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時々笑える感動系(?)ファンタジー! 花鳥風月魔法物語!

#2

時と戦争

「時間が止まったぞ!」
もうこの声にも聞き飽きた。
ここは時間が止まる街だった。
「時空に飲み込まれないように避難しろっ」
そんな声が聞こえる。時間が止まると時空の歪みができる。
そこに飲み込まれると、死んでしまうだの、異世界に行くだのいろんな噂がある。しかし、誰も帰ってこないのでわからない。
「何やってるの、翼!逃げなさい!」
そんな母さんの声に弾き飛ばされるように走る。
大変だ。眼の前に時空の歪みができている。
「ウワァ」
体が空中に浮き始めた。
歪みに―入る

痛っ!頭打ったぁ。
母さんはどこだろう。あれ?それ、誰だ?
それよりここはどんなところなのかを調べないと。
コツコツコツコツ。足音?
ぎゃあああ!
「高城翼さんですか?」
「そ、そうだけど。」
びっくりした。眼の前には日焼けを知らなそうな白い肌、黄色いワンピースを着た人がいたからだ。
「あ、自己紹介が遅れました。自分はLiliane Blancheです。えっと…リリアンブランシュじゃなくて、うーん。リリアンって呼んでください。」
リリアン?外国人か?
「えっと、ここがどこか分かる?」
「ああ。ここは、時忘れの塔ですよ。」
「ときわすれ?」
「はい。〝時空の歪み〟というものを御存知ですか?」
ゴクリとつばを飲み込む。
「時空を超えて異空間に来てしまうことです。異空間に来ると誰かのことを忘れてしまうらしいんですけど…。心当たりはありますか?」
さっき呟いた『母さん』。きっとそれなのだろう。
「母親のことを思い出せません」
「やはりそうですか。」
うーんトリリアンは悩み始めた。
なんだか理由のわからないまま一日が始まった。

「歪みのある街にいる、母さんとか兄貴とか、友達とかはどうなるの?」
「あなたがいなくたって混乱しているでしょう」
そうなんだ。
「その街に一度戻ることはできないのか?」
「あなたはまだ魔力がないので無理でしょう」
そういうのは少しためらってから言うのが礼儀だろう。
「あなたはってことは、別の人なら行けるのか?」
「はい。」
いいなぁ。
「梅ちゃんに頼めば早いだろうけど、うーん」
「どうした?」
「独り言です!!」
そういうとリリアンは考え始めた。
「自分が入るのはどうでしょうか?」
「入れるの?」
「まあ。基礎魔法でそのぐらいはやりますからね。」
そうなんだ。

―一時間後―
「あの、翼さん。あなたはこれがこれをこうしておけばよかったと思うと、その日一日をやり直せ他経験は、ありますか?」
帰ってきたリリアンに言われてドキッとした。
実は俺はずっとその力を使ってきた。初めて使ったのは三歳の誕生日。もらった三輪車から落ちて、兄貴にバカにされて、悔し経っていたら、その日に戻った。能力を使った。それから八年その魔法を都合よく使ってきた。
「その能力を使いすぎて、時空に歪みができてしまったんです。」
自分のせい?
「その力をコントロールすることになりました。改めてお願いします。」
「一緒にいたら、母さんのことも思い出せるの?」
コクっと頷くリリアン。
「悲しいことを言うかもしれないんですが、もう一つ。」
悲しい―こと?
「あなたは〝戦争〟をなくしたことがありますよね」
せんそう?
「覚えていないかもしれません。あなたが五歳のときにあなたのお母さんが戦争に呼ばれ、戦死。その事実を知ったあなたは、戦争を―消した。」
消した?けした?戦争を消した?せんそうをけした?
「その証拠に時を操った記録を記している〝時の書〟にあなたの名前が書いてありました。」
「そんな、少しのことだろっ??」
「いいえ。そのせいであなたのお母さんはあなたの近くにいますが、世界の時空は大きく変わり、生まれてくるはずだった小さな少年少女たちの命もなくなりました。」
命をも消していたのか?俺は?
「今ならまだ間に合います。世界を変える勇気はあなたにありますか?」
大きな分かれ道だった。母さんがいなくなるのか、沢山の命を使うのか。
「まって。もし、戦争を消さなかったら、今ここにいる俺はどうなるんだ?」
リリアンは黙って答えない。
俯いたまま答えてくれた。
「そうか…。」
大きな事を進めるには犠牲が必要。小さい頃呼んだ絵本にも勇者がみんなを救うために消えた―そんなお話をいないはずの母さんに読んでもらったっけ。
「あなたはどうしたいですか?」
「俺は―」

「巻き戻しました。きっと、もうすぐお母さんの戦死の告知が来る頃でしょう。」
…。
ここは8歳の俺がいるころの時空の街。
「あの、電報です!」
なんか郵便配達員みたいな人が来たな。
「はい!もらいます!」
あっ。小さい頃の俺だ。今とは違って闇のない目。誠実そう。
「母さんかな?」
うきうきしていた。きっと、もうすぐ帰るという知らせが来るのだろうと思っているのかな?
「…リリアン。手紙を奪ったほうがいいのかな?」
「いいえ。少し待ちましょう。かえって危険です。」
リリアンの判断で止められた。
次の瞬間だった。
「そんなっ…。母さん…。母さん…。」
きっと亡くなってしまったという知らせを読んだのだろう。何よりも悲しい顔をしていた。
「戦争さえなければ、母さんは…。母さんは!」
まずい。過去の俺の背中で黒い渦のような物が出てきている。黒く、何もかも吸い込んでしまいそうだ。よく見ると時計のような模様がある。
「まずいです。このままだと、時が戻って意味がなくなってし―」
リリアンの声も聞けなかった。俺は走り出した。そして
「ごめんな。つらかったよな。苦しいよな。」
ちいさな〝俺〟を抱きしめた。
その途端、黒い渦は消えた。
「翼さん!すごいですね!全て消えました!」
リリアンが興奮したように言う。
「お兄ちゃん、だれ?」
くりくりした目でこちらを見るちいさな〝俺〟。

母さんが死んで葬式とか色々あるだろう。今の俺はきっといなくなる。
でもいいんだ。未来があるから―
そう思った次の瞬間、俺とリリアンは白い光に包まれた。光の中は暖かく、どんな寂しさでも飲み込んでくれそうだ。

「俺も、もう消えてしまうのか。」
なんか、時忘れの塔に戻ってきたのか。ここに来て、もう一ヶ月間リリアンにいろんなこと教えてもらったり、動物と仲良くしたり、いろんなことがあったなぁ。
「翼さん!起きてください!」
うるさいなぁ。俺はもう消えてしまうんだから、少しは静かにしてよ。
「ほら!」
リリアンが手を引っ張った。え?引っ張ったぁ?
「翼さん!良かったですね!」
「え?qieljfdsakf;jwe;:pqwiredahsf?」
「何ごちゃごちゃ言ってるんですか?早く!」
「俺、母さんがいなくなったか存在がなくなって死んじゃうんじゃ…」
「お母さん、死んでいなかったそうですよ!」
「えっ?そうなの?」
「はい!あれは間違えた手紙だったそうです。」
…。
「じゃあ、俺はもとの街に…」
「ああ。それなんですけど…。」
リリアンは迷ったように手と口をモゴモゴさせる。
「私と一緒に来ませんか?」
「リリアンと?」
コクっと頷くリリアン。
「あなたはもう魔力を持っています。その証拠に時を操れます。お母さんのところに戻れなくなってしまうかもしれません。それでもいいなら、一緒に来てくれませんか?」
リリアンはタコみたいに赤くなっている。
リリアンと一緒に行く。母さんには会えない。
「俺は―」

「へぇ。そんな事があったんだ。リリアン。」
今、一六歳ほどの見た目の赤い髪、黄色の服を着た女性と赤い髪、茶色い服の七歳ほどの女の子たちがおしゃべりをしている。
「うん。結局翼は 高城 澪多として一緒に行くことになったの。」
「みおた…。水仙の魔法使い?」
「なんでわかったのっ!?」
「へへへ!まあね。」
聖百合の乙女の異名を持つLiliane Blancheは氷華の長老の異名を持つ梅谷梅と歩く。
「え?で、その水仙の魔法使いは?」
「お留守番。」
「へぇ。」
なんだかウキウキしている顔のリリアン。
「そういえば、梅ちゃんは何歳になったの?」
「それなんだけど、多分、千三百四十二歳ぐらいかな?」
見た目とは違って結構ベテラン魔術師の梅谷梅。
今度はそんな女の子―いえ、ベテラン魔術師のお話を語りましょうか?

作者メッセージ

あゝ黒歴史。

いいたことは以上です
では!(闘争)

2026/01/25 00:00

KanonLOVE
ID:≫ n00YEDEqgv6kY
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