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コメント欄での雑談.または荒らしはおやめください。
◆ ◆ ◆
研究所の最深部を抜けた八人は、崩れかけた通路を歩いていた。
のあ「なんかここ……さっきより静か……」
紫「多分、ヴァルドが落ちた衝撃でシステムが停止したんだろう」
朱「なら、さっさと脱出してお菓子タイムだねぇ♡」
蒼「いや緊張感どこ置いてきたん!?」
ルーラはきょろきょろと周囲を見回しながら歩いている。
ルーラ「ここさぁ……懐かしいなぁ。私、よくここで遊んでた気がする!」
のあ「遊び……?」
紫「おい、絶対ろくでもない意味の“遊び”だぞ」
こさめはルーラの腕をそっと握る。
こさめ「……思い出さなくていい。辛くなるだけ」
ルーラ「え?辛い?なんで?全部楽しかったよ?
みんな私を見てくれたし、“薬飲めば強くなるよ”って――」
蒼「ストップストップ!!」
朱「聞いてるこっちが吐きそうなんだよね……」
凛「……ルーラの笑顔が痛いな」
グレイスはルーラの頬に手を添え、目線を合わせた。
グレイス「ルーラちゃん。無理して笑わなくていいよ?」
ルーラ「え?無理なんてしてないよ?
ほら、私、幸せだもん。“愛情”いっぱいだったし!」
全員が息を呑む。
その時だった。
ズズ……ッ……
床下で何かが蠢くような音がした。
紫「……おい、今の聞いたか?」
蒼「聞いた聞いた絶対なんかおるやつや!!」
ルーラがステッキを握りしめる。
ルーラ「この音……知ってる。昔もよく聞こえてた」
こさめ「……“昔”?」
ルーラ「うん。“テスト”の時間にね!」
八人の背中に冷たい汗が流れた。
◆ ◆ ◆
次の瞬間――床が割れた。
バキィィィン!!
巨大なケーブルと金属片を絡めたような異形の機械獣が姿を現す。
のあ「ひええええええええ!!」
朱「絶対強いやつじゃん……!!」
紫「ヴァルドだけじゃなかったのか……!」
蒼「隠しボス案件やんけ!!」
機械獣のスピーカーから不気味な声が響く。
「――実験体ルーラ、反応確認。補足……再収容開始」
ルーラの肩がびくりと震えた。
ルーラ「え……なんで……?なんでまだ私を呼ぶの……?」
こさめは即座にルーラの前へ立つ。
こさめ「……触らせない。絶対に」
凛「その言い方かっこよすぎ」
朱「惚れるしかない」
紫「こさめは全員にモテるな……」
グレイス「でも、今は本気で守らないとね」
蒼は拳を握りしめた。
蒼「よっしゃ、第二ラウンドや!!」
◆ ◆ ◆
機械獣が咆哮し、迫りくる。
ルーラは震える手で“花型”を抜いた。
ルーラ「……こさめ……ごめん。
私、ほんとは……少し……こわい……」
その声は、初めて弱さを見せる声だった。
こさめはルーラの手を強く包む。
こさめ「……怖いなら、言って。自分が……支える」
ルーラの目が少し潤む。
ルーラ「……ありがと……」
こさめは皆に向き直った。
こさめ「……皆様、守るべき人がいる。
自分も……皆様も……ルーラ様も。
次……落とす」
七人が同時に武器を構えた。
凛「了解。血の匂い……濃くなってきた」
紫「おい、楽しむな」
朱「ルーラちゃん、下がってて。終わったら一緒に甘い物食べよ?」
ルーラ「……うん。でも私も戦いたい。
だって、皆が守ってくれるの……すっごく嬉しいから!」
蒼「泣かせにくんなや……!」
グレイス「ルーラちゃん……大丈夫、一緒にいるから」
のあも震えながら前に出た。
のあ「みんなで……守る……!」
機械獣が咆哮する。
「――再収容プログラム・開始――」
こさめ「行く」
ルーラ「うん!」
八人が一斉に踏み出した。
霧が弾け、床が揺れる。
――本当の試練は、ここからだった。
◆ ◆ ◆
機械獣が金属の脚を鳴らしながら迫る。
ギャァァァァ――!!
のあ「ひぃっ!こわいこわいこわい!!」
蒼「でけぇ!!絶対一撃もらったら死ぬやつや!!」
紫「落ち着け!まず動きを見る!」
朱「機械だから弱点どっかにあるはずだよぉ♡」
凛「とりあえず斬る……」
「待って!」
全員の前にルーラが飛び出した。
ルーラ「この子……昔からいた。
……だから、どこが弱いか……わかるよ」
凛「昔から……?」
紫「“テスト”ってやつか……」
ルーラは震えながらも、ステッキを構える。
ルーラ「背中の中央……赤いコア。
そこ、攻撃すると止まる。私、何度も……何度も……」
言いながら表情が曇る。
“楽しい思い出”のはずなのに、声が震えていた。
こさめはそっとルーラの肩に触れた。
こさめ「……辛いなら、無理に思い出さなくていい」
ルーラ「ちがうの……今は、皆の役に立てるのが嬉しいの!」
その笑顔に、全員が一瞬言葉を失う。
朱「……強いなぁ、この子」
凛「守りたい……」
紫「守れよちゃんと」
◆ ◆ ◆
機械獣が再び吠える。
赤い光が体中を走り、攻撃態勢に入った。
「――駆動率上昇。対象ルーラ、優先確保――」
ルーラの表情が少しだけ固まる。
蒼「また名指し!完全に狙われとるやん!」
こさめ「……なら、自分が止める」
こさめの瞳が細くなり――
空気が、固まった。
時間停止。
蒼「きた!」
朱「こさめの本気モード♡」
凛「好き(真顔)」
こさめは止まった空間を進み、機械獣の足へナイフを走らせる。
スパッ……スパッ……
しかし。
こさめ「……硬い」
紫「嘘だろ……あのこさめが切れない!?」
こさめの刃は機械獣の外装に浅い傷しかつけられなかった。
のあ「ど、どうしよ……どうすれば……」
ルーラが一歩前に出る。
ルーラ「こさめ、次は私に任せて!」
ステッキを握り、魔力を溜める。
「四大元素――暴奏《クアッド・カタストロフ》!」
炎が爆ぜ、水が渦を巻き、風が刃となり、土が壁を構築する。
蒼「盛りすぎや!!」
紫「制御できてんのかこれ!?」
ルーラ「だいじょーぶ!!私はこういうの慣れてるから!」
機械獣の動きが止まる。しかしコアは無傷だ。
こさめ「……ルーラ様。コアを?」
ルーラ「うん!いける!」
ルーラは“花型”を抜き、跳躍する。
体が軽く揺れ、不安定。しかし――。
ルーラ(心の声)
――こわい。でも……皆が見てるから、平気。
その瞬間。
機械獣がルーラへ向けて拘束ワイヤーを放った。
シュバッ!!!
ルーラ「わっ――!」
こさめ「……っ!」
こさめが飛び込み、ルーラを抱きかかえて回避する。
こさめ「……大丈夫?」
ルーラ「う、うん……ありがとう……」
ルーラはほんの少しだけ赤くなっていた。
凛「爆発しそう(心が)」
朱「見てて幸せになる……」
蒼「お前ら状況わかってんのか!!」
◆ ◆ ◆
機械獣が再び咆哮し、床が割れ、触手のようなケーブルを伸ばす。
のあ「うわぁぁぁ何これぇぇ!!」
紫「近づくな!」
グレイスが祈るように手を合わせる。
グレイス「みんな……無事で……!」
ルーラは深く息を吸う。
ルーラ「……愛憎《アイラブユー》」
手首に痛みが走る。
だが、ルーラは笑った。
ルーラ「この痛み……“返す”!」
機械獣に向けて手を突き出す。
ゴッ……!!
機械獣がよろめく。
蒼「効いとる!!」
紫「やっと崩れた!」
こさめ「……今!」
時間停止。
こさめはルーラの魔法が作った隙に、コアへ向かって走った。
ナイフを構え――
こさめ「……皆様を、狙うな」
刃が赤いコアに突き刺さる。
ピシィィィン!!
機械獣「――エラー……エラー……」
朱「割れた!!」
のあ「やったぁぁぁぁ!!」
ルーラが叫ぶ。
ルーラ「こさめ!!どいて!!」
こさめ「?」
ルーラ「最後の一撃、いくよ……!」
ステッキを天に掲げる。
「創造神術――
終奏《フィナーレ》!!」
膨大な光が放たれ、機械獣を一瞬で包む。
眩い光。
爆風。
金属の悲鳴。
そして――
静寂。
機械獣はゆっくりと崩れ落ち、完全に停止した。
◆ ◆ ◆
蒼「ふぅぅぅぅ……倒した……」
のあ「こ、怖かったぁぁぁ……!」
朱「ルーラちゃん、頑張りすぎだよぉ♡」
グレイス「よかった……全員無事で……」
ルーラはふらりと前に倒れかけ、
こさめが抱きとめる。
こさめ「……無茶しすぎ」
ルーラ「えへへ……でも……みんなのためだもん……」
凛「守られたい……」
紫「黙っとけ」
こさめはルーラの頭をそっと撫でた。
こさめ「……ありがとう。ルーラ様のおかげ」
ルーラは少し照れながら微笑んだ。
ルーラ「うん……私も……みんなと一緒で、よかった……」
霧が晴れ、破壊された通路から光が差し込む。
蒼「さて……帰るか!」
のあ「甘いもの……食べよ……」
朱「ルーラちゃん特大パフェで祝福〜♡」
紫「早く外出よう。空気悪すぎる」
凛「血の匂い……残ってるね」
グレイス「もう……帰ったら洗濯しなきゃ……」
こさめはルーラの手をつなぎ、静かに言った。
こさめ「……皆様となら……
どんな敵でも、怖くない」
ルーラ「私も!一緒にいたい!」
八人の影が、崩れた研究所の出口へ伸びていく。
――戦いは終わった。
――今度こそ、本当に。
____END____
〜おまけ〜
脱出後
◆ ◆ ◆
――研究所 外部。
夕焼けの空が、崩壊した施設を淡い橙色で照らしている。
のあ「はぁぁ……やっと外ぁぁ……生きてる……」
蒼「ほんまに地獄のダンジョンやったわ……もう二度と入りたない」
紫「まぁボス二連戦したしな……普通じゃないやつらだよね」
朱「新人にしては強すぎたよね〜」
凛「こさめの殺気とルーラの魔力とで……普通じゃない集団になってきた」
グレイス「みんな……無事でよかった……ほんとによかった……」
その横で、こさめはルーラの腕を支えていた。
こさめ「……大丈夫?歩ける?」
ルーラ「うん……平気!
でもね、ちょっと……ふらふらする」
蒼「そりゃ魔力使いまくったしな……」
紫「一撃が重すぎるんだよルーラ、お前」
ルーラはにへらっと笑い、胸を張る。
ルーラ「えへへっ!褒めてる?」
朱「褒めてる褒めてる♡ めっちゃ可愛いよ〜」
ルーラ「わーい!」
のあ「私もほめる〜……すごいよぉ……ルーラ……!」
ルーラ「のあ、おいで!」
ぎゅっ。
のあ「あぁぁぁ安心するぅ……」
凛「……ルーラ、抱きつかれたい」
紫「お前は黙ってろって言ってんだぞ」
こさめはそんな騒がしい空気を見つめ、小さく微笑んだ。
こさめ(心の声)
……これが、“仲間”というものなんだろうか。
自分はまだよく分からないけど……
でも、こんな空気……嫌じゃない。
◆ ◆ ◆
研究所の外に停めてあった車に全員が乗り込む。
蒼「ほな帰るか!腹減ったし!」
朱「甘いの食べに行こー♡」
グレイス「ルーラちゃん、ほんとに大丈夫?」
ルーラ「うん!あのね、甘いもの食べたらだいたい治るよ!」
紫「雑すぎんだろ……」
こさめはルーラの隣に座り、そっと缶ココアを渡した。
こさめ「……糖分、欲しい?」
ルーラ「欲しい!!」
パァァァッと表情が明るくなる。
こさめ「……可愛い」
凛「こさめに“可愛い”って言われるの羨ましすぎる……」
のあ「ルーラ、飲んで飲んで……暖かいよ」
ルーラ「んー……おいしい……!!
ありがとうこさめ、のあ!」
蒼「こさめはブラック飲むくせに砂糖袋で食う勢やろ」
こさめ「……糖分は別腹」
紫「べつばらの意味違ぇよ」
◆ ◆ ◆
車はのどかな郊外の道を走る。
ふと、ルーラがぽつりと呟く。
ルーラ「……ねぇ。
私、今日すっごく嬉しかったんだよ」
朱「どうしたの、急に?」
ルーラ「みんなが――“愛情”をくれたから」
車内が静まり返る。
ルーラ「昔ね、間違った愛情しか知らなかったから……
今日みたいなの、初めてで……」
こさめはルーラの頭をそっと撫でる。
こさめ「……それが、本当の愛情。
殴るのも、傷つけるのも、薬を無理やり飲ませるのも……違う」
ルーラ「……うん。
なんかね……今日、それが分かった気がする」
のあ「うん……うん……!」
グレイス「ルーラちゃんが笑える方が……本当だよ」
蒼「幸せにならあかんねん、お前は」
紫「そうだぞ。お前の笑顔は……普通に見てて気分が良い」
凛「癒し。天使。保護対象。眺めたい」
朱「最後だけアウトだよ凛くん」
ルーラは頬を赤くして、ぎゅっとステッキを抱えた。
ルーラ「みんな……ありがと。
これからも……よろしくね!」
こさめは、ルーラの手をそっと握った。
こさめ「……こちらこそ。
自分は、ルーラ様の味方」
ルーラ「うんっ!!」
夕陽が車内を染める中。
八人の笑い声が、静かな帰り道に響き続けた。
研究所の最深部を抜けた八人は、崩れかけた通路を歩いていた。
のあ「なんかここ……さっきより静か……」
紫「多分、ヴァルドが落ちた衝撃でシステムが停止したんだろう」
朱「なら、さっさと脱出してお菓子タイムだねぇ♡」
蒼「いや緊張感どこ置いてきたん!?」
ルーラはきょろきょろと周囲を見回しながら歩いている。
ルーラ「ここさぁ……懐かしいなぁ。私、よくここで遊んでた気がする!」
のあ「遊び……?」
紫「おい、絶対ろくでもない意味の“遊び”だぞ」
こさめはルーラの腕をそっと握る。
こさめ「……思い出さなくていい。辛くなるだけ」
ルーラ「え?辛い?なんで?全部楽しかったよ?
みんな私を見てくれたし、“薬飲めば強くなるよ”って――」
蒼「ストップストップ!!」
朱「聞いてるこっちが吐きそうなんだよね……」
凛「……ルーラの笑顔が痛いな」
グレイスはルーラの頬に手を添え、目線を合わせた。
グレイス「ルーラちゃん。無理して笑わなくていいよ?」
ルーラ「え?無理なんてしてないよ?
ほら、私、幸せだもん。“愛情”いっぱいだったし!」
全員が息を呑む。
その時だった。
ズズ……ッ……
床下で何かが蠢くような音がした。
紫「……おい、今の聞いたか?」
蒼「聞いた聞いた絶対なんかおるやつや!!」
ルーラがステッキを握りしめる。
ルーラ「この音……知ってる。昔もよく聞こえてた」
こさめ「……“昔”?」
ルーラ「うん。“テスト”の時間にね!」
八人の背中に冷たい汗が流れた。
◆ ◆ ◆
次の瞬間――床が割れた。
バキィィィン!!
巨大なケーブルと金属片を絡めたような異形の機械獣が姿を現す。
のあ「ひええええええええ!!」
朱「絶対強いやつじゃん……!!」
紫「ヴァルドだけじゃなかったのか……!」
蒼「隠しボス案件やんけ!!」
機械獣のスピーカーから不気味な声が響く。
「――実験体ルーラ、反応確認。補足……再収容開始」
ルーラの肩がびくりと震えた。
ルーラ「え……なんで……?なんでまだ私を呼ぶの……?」
こさめは即座にルーラの前へ立つ。
こさめ「……触らせない。絶対に」
凛「その言い方かっこよすぎ」
朱「惚れるしかない」
紫「こさめは全員にモテるな……」
グレイス「でも、今は本気で守らないとね」
蒼は拳を握りしめた。
蒼「よっしゃ、第二ラウンドや!!」
◆ ◆ ◆
機械獣が咆哮し、迫りくる。
ルーラは震える手で“花型”を抜いた。
ルーラ「……こさめ……ごめん。
私、ほんとは……少し……こわい……」
その声は、初めて弱さを見せる声だった。
こさめはルーラの手を強く包む。
こさめ「……怖いなら、言って。自分が……支える」
ルーラの目が少し潤む。
ルーラ「……ありがと……」
こさめは皆に向き直った。
こさめ「……皆様、守るべき人がいる。
自分も……皆様も……ルーラ様も。
次……落とす」
七人が同時に武器を構えた。
凛「了解。血の匂い……濃くなってきた」
紫「おい、楽しむな」
朱「ルーラちゃん、下がってて。終わったら一緒に甘い物食べよ?」
ルーラ「……うん。でも私も戦いたい。
だって、皆が守ってくれるの……すっごく嬉しいから!」
蒼「泣かせにくんなや……!」
グレイス「ルーラちゃん……大丈夫、一緒にいるから」
のあも震えながら前に出た。
のあ「みんなで……守る……!」
機械獣が咆哮する。
「――再収容プログラム・開始――」
こさめ「行く」
ルーラ「うん!」
八人が一斉に踏み出した。
霧が弾け、床が揺れる。
――本当の試練は、ここからだった。
◆ ◆ ◆
機械獣が金属の脚を鳴らしながら迫る。
ギャァァァァ――!!
のあ「ひぃっ!こわいこわいこわい!!」
蒼「でけぇ!!絶対一撃もらったら死ぬやつや!!」
紫「落ち着け!まず動きを見る!」
朱「機械だから弱点どっかにあるはずだよぉ♡」
凛「とりあえず斬る……」
「待って!」
全員の前にルーラが飛び出した。
ルーラ「この子……昔からいた。
……だから、どこが弱いか……わかるよ」
凛「昔から……?」
紫「“テスト”ってやつか……」
ルーラは震えながらも、ステッキを構える。
ルーラ「背中の中央……赤いコア。
そこ、攻撃すると止まる。私、何度も……何度も……」
言いながら表情が曇る。
“楽しい思い出”のはずなのに、声が震えていた。
こさめはそっとルーラの肩に触れた。
こさめ「……辛いなら、無理に思い出さなくていい」
ルーラ「ちがうの……今は、皆の役に立てるのが嬉しいの!」
その笑顔に、全員が一瞬言葉を失う。
朱「……強いなぁ、この子」
凛「守りたい……」
紫「守れよちゃんと」
◆ ◆ ◆
機械獣が再び吠える。
赤い光が体中を走り、攻撃態勢に入った。
「――駆動率上昇。対象ルーラ、優先確保――」
ルーラの表情が少しだけ固まる。
蒼「また名指し!完全に狙われとるやん!」
こさめ「……なら、自分が止める」
こさめの瞳が細くなり――
空気が、固まった。
時間停止。
蒼「きた!」
朱「こさめの本気モード♡」
凛「好き(真顔)」
こさめは止まった空間を進み、機械獣の足へナイフを走らせる。
スパッ……スパッ……
しかし。
こさめ「……硬い」
紫「嘘だろ……あのこさめが切れない!?」
こさめの刃は機械獣の外装に浅い傷しかつけられなかった。
のあ「ど、どうしよ……どうすれば……」
ルーラが一歩前に出る。
ルーラ「こさめ、次は私に任せて!」
ステッキを握り、魔力を溜める。
「四大元素――暴奏《クアッド・カタストロフ》!」
炎が爆ぜ、水が渦を巻き、風が刃となり、土が壁を構築する。
蒼「盛りすぎや!!」
紫「制御できてんのかこれ!?」
ルーラ「だいじょーぶ!!私はこういうの慣れてるから!」
機械獣の動きが止まる。しかしコアは無傷だ。
こさめ「……ルーラ様。コアを?」
ルーラ「うん!いける!」
ルーラは“花型”を抜き、跳躍する。
体が軽く揺れ、不安定。しかし――。
ルーラ(心の声)
――こわい。でも……皆が見てるから、平気。
その瞬間。
機械獣がルーラへ向けて拘束ワイヤーを放った。
シュバッ!!!
ルーラ「わっ――!」
こさめ「……っ!」
こさめが飛び込み、ルーラを抱きかかえて回避する。
こさめ「……大丈夫?」
ルーラ「う、うん……ありがとう……」
ルーラはほんの少しだけ赤くなっていた。
凛「爆発しそう(心が)」
朱「見てて幸せになる……」
蒼「お前ら状況わかってんのか!!」
◆ ◆ ◆
機械獣が再び咆哮し、床が割れ、触手のようなケーブルを伸ばす。
のあ「うわぁぁぁ何これぇぇ!!」
紫「近づくな!」
グレイスが祈るように手を合わせる。
グレイス「みんな……無事で……!」
ルーラは深く息を吸う。
ルーラ「……愛憎《アイラブユー》」
手首に痛みが走る。
だが、ルーラは笑った。
ルーラ「この痛み……“返す”!」
機械獣に向けて手を突き出す。
ゴッ……!!
機械獣がよろめく。
蒼「効いとる!!」
紫「やっと崩れた!」
こさめ「……今!」
時間停止。
こさめはルーラの魔法が作った隙に、コアへ向かって走った。
ナイフを構え――
こさめ「……皆様を、狙うな」
刃が赤いコアに突き刺さる。
ピシィィィン!!
機械獣「――エラー……エラー……」
朱「割れた!!」
のあ「やったぁぁぁぁ!!」
ルーラが叫ぶ。
ルーラ「こさめ!!どいて!!」
こさめ「?」
ルーラ「最後の一撃、いくよ……!」
ステッキを天に掲げる。
「創造神術――
終奏《フィナーレ》!!」
膨大な光が放たれ、機械獣を一瞬で包む。
眩い光。
爆風。
金属の悲鳴。
そして――
静寂。
機械獣はゆっくりと崩れ落ち、完全に停止した。
◆ ◆ ◆
蒼「ふぅぅぅぅ……倒した……」
のあ「こ、怖かったぁぁぁ……!」
朱「ルーラちゃん、頑張りすぎだよぉ♡」
グレイス「よかった……全員無事で……」
ルーラはふらりと前に倒れかけ、
こさめが抱きとめる。
こさめ「……無茶しすぎ」
ルーラ「えへへ……でも……みんなのためだもん……」
凛「守られたい……」
紫「黙っとけ」
こさめはルーラの頭をそっと撫でた。
こさめ「……ありがとう。ルーラ様のおかげ」
ルーラは少し照れながら微笑んだ。
ルーラ「うん……私も……みんなと一緒で、よかった……」
霧が晴れ、破壊された通路から光が差し込む。
蒼「さて……帰るか!」
のあ「甘いもの……食べよ……」
朱「ルーラちゃん特大パフェで祝福〜♡」
紫「早く外出よう。空気悪すぎる」
凛「血の匂い……残ってるね」
グレイス「もう……帰ったら洗濯しなきゃ……」
こさめはルーラの手をつなぎ、静かに言った。
こさめ「……皆様となら……
どんな敵でも、怖くない」
ルーラ「私も!一緒にいたい!」
八人の影が、崩れた研究所の出口へ伸びていく。
――戦いは終わった。
――今度こそ、本当に。
____END____
〜おまけ〜
脱出後
◆ ◆ ◆
――研究所 外部。
夕焼けの空が、崩壊した施設を淡い橙色で照らしている。
のあ「はぁぁ……やっと外ぁぁ……生きてる……」
蒼「ほんまに地獄のダンジョンやったわ……もう二度と入りたない」
紫「まぁボス二連戦したしな……普通じゃないやつらだよね」
朱「新人にしては強すぎたよね〜」
凛「こさめの殺気とルーラの魔力とで……普通じゃない集団になってきた」
グレイス「みんな……無事でよかった……ほんとによかった……」
その横で、こさめはルーラの腕を支えていた。
こさめ「……大丈夫?歩ける?」
ルーラ「うん……平気!
でもね、ちょっと……ふらふらする」
蒼「そりゃ魔力使いまくったしな……」
紫「一撃が重すぎるんだよルーラ、お前」
ルーラはにへらっと笑い、胸を張る。
ルーラ「えへへっ!褒めてる?」
朱「褒めてる褒めてる♡ めっちゃ可愛いよ〜」
ルーラ「わーい!」
のあ「私もほめる〜……すごいよぉ……ルーラ……!」
ルーラ「のあ、おいで!」
ぎゅっ。
のあ「あぁぁぁ安心するぅ……」
凛「……ルーラ、抱きつかれたい」
紫「お前は黙ってろって言ってんだぞ」
こさめはそんな騒がしい空気を見つめ、小さく微笑んだ。
こさめ(心の声)
……これが、“仲間”というものなんだろうか。
自分はまだよく分からないけど……
でも、こんな空気……嫌じゃない。
◆ ◆ ◆
研究所の外に停めてあった車に全員が乗り込む。
蒼「ほな帰るか!腹減ったし!」
朱「甘いの食べに行こー♡」
グレイス「ルーラちゃん、ほんとに大丈夫?」
ルーラ「うん!あのね、甘いもの食べたらだいたい治るよ!」
紫「雑すぎんだろ……」
こさめはルーラの隣に座り、そっと缶ココアを渡した。
こさめ「……糖分、欲しい?」
ルーラ「欲しい!!」
パァァァッと表情が明るくなる。
こさめ「……可愛い」
凛「こさめに“可愛い”って言われるの羨ましすぎる……」
のあ「ルーラ、飲んで飲んで……暖かいよ」
ルーラ「んー……おいしい……!!
ありがとうこさめ、のあ!」
蒼「こさめはブラック飲むくせに砂糖袋で食う勢やろ」
こさめ「……糖分は別腹」
紫「べつばらの意味違ぇよ」
◆ ◆ ◆
車はのどかな郊外の道を走る。
ふと、ルーラがぽつりと呟く。
ルーラ「……ねぇ。
私、今日すっごく嬉しかったんだよ」
朱「どうしたの、急に?」
ルーラ「みんなが――“愛情”をくれたから」
車内が静まり返る。
ルーラ「昔ね、間違った愛情しか知らなかったから……
今日みたいなの、初めてで……」
こさめはルーラの頭をそっと撫でる。
こさめ「……それが、本当の愛情。
殴るのも、傷つけるのも、薬を無理やり飲ませるのも……違う」
ルーラ「……うん。
なんかね……今日、それが分かった気がする」
のあ「うん……うん……!」
グレイス「ルーラちゃんが笑える方が……本当だよ」
蒼「幸せにならあかんねん、お前は」
紫「そうだぞ。お前の笑顔は……普通に見てて気分が良い」
凛「癒し。天使。保護対象。眺めたい」
朱「最後だけアウトだよ凛くん」
ルーラは頬を赤くして、ぎゅっとステッキを抱えた。
ルーラ「みんな……ありがと。
これからも……よろしくね!」
こさめは、ルーラの手をそっと握った。
こさめ「……こちらこそ。
自分は、ルーラ様の味方」
ルーラ「うんっ!!」
夕陽が車内を染める中。
八人の笑い声が、静かな帰り道に響き続けた。
- 1.❦▫️Youngest Newcomer▫️❦
- 2.MISSION2
- 3.MISSION3
- 4.MISSION4
- 5.FINALMISSION(物語はまだ続くよ!!!)
- 6.Hidden MISSION (!?)
- 7.▫️❦ Angel ~ Fallen Angel ❦▫️
- 8.煙_ purple smoke 紫_
- 9.❦✯sweet panic✯❦
- 10._== villain==_
- 11.✰=Dream=✰
- 12.ー=anonymous=ー
- 13. Embrace the past.
- 14.new light...
- 15.stage 1>
- 16.stage-2
- 17.stage3
- 18.stage4
- 19.stage5
- 20.Stage6
- 21.stage7
- 22.__終幕__stage8___
- 23.__後日談__Afterstory___
- 24.=Those who didn't let go=
- 25.また、いつか。
- 26.絡み(蒼&湖緑)
- 27.絡み
- 28.絡み!!
- 29.✿A pinch of happiness ✿
- 30.==to==
- 31.New
- 32.Rabbit