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ガガガ、ガガ、と音がして2階を見上げてしまうのは何時もの癖だ。
古い掃除ロボットは、壁やベット、棚に当たるたびにこういう音を鳴らす。バッテリーもこの間切れて、変えたばかりだが音は治らない。
母は「音がうるさくても、しっかり掃除してくれればいいのよ」と言って取り合ってくれない。
ある日の事。
突然母に、「私のイヤリング、知らない?」と聞かれた。
知るわけない。
どうせ床に落として掃除ロボットが吸い込んでしまったんだろう。
思い出の品だったんだけど…と母は呟いた。
次の日。
私が部屋を掃除していたら、友達と遊園地に行ったときにお揃いで買ったシャーペンがないことに気が付いた。
押し入れの奥に突っ込んでなくしたのか、それともゴミ箱に間違えて入ったか。
どちらにしろない事にかわりがなかった。
その次の日は、家族写真がなくなっていた。
「誰かが動かしたのかしら」と母は呑気に言う。
私に動かした覚えはない。
ガガガ、ガガと音がして振り向く。
そういえば、と呟く。「最近このロボットの内部掃除した?」と母に聞いた。
これまた呑気な声で母は言う。「そういえばしてないわね」
今、学校から帰ってきたら家がなかった。
冗談だったらこんなこと言わない。
家があるはずの場所は、空き地だった。
母もいない。
ただ、急に何も思い出せなくなった。
さっきまで何をしていたか。
最近なくしたものは何か。
家族旅行はどこに行ったか。
自分は今までどんな家に住んでいたか。
母親はどんな顔をしていたか。
自分は誰なのか。
なぜここにいるのか。
この思い出せない思い出を搔っ攫っていったのは誰か。
呆然と立ち尽くす私の後ろから、聞き覚えのある音が聞こえてきた。
ガガガ、ガガ、ガガガガガ、ガガ、ガガガガガガガガガガ、ガガ、ガガガガガ、ガガガガガガガガガガガガ
掃除して中にたまったものたちが、ガガガ、ガガと音を立てていたらしい。
古ぼけた掃除ロボットはただの空き地に一人でたたずむ私のもとにゆっくり迫っていた。
ガガガ、ガガ、ともはや恐怖に変わった音を立てながら。
古い掃除ロボットは、壁やベット、棚に当たるたびにこういう音を鳴らす。バッテリーもこの間切れて、変えたばかりだが音は治らない。
母は「音がうるさくても、しっかり掃除してくれればいいのよ」と言って取り合ってくれない。
ある日の事。
突然母に、「私のイヤリング、知らない?」と聞かれた。
知るわけない。
どうせ床に落として掃除ロボットが吸い込んでしまったんだろう。
思い出の品だったんだけど…と母は呟いた。
次の日。
私が部屋を掃除していたら、友達と遊園地に行ったときにお揃いで買ったシャーペンがないことに気が付いた。
押し入れの奥に突っ込んでなくしたのか、それともゴミ箱に間違えて入ったか。
どちらにしろない事にかわりがなかった。
その次の日は、家族写真がなくなっていた。
「誰かが動かしたのかしら」と母は呑気に言う。
私に動かした覚えはない。
ガガガ、ガガと音がして振り向く。
そういえば、と呟く。「最近このロボットの内部掃除した?」と母に聞いた。
これまた呑気な声で母は言う。「そういえばしてないわね」
今、学校から帰ってきたら家がなかった。
冗談だったらこんなこと言わない。
家があるはずの場所は、空き地だった。
母もいない。
ただ、急に何も思い出せなくなった。
さっきまで何をしていたか。
最近なくしたものは何か。
家族旅行はどこに行ったか。
自分は今までどんな家に住んでいたか。
母親はどんな顔をしていたか。
自分は誰なのか。
なぜここにいるのか。
この思い出せない思い出を搔っ攫っていったのは誰か。
呆然と立ち尽くす私の後ろから、聞き覚えのある音が聞こえてきた。
ガガガ、ガガ、ガガガガガ、ガガ、ガガガガガガガガガガ、ガガ、ガガガガガ、ガガガガガガガガガガガガ
掃除して中にたまったものたちが、ガガガ、ガガと音を立てていたらしい。
古ぼけた掃除ロボットはただの空き地に一人でたたずむ私のもとにゆっくり迫っていた。
ガガガ、ガガ、ともはや恐怖に変わった音を立てながら。