閲覧前に必ずご確認ください
目次は見ないとこの物語のネタバレになるかもです!
グロ表現は抑えますが注意です!
少し埃で息苦しい空間。[漢字]試合[/漢字][ふりがな]ゲーム[/ふりがな]が始まるまで待機するためのロングテーブルと椅子が複数。
そこに[大文字]「囚人」[/大文字]はいた。彼は本日の試合の参加者の1人らしい。
そして、もう1人。追求者が廊下の端からひょこりと顔を出していた。
「…あ、ルカさん、でしたよね」
「嗚呼」
会話はそこで途切れた。話す話題も無いだろうし、彼らはそれで良いらしい。
ルカはぼんやりと横目で追求者を見ると、少し息を呑んだ。
人前でいつもひけらかしている朗らかで優しそうな笑みは消え失せていた。
彼の本質はきっとこちら側なのだろう。こちらの目線に気づいたのか、電球に灯を灯したように薄っぺらい笑みをまた貼り付けた。
「まだ、試合まで時間がかかりそうですね、!少しお話ししませんか?」
「…分かった」
時計を見てみると、試合まで30分ほど時間がある。
「ルカさんはどうしてこの荘園に?」
「私は、とある発明をしている。その、研究資金にあてるためだ」
「やっぱり皆さんってお金が欲しいんですかね?」
「否、案外そうでもない者も多い」
へえ、と追求者は関心深そうに相槌を打った。
「追求者は、なぜここに?」
「…追求者ってなんだか堅苦しいですし、名前教えますからそう呼んでください」
話を逸らすようにはにかんだ。
「僕は、『[漢字]田城 葵[/漢字][ふりがな]アオイ・タシロ[/ふりがな]』といいます」
「…東洋の出身なのか?」
「はい!そうなんですよ。でも、案外僕の出身の周りの国の人も結構いるので驚きました」
「…。それで、田城くんはなぜここに?」
「嗚呼、ごめんなさい。わざと話題をそらしたわけではないです。ええと、僕、妹を探しているんです」
「妹?」
「はい。双子の妹なんです。幼い頃にある事件に巻き込まれちゃって…それっきり」
「そういうのは警察に頼むものじゃないのか」
「頼みましたよ、流石にそこまで頭が回らないわけじゃないですから。頼んでもまともに取り合ってくれないんです先生も親族も警察もみんなみんな僕のお話し聞いてくれないんです朱音はどこにもいないっていうんです」
「…そうか」
「だから、もっと探せる場所を増やすために、賞金目的でここに来たんです。まぁ、様々な出身地の方がいるのでそこで何かしら情報でも掴めないかな、と」
「…見つかるといいな」
「はい。ありがとうございます」
「感謝されるようなことはしていない」
「いえ、お話を聞いてくれるだけでも嬉しいです。ちゃんとお話を聞いてくれる人がなかなかいなくって」
「そうか」
「そうだ、ルカさんは発明のためって言ってましたけれど、なんの発明をしているんですか?」
「…永久機関」
ぼそっと呟くように言った。だが、葵は立ち上がり、表情を明らかに大きく変化させていた。
「!!素敵、素敵ですね!僕、そういう発明とっても応援したいです!」
ルカが激しい返答に物理的に少し引くと、葵は我に返ったのか、席におずおずと座り直した。
「すみません…少し取り乱しました…」
「永久機関に興味があるのか」
「ええ、はい!僕、不確定要素が嫌いなんです」
「不確て…?」
「だから!永久機関って、不変の確定要素じゃないですか!うん…例えば、人間は多くの不意確定要素の塊です。愛なんて概念を妄想し、すぐに裏切る」
ルカの顔が曇る。
「本当に最低じゃないですか。自分含めて人間は嫌いです。まあ…ここの試合の性質上荘園内では我慢するしかないのですけれど…大丈夫ですか?お顔が優れない様ですけれど…」
「…嗚呼、問題な、い」
言葉を紡ぐ最中に他のサバイバーたちがどやどやと待機部屋に集まってきた。今日はハンター2人、サバイバー8人と人数の多い試合だということを今になって思い出す。
見知った顔も、見慣れない顔も、複数。交流の幅が狭過ぎるだけか、と心中でルカはつぶやいた。
人の闇を覗くのは少々気疲れがする。多少、彼とは似た様な部分があるのだろうが…同類という括りだけで別に人と仲良くする気はさらさら無い。
葵は他のサバイバーたちと雑談を交わしている。心の底では軽蔑しているのだろうが。
「こんな荘園では今更…か」
そう、ぼやいて試合開始の合図を静かに待った。
そこに[大文字]「囚人」[/大文字]はいた。彼は本日の試合の参加者の1人らしい。
そして、もう1人。追求者が廊下の端からひょこりと顔を出していた。
「…あ、ルカさん、でしたよね」
「嗚呼」
会話はそこで途切れた。話す話題も無いだろうし、彼らはそれで良いらしい。
ルカはぼんやりと横目で追求者を見ると、少し息を呑んだ。
人前でいつもひけらかしている朗らかで優しそうな笑みは消え失せていた。
彼の本質はきっとこちら側なのだろう。こちらの目線に気づいたのか、電球に灯を灯したように薄っぺらい笑みをまた貼り付けた。
「まだ、試合まで時間がかかりそうですね、!少しお話ししませんか?」
「…分かった」
時計を見てみると、試合まで30分ほど時間がある。
「ルカさんはどうしてこの荘園に?」
「私は、とある発明をしている。その、研究資金にあてるためだ」
「やっぱり皆さんってお金が欲しいんですかね?」
「否、案外そうでもない者も多い」
へえ、と追求者は関心深そうに相槌を打った。
「追求者は、なぜここに?」
「…追求者ってなんだか堅苦しいですし、名前教えますからそう呼んでください」
話を逸らすようにはにかんだ。
「僕は、『[漢字]田城 葵[/漢字][ふりがな]アオイ・タシロ[/ふりがな]』といいます」
「…東洋の出身なのか?」
「はい!そうなんですよ。でも、案外僕の出身の周りの国の人も結構いるので驚きました」
「…。それで、田城くんはなぜここに?」
「嗚呼、ごめんなさい。わざと話題をそらしたわけではないです。ええと、僕、妹を探しているんです」
「妹?」
「はい。双子の妹なんです。幼い頃にある事件に巻き込まれちゃって…それっきり」
「そういうのは警察に頼むものじゃないのか」
「頼みましたよ、流石にそこまで頭が回らないわけじゃないですから。頼んでもまともに取り合ってくれないんです先生も親族も警察もみんなみんな僕のお話し聞いてくれないんです朱音はどこにもいないっていうんです」
「…そうか」
「だから、もっと探せる場所を増やすために、賞金目的でここに来たんです。まぁ、様々な出身地の方がいるのでそこで何かしら情報でも掴めないかな、と」
「…見つかるといいな」
「はい。ありがとうございます」
「感謝されるようなことはしていない」
「いえ、お話を聞いてくれるだけでも嬉しいです。ちゃんとお話を聞いてくれる人がなかなかいなくって」
「そうか」
「そうだ、ルカさんは発明のためって言ってましたけれど、なんの発明をしているんですか?」
「…永久機関」
ぼそっと呟くように言った。だが、葵は立ち上がり、表情を明らかに大きく変化させていた。
「!!素敵、素敵ですね!僕、そういう発明とっても応援したいです!」
ルカが激しい返答に物理的に少し引くと、葵は我に返ったのか、席におずおずと座り直した。
「すみません…少し取り乱しました…」
「永久機関に興味があるのか」
「ええ、はい!僕、不確定要素が嫌いなんです」
「不確て…?」
「だから!永久機関って、不変の確定要素じゃないですか!うん…例えば、人間は多くの不意確定要素の塊です。愛なんて概念を妄想し、すぐに裏切る」
ルカの顔が曇る。
「本当に最低じゃないですか。自分含めて人間は嫌いです。まあ…ここの試合の性質上荘園内では我慢するしかないのですけれど…大丈夫ですか?お顔が優れない様ですけれど…」
「…嗚呼、問題な、い」
言葉を紡ぐ最中に他のサバイバーたちがどやどやと待機部屋に集まってきた。今日はハンター2人、サバイバー8人と人数の多い試合だということを今になって思い出す。
見知った顔も、見慣れない顔も、複数。交流の幅が狭過ぎるだけか、と心中でルカはつぶやいた。
人の闇を覗くのは少々気疲れがする。多少、彼とは似た様な部分があるのだろうが…同類という括りだけで別に人と仲良くする気はさらさら無い。
葵は他のサバイバーたちと雑談を交わしている。心の底では軽蔑しているのだろうが。
「こんな荘園では今更…か」
そう、ぼやいて試合開始の合図を静かに待った。