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時々笑える感動系(?)ファンタジー! 花鳥風月魔法物語!

#3

千年少女とこころに咲いた花

―数年前―
もう冬か。
一月、夏休み明けからずっと不登校になっている。ふと、鏡を見ると14歳とは思えないほどやつれた顔が見える。
〝こんなのになりたくないな〟とか思ってももう遅い。
これは僕なのだから。
なぜ僕が引きこもっているのか?理由は簡単だ。
あの夏、思い出したくもないような事が起こった。
道路を渡る自分と妹。向こうからくるトラック。
まるで、スローモーションになったかのような光景だった。人は死ぬとき走馬灯を見るとか聞いたことがあってどんなのみるのかな?とか思ってたけど、そんなこと思っているどころじゃなかった。
トラックがスピードを上げてこっちに来るところしか見れなかった。
気がつくと病院にいた。近くにいた親は、泣いていた。
妹は―〝いって〟しまった。
それから妹がおばあちゃんからもらったピアノしか触らなくなった。ピアノは弾けない。だから、鍵盤をなぞる程度だ。
そんな僕の家の裏には梅林がある。そこにいつもいる7歳ぐらいの女の子は妹に似ている。
今日もいるのかな?と思って外を見た。やはりいた。
その時、彼女と目があった。
『おいで』というようにこちらに手をふる。
ふらりと僕の足が動いた。
外に出ようとしている。
何ヶ月ぶりだろう。

梅林に行くとその少女がいた。白い髪、紅色のビー玉のような目、赤いシンプルな浴衣。あったことのないはずなのに感じる懐かしさ。
少女が自分に気づいたのかこちらを見る。
少女の口が動いた。
「あなたはまだ冬ね」
言っていることの意味はわからなかった。でも、分かるような気がした。

彼女は毎日現れた。いつも木の枝に座って自分に話しかけてくる。
わかったことは彼女の名前は「梅 谷梅」。自分に話しかけてくれる。

二月になってもう冬も開けるかな?というぐらいのある日ふと思った。
「なんで君はいっつも僕の前に現れるの?」
彼女は笑顔になって答えた
「あなたの心に冬があるの。でも、その下にはね、ちゃんと春の種が眠ってるの」
その後しばらくしてわかったことだが、彼女は千年を生きる魔女だった。人の心に春を咲かせるためだけに命を削り、人に春が訪れると命が育む。
「わたしね、もうすぐおしまい。だから、最後の春を、あなたにあげたいの」
澄は叫ぶ。
「そんなのいらない!僕はもう……春なんかいらない!」
でも、心の底では、ずっと春を待っていた。

「もし願いが叶うなら―」
二月十何日か彼女は急に質問をしてきた。
「あなたは何を望む?」
のぞみ?そんなの決まっている。
〝妹に合わせてほしい〟
それ以外に何を望む?
「きっと近いうちに私は消える。だから、誰かに春を訪れさせて消えたい。それが私の望みだ。望みをいえ」
なんだかいつもよりも古風な雰囲気だ。
そんなことよりも、『消えてしまう』という言葉か引っかかる。
「消えてしまうって…なぜ?」
「言ったでしょう。誰かに春を訪れさせて消えるだけだから。」
彼女の声はいつになく冷たった。
「私が大きな春がつれてきたら私の寿命もたくさん伸びる。しかし、大きな春がなかなかやって来なかったら…」
「寿命も少ししか伸びない」
わかってしまった。
「あと何日かしかできないんです。だから、おねがい!魔力を使わせて!」
言われたらやっぱりなんて言ったらいいのかわからない。だから…
「自分―遊咲 澄は―」

夜になった。
「おやすみ。」
誰かに挨拶をして寝る。敷布団だから座らないといけない。それがめんどくさかった。
しかし、それよりも頭にあったのは昼間彼女に言われたことのみだった。
『寝るときに〝おやすみ〟といったら昼間用意しておいたペットボトルの水を枕に少し垂らして、濡れた方を下にして寝る。』
ペットボトルを取り出して水を枕に垂らす。水はミネラルウォーター。少し高かったけど、気にせず続けよう。月あたりに照らされた枕の色が白からグレーっぽい色に替わっていく。
『枕を裏返すとき、慎重にね。』
こんな細かいことまで覚えているなんて思いもしなかった。〝記憶力あんまよくないね、お兄ちゃん〟と妹によく言われたっけ?
いよいよ布団を被り、目を閉じる。梅―彼女に言われた最後にやることは確か―
『目を閉じたら呪文を唱えて。こうよ。〝$&ak#0!〟』
「$&ak#0!」
自分でも何言っているのかわからなかった。でも、これでいいのだろう。
今度こそ寝る。
星が輝いて見えたそんな気がした。


ここは梅が作る夢の中―幻想的で、現実的。対象的な言葉だけどそんな言葉がぴったりだ。
なぜって、梅が咲いているその奥で、日本風の大きな城―小さい頃見た姫路城と同じような形をしている、赤をベースにした少し派手なお城。
〝本当に叶えてくれるのか?〟
それが本心だった。
でも、彼女を信じてみよう。そう思った次の瞬間、自分は息を呑んだ。
グランドピアノが自分の後ろにあった。そこから懐かしいような曲―エリーゼのためにが聞こえてきた。
妹の好きな曲。
さらに、演奏者を見たら、もっと驚いた。
「自分?」
そう。自分が演奏者だ。
呆然としてみていたら、女の子がやってきた。
梅に似ているけど、梅ではない。
「由香っ!」
なくなったはずの由香がいた。
しかし、自分の方には来ないで、もう一人の自分の方に来た。
「お兄ちゃん、今度の曲も聞かせてね」
全然聞いていなかった、鈴の音のような声。声をかけたいと思ってそこに近寄ろうとしたら―
この〝世界〟が白く輝いた。
そこで時が止まっていたのだ。

きりのいいとこで夢から目が覚めるってアニメとかだけの話だと思ってたけど、そうでもなかったっぽい。
頭の上に梅がいた。
「ごめんって言わなくていいよ。ただ、あなたがまた音を出せるようになったら……その子も、笑うと思う」
そういう梅の姿はキラキラと輝いていた。
「あなたの心に春が訪れた。その春は大きかった。そのおかげで私はまた何千年も生きられる。ありがとう。」
「どこかにいくの?」
「うん。リリアン―友だちと会う予定もあるからね。」
「そっか。」
自分は少し悲しそうに頷いた。梅がガラッと開けていなかった窓を開ける。
「あなたの春、綺麗だった。」
そう言うと彼女は窓から飛び降りた。
慌ててを都を見たときは何もなかった。
外の梅林は梅が満開だった。

―数年後―
自分は音楽教師となり、卒業演奏会でオリジナル曲を披露する。
タイトルは「君がくれた春」。
音が流れる。
ピアノの横には、小さな梅の花の髪飾りが置かれている。
演奏が終わったあと、教え子が彼に尋ねる。
「先生、その髪飾り、誰のですか?」
澄は一言、静かに微笑んで言う。
「……春の魔法をくれた、友達のだよ」
風が吹く。
窓の外で、一輪の梅がそっと揺れていた。

「梅ちゃん、そんな事があったんだ。」
「うん。でも、あの、男の子には助かったよ」
「そっかぁ。」
二人は梅林を通る。梅の花は満開できれいだ。
ふと、梅が話す。
「実はね、助かったのは、あの男の子のおかげだけじゃなくって、誰か私の知り合い?の心に春がやってきたかららしい。それのおかげでもあるんだって。」
「偶然かぁ。よかったね。」
「一個不思議なことがあるんだ。」
「何?」
「実は、恋に落ちたことで心に春がやってきたらしい。で、不思議なのはね、恋に落ちたとこって、時忘れの塔らしい。もしかして、リリアン…」
「わ、私なわけないっ!」
ブンブンとふる顔が赤いリリアンブランシュ。まるで、白いゆりが赤い百合に替わったようだ。
二人が立ち止まった―次の瞬間、急に回りの風景が替わった。
「これは…胡蝶蘭?」
ふんわりとした朝のようなイメージをさせられる胡蝶蘭。そんな胡蝶卵が沢山ある花畑の中に移動していた。
『胡蝶蘭といったらあの子しかいない』―と二人の魔女が考えた。
〝胡蝶の舞〟の異名を持つ一人の魔女。
「おーい!ふたりとも!ひさしぶり!」
そう。
「世間話?よかったら入れてよ!」
こうしてまた、女の子たちの楽しいおしゃべり会が始まったのであった。
あの女の子のお話は次回で。

作者メッセージ

そろそろ黒歴史を抜けます。。。

文章力が低い頃に書いたお話になりますので、
下手なのはマジで許してください。

その代わりに、
もっと先にもっといいのが待っています。

2026/01/25 18:31

KanonLOVE
ID:≫ n00YEDEqgv6kY
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