??視点
小さい頃 、 よく 一緒に 遊んでくれる お兄ちゃんが いた 。
僕と 誕生日が 同じだけど 、 僕より 色々 知ってて 自慢の 幼馴染 だった 。
僕は 、 お兄ちゃんに 憧れていた 。
お兄ちゃんみたいに なりたい 。
そう 思って 、 必死で 勉強して 、 運動した 。
でも 、 お兄ちゃんに 少し 近づいたと 思うと 、 お兄ちゃんは また 、 少し 僕より 先に 行っていた 。
お兄ちゃんと 一緒に なりたい 。
価値観も 、 性格も 、 傷跡も 、 記憶も 、 全部 。
そう 思うくらい 、 憧れの 存在だった 。
「 そっくりだね 」 「 双子 みたい 」
と 言われると 、 努力が 報われた 気がした 。
そして 、 少しでも お兄ちゃんと 違う ところが あると 、 強烈な 違和感と 苦痛が 僕を 縛った 。
でも 、 次第に 周囲は それを 「 そっくり 」 と 言わなくなった 。
「 クローン 」 、 そう 言われた 。
ある日 、 僕と お兄ちゃんは 一緒に 病院に 連れて行かれた 。
お兄ちゃんも 僕も 、 片時も お互いを 離そうと しなかった 。
僕らは 、 医者に “ 双子病 ” と 言われた 。
二人とも 、 おんなじ 病気 。
僕は 優越感と 、
少しの 苦痛を 覚えた 。
お兄ちゃんが 嫌いな 数学 。
僕は 嫌いじゃないけど 、 お兄ちゃんが 嫌いなら 僕も しない 、
そう 思って 、 一度も 触れていなかった 数学の 教科書が 、 目に入ったから だった 。
もう 、 数学 できないのかな 。
唯一の 不安を 押し殺しながら 、 僕は 数学の 教科書から 目を そらした 。