おばけちゃんと村中くんの愉快なお話
#1
その1
おばけちゃんは昨日、車に轢き逃げされて死んでしまって幽霊化した女の子である。
人がお化けちゃんをすり抜けることはできるが、おばけちゃんは触覚を持っておりおばけちゃん自身から人をすり抜けることはできない。人がおばけちゃんの体をすり抜けていくと、一瞬ゾワゾワとしたものが身体中を走るが、もう慣れてしまった。
おばけちゃんを見える人も見つからず彼女は暇していた。
そんなこんなでおばけちゃんは死んだ次の日、自分の話をしている人がいないかと、夕方自身の通う中学の生徒が多く乗り込む、そしてひょっとしたら村中くんが乗っているかもしれないバス、「梅洅[うめうら]・空港線」に乗り込んだ。当然お金は、周りの誰にも見えないんだし自分もお金は持っていないので払わない。ちなみに服は着ている。
バスに乗り込むと、
「さっきのとこだよね?昨日の事故の」
「なんか実感湧かないね」
「クラスの人一人減っちゃったよ、」
「ちょっと事故の話しないでよ、具合悪くなるでしょ」
と、自分の話をしている人は結構いた。が、話の内容からして、悲しいとか、どんな人だったとかいう人はいないようだ。どうやらおばけちゃんはそんなに好かれていなかったらしい。
そしておばけちゃんは一番後ろの座席に村中くんを見つけた。人間にうまくすり抜けてもらいながら、ちょっと人が多いバスを村中くんの方へ進んでいった。おばけちゃんは、村中くんが好きだった。
どうせ誰にも見えないんだから隣に座ってもいいかなとおばけちゃんが思った瞬間、村中くんと目が合った。
あれ、私は誰にも見えないから目も合わないんじゃーーー。
そう思った瞬間、村中くんの目がまんまるに開いて、
「うわああああぁぁぁ!!?」
「うわあああぁぁぁええぇぇ!!?」
先に叫んだのが村中くんで、その後のがおばけちゃんである。
一斉にバスの中の視線が村中くんの方へ向いた。バスも急ブレーキをかけ道端に停車した。そう、おばけちゃんの声は誰一人にも聞こえていない。ただ一人を除いて。
村中くんはその後も長い間、みんなの視線を感じる中ただ一人何もない空間を目をかっピラいて見つめていた。正確にいうと、おばけちゃんと目が合っていた。
村中くんはちょっとまだ動揺している中、
「あ、あぁちょっと、ゆゆ夢みてたみたいででです」
と言い、周りの視線が遠のき、バスが動き始めた。
おばけちゃんは村中くんと目があったまま、ちょっとずーつ村中くんの方へ近づいていった。
村中くんはビクビクして、おばけちゃんの近づいてくるのを見ていた。
おばけちゃんはとりあえず、村中くんの隣に腰掛けた。
村中くんはスマホに、震える手で字を打った。
「いきめちの!」
多分これは「いきてたの?」と打ちたかったのだろう。
私は、
「体は死んだけど、なぜか生きてる」
と言った。
彼は周りを見渡し、自分の隣に座っている人が誰にも見えず、喋る声も周りに聞こえていないことを察した。
彼は少しだけ落ち着いたようで、ため息を一つついた。しかし流石にまだ状況がよくわかっていないようで、
「おれを呪に着たの?」
と打った。
多分、「俺を呪いに来たの?」と打ちたかったのであろう。
おばけちゃんは、
「な訳ない、な訳ない。暇してて、誰かいないかな、と思って、バス乗ったの。私をみえて、私の声まで聞ける人、初めてなんだけどさ、ビビったわ流石に。ごめんね驚かせちゃって。」
と答えた。
二人(一人?)は、村中くんの普段使うバス停「梅港桟 ばいこうさん」でバスを降りた。考えれば、二人きりで歩くのは初めてである。どちらも少し顔を赤らめながら歩いた。
どうせこういうであろうとずっと口を出かけては飲み込んだ言葉を、村中くんは、周りを歩く人に聞こえないほどの小さい声で隣にいる幽霊に言った。
「家、くるの?」
おばけちゃんは小さく頷いた。
二人(一人)は、普段通りに見えて、実は周りに見えない小さな異変を抱える嬉しさと複雑さを感じながら歩いていった。
ここから、二人のだいぶ愉快でちょっぴりしんみりなお話が始まる。
人がお化けちゃんをすり抜けることはできるが、おばけちゃんは触覚を持っておりおばけちゃん自身から人をすり抜けることはできない。人がおばけちゃんの体をすり抜けていくと、一瞬ゾワゾワとしたものが身体中を走るが、もう慣れてしまった。
おばけちゃんを見える人も見つからず彼女は暇していた。
そんなこんなでおばけちゃんは死んだ次の日、自分の話をしている人がいないかと、夕方自身の通う中学の生徒が多く乗り込む、そしてひょっとしたら村中くんが乗っているかもしれないバス、「梅洅[うめうら]・空港線」に乗り込んだ。当然お金は、周りの誰にも見えないんだし自分もお金は持っていないので払わない。ちなみに服は着ている。
バスに乗り込むと、
「さっきのとこだよね?昨日の事故の」
「なんか実感湧かないね」
「クラスの人一人減っちゃったよ、」
「ちょっと事故の話しないでよ、具合悪くなるでしょ」
と、自分の話をしている人は結構いた。が、話の内容からして、悲しいとか、どんな人だったとかいう人はいないようだ。どうやらおばけちゃんはそんなに好かれていなかったらしい。
そしておばけちゃんは一番後ろの座席に村中くんを見つけた。人間にうまくすり抜けてもらいながら、ちょっと人が多いバスを村中くんの方へ進んでいった。おばけちゃんは、村中くんが好きだった。
どうせ誰にも見えないんだから隣に座ってもいいかなとおばけちゃんが思った瞬間、村中くんと目が合った。
あれ、私は誰にも見えないから目も合わないんじゃーーー。
そう思った瞬間、村中くんの目がまんまるに開いて、
「うわああああぁぁぁ!!?」
「うわあああぁぁぁええぇぇ!!?」
先に叫んだのが村中くんで、その後のがおばけちゃんである。
一斉にバスの中の視線が村中くんの方へ向いた。バスも急ブレーキをかけ道端に停車した。そう、おばけちゃんの声は誰一人にも聞こえていない。ただ一人を除いて。
村中くんはその後も長い間、みんなの視線を感じる中ただ一人何もない空間を目をかっピラいて見つめていた。正確にいうと、おばけちゃんと目が合っていた。
村中くんはちょっとまだ動揺している中、
「あ、あぁちょっと、ゆゆ夢みてたみたいででです」
と言い、周りの視線が遠のき、バスが動き始めた。
おばけちゃんは村中くんと目があったまま、ちょっとずーつ村中くんの方へ近づいていった。
村中くんはビクビクして、おばけちゃんの近づいてくるのを見ていた。
おばけちゃんはとりあえず、村中くんの隣に腰掛けた。
村中くんはスマホに、震える手で字を打った。
「いきめちの!」
多分これは「いきてたの?」と打ちたかったのだろう。
私は、
「体は死んだけど、なぜか生きてる」
と言った。
彼は周りを見渡し、自分の隣に座っている人が誰にも見えず、喋る声も周りに聞こえていないことを察した。
彼は少しだけ落ち着いたようで、ため息を一つついた。しかし流石にまだ状況がよくわかっていないようで、
「おれを呪に着たの?」
と打った。
多分、「俺を呪いに来たの?」と打ちたかったのであろう。
おばけちゃんは、
「な訳ない、な訳ない。暇してて、誰かいないかな、と思って、バス乗ったの。私をみえて、私の声まで聞ける人、初めてなんだけどさ、ビビったわ流石に。ごめんね驚かせちゃって。」
と答えた。
二人(一人?)は、村中くんの普段使うバス停「梅港桟 ばいこうさん」でバスを降りた。考えれば、二人きりで歩くのは初めてである。どちらも少し顔を赤らめながら歩いた。
どうせこういうであろうとずっと口を出かけては飲み込んだ言葉を、村中くんは、周りを歩く人に聞こえないほどの小さい声で隣にいる幽霊に言った。
「家、くるの?」
おばけちゃんは小さく頷いた。
二人(一人)は、普段通りに見えて、実は周りに見えない小さな異変を抱える嬉しさと複雑さを感じながら歩いていった。
ここから、二人のだいぶ愉快でちょっぴりしんみりなお話が始まる。