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“おとしもの”を拾う[短編集]

#2

刺繍のハンカチ

ふわり、と地面に落ちた瞬間。
君は落とされたんだよ持ち主に、とささやく声が聞こえた。
彼から彼女への、誕生日プレゼント。
お名前の刺繍。

2人で一緒に映画を見に行ったとき涙を拭いたり。
2人で浜辺で拾った貝がらを包んだり。
…結婚式の写真に写り込んでみたり。

ずっと風雨にさらされていたから、元のふわふわな触り心地も、たった一つのラインストーンもだいぶかがやきを失ってきた。
探されてはいるけれど、見つけられることはない。
でも、私は、記憶の中に。
拾われなくても。
本当に大切なものは失われない。
この世で一番素敵なハンカチだとわかってる。

作者メッセージ

だいぶ汚れているけれど、いつまでも気高く誇りを持っていてね。

びみょいのでボツ

2026/04/14 17:51

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