??視点
小さい頃から 、 本が たくさん ある 家で 育った 。
父さんは 小説家で 、 母さんは 司書だったから 。
俺は クレヨンより 先に 、 絵本を 持たされた 。
でも 、 俺にとって 本は 何の 苦痛でも ないどころか 、
仕事で 忙しくて いつも 一人だった 俺の 寂しさを 紛らわせてくれる 、 いい 友達だった 。
いつだっただろう 。
本が 、 義務になったのは 。
といっても 、 父さんや 母さんに 強制された わけじゃなかった 。
本棚に ある本を 読まずに 放置していると 、 恐ろしいほどの 違和感に 苛まれるのだった 。
でも 、 本を 読むと 、 内容が 染み付いて 夢に 出てきてしまうから 、 読みたくなかった 。
真剣に 悩んでいる のに 、
父さんも 母さんも 、
「 相当 本が 好きなんだなぁ 。 将来は いい 小説家に なるよ 」
「 小さい頃から 沢山 本を 買って 良かったわね 」
と 喜んだ 。
何で ?
ロミオと ジュリエットの 夢を 見た時は 、 冷たい 二人の 身体に 触れて 、 俺も 死ぬんじゃないかって 怖かったのに 。
ハーメルンの 笛吹き に 入った時は 、 連れて行かれた 子供達の 顔が 、 忘れられないほど 強く 記憶に 残っているのに 。
ある日 、 俺は 本棚に 置いてあった 医学書を 手に取った 。
何が 興味あるわけでもない 。
ただ 、 読まないといけないと言う 意思に 負けただけだった 。
そこで 、 俺は “ 未読感染 ” と いう 言葉を 見つけた 。
これだよ 、 と 脳が 叫ぶ 。
“ 読んでいない 本が 増える ほどに 進行する 病気 ”
脳が 終了の 鐘を 鳴らした気が した 。
だって 、 読んでない 本なんて 、 増える 一方 だから __ 。