?? 視点
ふと 気づくと 、 いつも 同じメロディー が 僕の 中に 流れた 。
何かに 心を 惹かれるたびに 、 僕の 中で メロディー が 流れる 。
何かに 怒りを 覚えると 、 不協和音が 紡がれた 。
最初は 、 どこかで 聞いた メロディーが 頭の 中で 再生されているんだろう 、 と 軽く 考えていた 。
でも 、 次第に その 音楽は 、 僕の 生活まで 侵食し始めてきた 。
僕が ピアノの 鍵盤を そっと 叩いて 、 コンサートの 曲を 練習 しようと したとき 。
〜〜〜〜〜 ♪
必死で 、 別の 曲を 遮るかのように 、 あの メロディーが 脳内で 響いた 。
そして 、 脳内に 流れ込む その メロディーを 聞いて 、 気づいた 。
これは 、 どこかで 聞いた 曲じゃない 。
この 箇所は あの子と 話したときの 言葉が そのまま 、 こっちは アイツと 口喧嘩したときの 会話が そのまま 。
不協和音も 和音も 速いメロディーも 遅いメロディーも 全て 混ざり合って 、 記憶に ないものまで 、 流れてくる 。
「 …… 聞いてる ? ねえ 聞いてる ? 」
そう 聞かれることが 増えた 。
聞きたいのに メロディーが 邪魔して 聞けない 。
言葉に 反応して 、 メロディーが 繰り返されてしまう 。
ほら 、 また 曲が 増えた 。
音楽の 先生に 相談すると 、 “ 遺音症 ” と 言われた 。
強く 、 誰かを 想ったとき 、 その感情が “ 音楽 ” として 体内に残留してしまう 病 。
数々の 音楽家が 、 負っては 音楽の 道を 諦めて行ったらしい 。
先生は 、 「 頑張ってね 」 としか 言わなかった 。
大好きだった 音楽と ピアノ を 、 やるんじゃなかったと 思ったのは 、 初めてだった 。