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フィクションです
誰だって心を黒く塗りつぶせます
私には〝心〟が見える。
ちょうど左頬。そこに〝心〟が見えるのだ。
これが見えるのは世界で三十人しかいない。
そしてその三十人が、他人の心を
白く塗りつぶすことも
黒く塗りつぶすこともできる。
純白の〝白い心〟を持つ人は見たことがない。
たいていの人はライトグレーからグレー。
〝黒い心〟を持つ人だってもちろんいる。
意地の悪い人、身も心も荒んだ人、邪悪な犯罪者(人は一生のうち何回か殺人犯とすれ違うという雑学があるが、本当にその通りで心が真っ黒の人を見たことがある)、愛情を知らない人。
そして
得体の知れない恐ろしい人。
こんな人にはそうそう出会うことはないだろう。
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彼に会ったのは土砂降りの日だった。
彼の左頬の〝心〟は今まで見たことないくらいどす黒くて、目に入った瞬間心が叫んだ。近づいてはいけない、危ない、って。
それなのに、離れられない。
彼の整った顔立ちと甘い声から逃げられなくて
何回も会ってしまった。
ひんやりとした彼の手が私の左頬に触れる度、今までにないくらいの快感に襲われるのだ。
恍惚感に包まれて、ぼんやりとしてしまうのだ。
その度に心は悲鳴をあげるけど、そんなことではやめられない。
彼が三十人のうちの一人だと気づいたときには遅かった。彼は私と会うたび、私の左頬の心を黒く染め上げていった。
そして気づいたときには
どす黒い心をもつ男にふさわしい
どす黒い心をもつ女になっていた。
ちょうど左頬。そこに〝心〟が見えるのだ。
これが見えるのは世界で三十人しかいない。
そしてその三十人が、他人の心を
白く塗りつぶすことも
黒く塗りつぶすこともできる。
純白の〝白い心〟を持つ人は見たことがない。
たいていの人はライトグレーからグレー。
〝黒い心〟を持つ人だってもちろんいる。
意地の悪い人、身も心も荒んだ人、邪悪な犯罪者(人は一生のうち何回か殺人犯とすれ違うという雑学があるが、本当にその通りで心が真っ黒の人を見たことがある)、愛情を知らない人。
そして
得体の知れない恐ろしい人。
こんな人にはそうそう出会うことはないだろう。
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彼に会ったのは土砂降りの日だった。
彼の左頬の〝心〟は今まで見たことないくらいどす黒くて、目に入った瞬間心が叫んだ。近づいてはいけない、危ない、って。
それなのに、離れられない。
彼の整った顔立ちと甘い声から逃げられなくて
何回も会ってしまった。
ひんやりとした彼の手が私の左頬に触れる度、今までにないくらいの快感に襲われるのだ。
恍惚感に包まれて、ぼんやりとしてしまうのだ。
その度に心は悲鳴をあげるけど、そんなことではやめられない。
彼が三十人のうちの一人だと気づいたときには遅かった。彼は私と会うたび、私の左頬の心を黒く染め上げていった。
そして気づいたときには
どす黒い心をもつ男にふさわしい
どす黒い心をもつ女になっていた。
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