[明朝体]天宮の縄によって吊るされている体に検死官が近付いた。天宮の脈をはかったり、閉じている瞼を開き、その目を見て、検死官ははっきりと告げた。
「午後16時42分、執行時間16時30分、所要時間12分。天宮 加奈多の死亡を確認しました。」
その言葉にボタンを押した三人の看守の手が震える。自分が押したボタンのせいで死んでしまったのではないか。この人が死んだのは私のせいだ…と
そんな反応をする看守達に天宮をこの部屋に連れてきた看守が言った。
「あいつは人を殺した悪人だ。別に罪悪感を背負う必要はない。それに慣れてもらわないと困る。ここで働くのならそういう経験は多くすることになるだろうからな。」
優しいのか厳しいのか分からない看守の言葉に困惑する三人の看守達。しかし、ここで狂わないためにはそういう覚悟が必要だろう。
「こうならない為にもな。」
そう言って看守がボタンを押した看守のうちの一人に天宮の持っていた紙を渡した。その紙に書かれた文章を読んでいた看守が突然口を押さえる。
「おいおい、吐くならトイレで吐けよ?ここだと処理が面倒臭くなるからな。」
その言葉を聞いた看守が紙を床に置き、駆け足で部屋から出ていった。その様子を見た二人の看守が気になって置かれた紙を拾い上げる。
紙に書かれた非常に細かく描写されている高い場所から落とされた死体の状態やその時の気持ち。作者の、常人と異なる感覚の差に吐き気がするほどの嫌悪感を覚える。
「お前らも吐きそうなのか?いいから早くトイレ行ってこい。トイレに行ってる最中に絶対吐くんじゃないぞ。吐いたら掃除させるからな」
さらに二人の看守が部屋から出ていったことで部屋に残ったのは天宮を連れてきた看守と看守長、そして検死官だけになった。
「看守長、彼はどうしてここまで狂ってしまったのですかね…」
「さぁ、私には分からん。過去に何かがあったのではないだろうか。ただ分かるのは彼が狂人にならなければ世間に認められるほどの小説家になったであろうことだけだ。」
「確かに… この描写の正確性とクオリティなら間違いなく世間に認められることになったでしょうね。」
検死官が置かれた紙を拾い上げて、読みながら言った。さっきの看守達と違い、慣れているのだろうか。吐きそうな様子はない。
「彼がここまで小説に情熱を注いでいたのは確かですが、彼は頑張り方を間違えた。ただそれだけです。それ以外は私たちと変わらない。」
検死官は少し笑いながらそう言った。
看守も看守長もそれに納得しているのか一度、深く頷いた。
[/明朝体]
「午後16時42分、執行時間16時30分、所要時間12分。天宮 加奈多の死亡を確認しました。」
その言葉にボタンを押した三人の看守の手が震える。自分が押したボタンのせいで死んでしまったのではないか。この人が死んだのは私のせいだ…と
そんな反応をする看守達に天宮をこの部屋に連れてきた看守が言った。
「あいつは人を殺した悪人だ。別に罪悪感を背負う必要はない。それに慣れてもらわないと困る。ここで働くのならそういう経験は多くすることになるだろうからな。」
優しいのか厳しいのか分からない看守の言葉に困惑する三人の看守達。しかし、ここで狂わないためにはそういう覚悟が必要だろう。
「こうならない為にもな。」
そう言って看守がボタンを押した看守のうちの一人に天宮の持っていた紙を渡した。その紙に書かれた文章を読んでいた看守が突然口を押さえる。
「おいおい、吐くならトイレで吐けよ?ここだと処理が面倒臭くなるからな。」
その言葉を聞いた看守が紙を床に置き、駆け足で部屋から出ていった。その様子を見た二人の看守が気になって置かれた紙を拾い上げる。
紙に書かれた非常に細かく描写されている高い場所から落とされた死体の状態やその時の気持ち。作者の、常人と異なる感覚の差に吐き気がするほどの嫌悪感を覚える。
「お前らも吐きそうなのか?いいから早くトイレ行ってこい。トイレに行ってる最中に絶対吐くんじゃないぞ。吐いたら掃除させるからな」
さらに二人の看守が部屋から出ていったことで部屋に残ったのは天宮を連れてきた看守と看守長、そして検死官だけになった。
「看守長、彼はどうしてここまで狂ってしまったのですかね…」
「さぁ、私には分からん。過去に何かがあったのではないだろうか。ただ分かるのは彼が狂人にならなければ世間に認められるほどの小説家になったであろうことだけだ。」
「確かに… この描写の正確性とクオリティなら間違いなく世間に認められることになったでしょうね。」
検死官が置かれた紙を拾い上げて、読みながら言った。さっきの看守達と違い、慣れているのだろうか。吐きそうな様子はない。
「彼がここまで小説に情熱を注いでいたのは確かですが、彼は頑張り方を間違えた。ただそれだけです。それ以外は私たちと変わらない。」
検死官は少し笑いながらそう言った。
看守も看守長もそれに納得しているのか一度、深く頷いた。
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