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【/参/加/型/】 スパイ兼暗殺者グループ“《easyt》”

#13

Embrace the past.

―――――
夜明け前。
甘味処の外縁を、淡い灰色の光がなぞっていた。
雨は、降っていない。
だが、空気には確かに“濡れた記憶”が混じっている。
紫「……結界、完全に静まったな」
蒼「夢も現も、今は均衡しとる。
せやけど――」
蒼の視線が、入口の方へ向く。
そこには、
いつの間にか一人の少女が立っていた。
引き戸は開いていない。
それなのに、彼女は“もうそこにいる”。
白よりのグレーの髪。
先の方がくるくると跳ねていて、
インナーカラーの淡いピンクが、夜の残光を受けて揺れる。
膝上の黒いスカートに、
大きな白い襟のシャツ。
耳元で、星型のピアスが小さく瞬いた。
少女は、きょろきょろと室内を見回し――
次の瞬間、ぱっと笑顔になる。
瑚羽「私は瑚羽!!
よろしくね!!」
翼「え、なにこの子!かわいっ♡」
ルーラ「……え、どこから入ってきたの?」
凛は、即座に一歩前へ出る。
だが、銃も刃も抜かない。
凛「……敵性、なし。
ただし――」
瑚羽は、その視線に気づいたのか、
びくっと肩を震わせた。
瑚羽「……あ、あの……っ……
よ、よろしく……です……」
声が、少し震えている。
特に、蒼や凛の方を直視できていない。
都「……男、苦手か?」
瑚羽「っ……は、はい……
でも……仲良く、したいとは……思ってて……」
紫は、ふっと表情を緩める。
紫「名は?」
瑚羽「白月 瑚羽です。
コードネームは……Luna(るな)」
その名に、
空気が、わずかに鳴った。
るうちゃん『……月、増えたねぇ』
眠る琉璃の影が、ほんの一瞬だけ揺れる。
蒼「……新人、か?」
瑚羽「は、はい!
一応……スパイ……です……」
翼「一応!? 自分で言う!?笑」
瑚羽「えへへ……
よーし!! 今日もがんばろ〜……です!」
その明るさは、
どこか無理をして貼り付けたようで。
グレイスは、じっと瑚羽を見つめていた。
グレイス「……ねぇ。
キミ、雨の日――嫌いでしょ?」
瑚羽の指が、ぴくりと止まる。
瑚羽「……あっ……」
視線が、床へ落ちる。
瑚羽「……大切な、親友が……
雨の日に……いなくなっちゃって……」
その場に、誰も口を挟まない。
瑚羽は、すぐに顔を上げて笑った。
瑚羽「で、でも!
私が笑ってたら、きっと……
みんな、楽しいかなって!」
その瞬間。
匿乃の言葉が、
誰かの記憶の底で、反響した。
――“観測者たち。あんたたち、この子に近づきすぎ”。
紫「……Luna。
君は、ここに何を観測しに来た?」
瑚羽は、少し考えてから――
胸元を、ぎゅっと握る。
瑚羽「……わからない、です。
でも……この子」
眠る琉璃を見る。
瑚羽「……放っておけない、気がして」
るうちゃん『……ふふ。
ルリ、また面倒見られちゃうね〜』
都「……勘だけで動くスパイか」
瑚羽「は、はい……
よく怒られます……」
蒼は、小さく笑った。
蒼「せやけどな。
そういう勘が、世界を救うこともある」
瑚羽「……え?」
蒼「今夜は、もう終いや。
戦う必要も、泣く必要もない」
琉璃が、微かに目を細める。
琉璃「……ぱん……けーき……」
瑚羽の目が、きらっと輝いた。
瑚羽「ぱんけーきだぁ〜!!」
翼「食いつくとこ、そこ!?笑」
夜は、完全に退いていく。
夢は、まだ壊れていない。
月は、二つになった。
**目覚めぬ月(Lunatic)**と、
迷いながらも進む月(Luna)。
そして、灰を被った魔女は、
遠くでその光景を見下ろしている。
匿乃(独白)
「……ああ、なるほど。
舞踏会、長引きそうね」
物語は、戦火を離れ――
静かな不穏と、優しい狂気を抱えたまま。
次の夜へ。

2025/12/17 22:19

meruku-q
ID:≫ 11GsR4EM2gvPY
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R-15 #暴力表現スパイ暗殺者殺し屋参加型R15

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