せ い く ら べ
蒼 side
10年前 ___ 。
蒼
「 ねぇ っ 早く ~ っ 」
高校2年生の お兄ちゃん 、 桃くん が バイト代を 貯めて
僕を 遊園地に 連れて行ってくれた 。
僕は まだ 小1 で 、 二人っきりで 一緒に 遊園地に 行く っていうのが 、
特別 扱い みたいに 思えて 、
凄く はしゃいでいた 。
蒼
「 ねぇ 次 ! 次は ジェットコースター 乗ろ っ ! 」
桃
「 はいはい ( 笑 。 お前 、 ジェットコースター 乗れんの ? 」
僕の 指差した “ 絶叫系 アトラクション ” を 見て 苦笑する お兄ちゃん 。
蒼
「 乗れるし っ ! 僕もう 一年生 なんだよ ?! 」
桃
「 “ まだ ” 小学 一年生 だろ 」
蒼
「 う 、 」
まあ 確かに 高2の お兄ちゃんよりも 10歳 年下だけどさ っ 、、 !
桃
「 行くなら 早く 行こうぜ ( 笑 」
蒼
「 行く っ ! 」
お兄ちゃんの 手を 掴んで 、 ぎゅっと 握りしめて ジェットコースターの 方へ 駆け出す 。
桃
「 ビビって 泣くなよ ? ( 笑 」
蒼
「 ねぇ その 脅すの やめて ?! 」
桃
「 わりぃ わりぃ ( 笑 」
そう 言って 、 二人で ジェットコースターの 前に 並ぶ 。
すると 。
店員
「 ごめんね 、 ボク ちょっと いいかな ? 」
店員さんが 申し訳なさそうに 僕らに 話しかけてきた 。
店員
「 ボク 、 身長 何センチ ? 」
蒼
「 …… 何センチだっけ ? 」
ちょっと 不安に 思いながら 、 お兄ちゃんの ほうを 見る 。
桃
「 …… 116センチ 」
店員
「 あ ー 、 。 すみません 、 120 センチ 以上の お客様しか 乗れないんです …… 」
え 、 ?
じゃあ 僕 乗れないの 、 ?
173センチの お兄ちゃんと 顔を 見合わせて 、
桃
「 …… 帰るか ? 」
蒼
「 うぅ 、、 やだ っ 」
せっかく 、、 お兄ちゃんと 初めての ジェットコースターに 乗ろうと 思ったのに 、 。
桃
「 蒼 、 お土産 買お 。 俺が なんか 買ったるから 」
蒼
「 ゃだ 、 」
ワガママ だし 、 駄々を 捏ねてるのは 分かる 。
店員
「 すみません 、 」
桃
「 いえ 、 大丈夫です 、、 蒼 、 メリーゴーランド 乗ろうぜ ? 」
蒼
「 いい ! もう 帰るし ッ 、 ! 」
桃
「 俺は 別に いいけど …… 、、 勿体無いぞ 、 ? 」
蒼
「 いいってば ! 」
泣き喚く 僕を 必死で 宥める お兄ちゃん 。
数分間 泣くと 、 僕は 少し 落ち着いて きた 。
蒼
「 次 、 ! 次 きた時は 絶対 お兄ちゃんと 乗る ッッッ 」
桃
「 俺と ? ( 笑 。 次は 恋人とかと 行けよ ( 笑 」
蒼
「 やーだ ! 絶対 お兄ちゃんと 行くの !!! 」
桃
「 おぉ ( 笑 。 まじ ? 」
蒼
「 まじ ッッッ ( 涙 」
桃
「 じゃあ 、 次は 絶対 一緒に 乗ろうな ? 」
蒼
「 乗る 、 ! ( 涙 」
僕と お兄ちゃんは 、 騒々しい 遊園地の 隅で 、 二人で 約束を 交わした 。
10年後 _____ 。
蒼
「 ただいま ー 」
しんと 静まり返っている 家に 帰る 。
帰ってきてから まず 、 僕には やることがある 。
蒼
「 お兄ちゃん 、 ただいま 」
仏壇の 前に 座り込んで 、 小さく 手を 合わせる 。
蒼
「 ねえ お兄ちゃん 。 今日 、 僕 、 もう 高校二年生に なったよ 、 ? 」
遊園地に 二人で 行った 一週間後 、
お兄ちゃんは 飲酒運転の 車に 轢かれて 、 高2の まま 時間が 止まってしまった 。
仏壇の 置いてある 畳の 部屋の 柱には 、 僕らの 身長が 一年ごとに 印されていた 。
お兄ちゃんが 高2のときの 、 10年前の 日付には 173センチの ところに 印が してある 。
その 柱に もたれて みて 、 気づく 。
蒼
「 お兄ちゃん 、 僕 もう お兄ちゃんの 身長に 追いついたよ 、 ? 」
もう 、 返ってくる 返事は なかった 。
あれから 、 僕は まだ 一度も 遊園地に 行っていない 。
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