閲覧前に必ずご確認ください

コメント欄での雑談.または荒らしはおやめください。

文字サイズ変更

【/参/加/型/】 スパイ兼暗殺者グループ“《easyt》”

#10

_== villain==_

――――――

パフェがテーブルに並び、スプーンが触れ合う小さな音が重なった、その瞬間だった。

ふっ……と、甘味処の照明が一瞬だけ揺らぐ。

凛の目が鋭く細まる。

凛「……来るぞ」

都がタバコを床に落とし、踏み消す。

都「チッ……平和は長く続かねぇか」

そのとき――
店の奥、誰も座っていないはずの畳席から、**すぅ……すぅ……**という微かな寝息が聞こえた。

ルーラが首を傾げる。

ルーラ「……あれ? 誰か寝てる〜?」

紫が静かに立ち上がる。

紫「……気配があったか?」

蒼は指を立て、空気の流れを感じ取る。

蒼「ふふ……これは、夢の匂いだな」

畳の上。
いつの間にか、水色のふわふわしたロングヘアの少女が横になっていた。
黒い垂れ目は閉じられ、セーラー服の袖を握ったまま、完全に眠りに落ちている。

翼「えっ!? い、いつからいたの〜!?」

グレイスは驚きつつも、微笑みを崩さない。

グレイス「……新人、かな?」

伶李が一歩前に出て、刀“刹那”に手をかける。

伶李「……敵意は、感じない。でも……」

その瞬間。

カツン。

誰かのスプーンが、テーブルから床に落ちた。

その小さな音に――
少女の眉が、ぴくりと動く。

「……ぅん……」

全員が息を呑む。

少女はゆっくりと身を起こし、半分閉じた目のまま、ふわふわとした声を零した。

???「……あ、おはよぉございまぁす……しんじん……月来……琉璃……すー……」

再び倒れそうになる身体を、**背後に現れた“何か”**が支えた。

――巨大な、黒紫の鎌。
刃には不気味な光が宿り、柄の部分から、はっきりとした声が響く。

るうちゃん『ルリ、ちゃんと起きな〜。周り、知らない人だらけだよ〜』

ルーラ「しゃ、喋った〜!!」

翼「武器が喋るの!? かわいいけど怖い〜♡」

琉璃は片目だけを開き、眠たげに周囲を見回す。

琉璃「……あなたたち……だれぇ……」

こさめが即座に告げる。

こさめ「……敵影、確認。だが、この子自身に敵意はない」

その言葉を聞いた瞬間。
琉璃の空気が――変わった。

琉璃「……ふーん……」

鎌をぎゅっと抱きしめ、首を傾げる。

琉璃「この中でぇ……ルリをぉ……起こしたやつはぁ……」

全員の背筋に、冷たいものが走る。

琉璃「……正直に、てぇあげなさぁい?」

都が思わず苦笑する。

都「……やべぇ新人、来たな」

凛が一歩前に出る。

凛「……俺たちに敵意はない。ここは――」

だが、凛の言葉を遮るように、
るうちゃんの刃がゴウンと音を立てて巨大化する。

るうちゃん『ルリに危害加えたら、夢の世界、直行だからね〜』

蒼が楽しそうに笑う。

蒼「ふふ……これはまた、面白い精霊だ」

グレイスは静かに頭を下げる。

グレイス「はじめまして。私たちはeasyt。あなたは……?」

琉璃は一瞬だけ考え、再び瞼を重くしながら答えた。

琉璃「……ルリ……lunatic……新人……ねむい……」

そして、畳にそのまま倒れ込む。

琉璃「……起こしたら……ぶん殴るからぁ……すー……」

沈黙。

ルーラが小声で囁く。

ルーラ「……えっと……どうする?」

紫が肩をすくめる。

紫「……触らぬが吉、だな」

伶李は刀を納め、静かに微笑んだ。

伶李「……でも、守る力は本物だ」

るうちゃんが満足そうに刃を縮める。

るうちゃん『じゃ、警戒は任せて〜。ルリはおやすみ〜』

こうして、
**夢の精霊・月来 琉璃(lunatic)**は、
甘味処の畳の上で眠ったまま――
easytの新たな一員として迎えられたのだった。

だが、その夢の奥では。
すでに“敵”を誘う、静かな世界が広がり始めていた――。


――――――

静寂は、甘味処の中でゆっくりと溶けていった。

琉璃は畳の上で丸くなり、ふわふわの水色の髪を枕代わりにして、再び深い眠りへ落ちている。
胸の上下は穏やかで、まるでここが戦場の只中であることなど、夢にも思っていないようだった。

るうちゃんは、琉璃の隣に静かに立ち、刃を床に預けている。

るうちゃん『半径三メートル。ここはルリの夢圏内だよ〜。近づきすぎ注意ね』

凛「……結界の一種か」

蒼は指を立て、空気を軽く弾く。

蒼「いや、これは結界というより……夢に引きずり込む前兆だな」

グレイスは琉璃を起こさないよう、声を落とす。

グレイス「新人さん……随分と大物だね」

ルーラはしゃがみ込み、きらきらした目で琉璃を覗き込む。

ルーラ「かわいい〜……寝顔ふわふわ〜……」

――その瞬間。

ピシッ。

空気が、ひび割れた。

凛が即座に顔を上げる。

凛「……来た」

入口の引き戸が、音もなく開く。

外の光が差し込むはずなのに、そこに広がっていたのは夜。
濃く歪んだ影が、甘味処の床を這うように侵食してくる。

都「……敵だ。数は、三……いや、四か」

紫が低く唸る。

紫「……夢喰いだな。甘味処を選んだ理由も分かる」

翼「えぇ〜!? パフェの途中なのに〜!」

影は人の形をしているが、顔がない。
口だけが裂け、甘い匂いを吸い込むように蠢いている。

影《……ユメ……オイシイ……》

その声に――
琉璃の指が、ぴくりと動いた。

「……ぅ……」

るうちゃんが即座に反応する。

るうちゃん『ルリ、起きちゃダメ。あれ、敵だよ』

琉璃「……ん……ルリの……ねむり……」

影の一体が、じり、と前に出る。

影《……ユメノ……セイレイ……》

その瞬間。

琉璃の目が、完全に開いた。

黒い垂れ目は、眠たげなのに――底が見えない。

琉璃「……ふーん……」

ゆっくりと上体を起こし、鎌の柄を握る。

琉璃「あなたたちがぁ……ルリの睡眠を……妨げたんだぁ?」

都「……あーあ。起こしちまった」

琉璃は立ち上がることなく、座ったまま鎌を振り上げる。

琉璃「るうちゃん……いっくよ〜……」

るうちゃん『了解〜♡ 夢の世界、展開』

刹那。

甘味処の景色が、崩れ落ちた。

畳は雲になり、天井は星空へと変わる。
甘い香りは、夜の花の匂いへ――。

影たちは悲鳴を上げる。

影《……ナ、ナニ……!?》

蒼が目を細め、感嘆の息を漏らす。

蒼「……強制夢界。しかも、相手を“敵認定”した瞬間に……」

琉璃はあくびを一つ。

琉璃「……ルリの夢はねぇ……」

鎌の刃が、月光を反射する。

琉璃「逃げられないの」

影たちは次々と、沈むように足元の雲へと落ちていく。

影《……ユメ……コワ……》

最後の一体が消える直前、
琉璃はぼそりと呟いた。

琉璃「……おやすみ……」

――世界が、元に戻る。

甘味処。
パフェ。
何事もなかったかのような静けさ。

琉璃は再び畳に倒れ込む。

琉璃「……ねむ……ココア……」

ルーラ「す、すごかった〜!!」

翼「敵、食べられちゃった感じ〜!? 夢こわ〜♡」

紫「……新人、規格外だな」

凛は腕を組み、静かに頷く。

凛「……戦力として、申し分ない」

グレイスは優しく微笑み、毛布を琉璃にかける。

グレイス「ようこそ、easytへ……lunatic」

るうちゃんが満足そうに揺れる。

るうちゃん『これからよろしくね〜。起こさなければ、平和だよ〜』

都は苦笑しながら、ココアを一杯注文した。

都「……起きたら渡してやるか。機嫌取りは大事だ」

その奥で――
琉璃の夢は、静かに広がり続けていた。

月明かりの下、
次の“敵”が、すでに夢の入口に立っていることも知らずに

作者メッセージ

今回めるくがんばったよ!!!!あと今のところ全員採用です!!
「easyt」は組織だから人員募集中だよ!!!

2025/12/15 21:47

meruku-q
ID:≫ 11GsR4EM2gvPY
コメント

この小説につけられたタグ

R-15 #暴力表現スパイ暗殺者殺し屋参加型R15

通報フォーム

お名前
(任意)
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
違反の種類 ※必須 ※ご自分の小説の削除依頼はできません。
違反内容、削除を依頼したい理由など※必須

盗作されたと思われる作品のタイトル

どういった部分が元作品と類似しているかを具体的に記入して下さい。

※できるだけ具体的に記入してください。

《記入例》
・3ページ目の『~~』という箇所に、禁止されているグロ描写が含まれていました
・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
タイトル
URL

この小説の著作権はmeruku-qさんに帰属します

TOP