だがその声は、どこか壊れている。

琉夏は遠くから見ていた。

琉夏(戦場の匂い……)

湖緑も理解する。

この女は。

守る者であり。

壊す者であり。

過去に縛られた――殺戮者。

その頃。

政府内部。

「可惜夜を確認」

「再接触は?」

「不要。泳がせろ」

暗い会議室。

新たな歯車が、音を立てる。

拠点屋上。

月が高い。

琉夏が呟く。

琉夏「始まりだね」

神楽が隣に立つ。

「終わりかもしれないよぉ?」

琉夏「どっちでもいい。壊さないなら」

神楽は笑う。

「壊すのは嫌いなんだ。……本当はね」

風が吹く。

ありすとヌッシが下で言い合っている。

天ちゃんがふわりと浮き。

るるちゃんが優しく光る。

裏切の妖精。
studentの少年。
Neoの天使。
ベテランの可惜夜。

守る者。
壊した者。
裏切る者。
学ぶ者。
そして――悔いる者。

歯車は、もう止まらない。

遠くで、銃声。

それは偶然か、宣戦か。

神楽は空を見上げる。

紫の瞳に、月が映る。

「さぁて」

笑顔。

「次はどこの彼奴を撃とうか」

だがその手は、わずかに震えていた。

―――つづく

2026/02/22 22:20

meruku-q
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スパイ暗殺者殺し屋参加型

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