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350閲覧ありがとう! 参加〆切【大型(?)参加型】 学園内何でも屋〜悪魔ハ何者ナノカ、理由ハ魔導書二アル。〜

#18

先生ハ、気ヅカセナイ―

翌週。

学園は、
驚くほど平穏だった。

迷子は出ない。
廊下はまっすぐ。
夜になっても、
校舎は眠ったまま。

まるで、
あの夜が嘘だったみたいに。



「ねえ、ゆめ」

昼休み。
雷が机に寝転びながら言う。

「先生さ、
何も言わないよね」

「…うん」

学園祭の夜のこと。
迷路のこと。
夜食を作らなかった判断のこと。

一切、
話題にしない。

「普通ならさ」

雷は、
天井を見ながら続ける。

「『危険だからやめなさい』とか。
『理由を説明しなさい』とか。
言うじゃん」

「…うん」

でも、
風白先生は言わない。



数学の授業。

黒板に、
丁寧な字で数式を書く背中。

「この問題は、
途中まで合っています」

「大事なのは、
考え方です」

いつも通り。

でも。

―見ている。

雷は、
そう言った。



授業中。

labyrinthとglitchは、
天井近くで小さく漂っている。

人間には、
見えない。

でも、
確実にそこにいる。

glitchが、
小声で言う。

「なあ、
この人間さ、
視線、
合ってない?」

labyrinthは、
びくっとした。

「え…?」

黒板に向いているはずの
風白先生の“意識”が、
確かにこちらを掠めた。

見ていない。

でも、
“位置”を把握している。



放課後。

何でも屋の部屋―
図書室奥。

オゾンさんが、
楽しそうにノートを広げている。

「ねえねえ、
この学校、
夜の構造変化、
完全に制御されてるよ!

普通、
こうはならない」

「…先生のせい?」

私が聞くと、
オゾンさんは笑った。

「さあ?

でもさ、

“見えてる人”って、
大抵、
触りたがるんだよ」

「壊したり」
「調べたり」

「でも―」

そこで、
言葉を切った。

「風白先生は、
 触らない」



その日の夕方。

職員室。

風白先生は、
一人残っていた。

「…今日も、
 異常なし」

小さく、
そう呟く。

誰に聞かせるでもなく。

その背後。

半透明の影が、
一瞬だけ揺れた。

glitchだ。

「…なあ」

小さな声。

「人間」

風白先生は、
振り向かない。

「話しかけていませんよ」

ぴたり。

glitchは、
固まった。

「…聞こえてる?」

「いいえ」

即答。

「私は、
独り言が多いだけです」

完璧な、
距離。



glitchが、
labyrinthのもとに戻る。

「…やばい」

「この人」

labyrinthは、
小さく震えた。

「怒ってる…?」

「違う」

glitchは、
珍しく真顔だった。

「怒ってない」

「“管理してる”」



その夜。

校舎は、
静かだった。

迷宮は、
起動しない。

labyrinthは、
能力を抑えていた。

理由は、
誰にも言わない。

ただ、
分かってしまったから。

この学校には―

“見ないことで、
守る存在”がいる。



翌朝。

私は、
風白先生に呼び止められた。

「神谷さん―

最近、
少し疲れていませんか」

心臓が跳ねる。

「い、いえ…」

「そうですか」

深追いしない。

でも、
一言だけ付け加える。

「無理は、
しないでください」

それだけ。



雷が、
後ろで呟いた。

「ね。

先生さ、
悪魔より、

よっぽど厄介」

私は、
小さく笑った。

たぶん。

この学校は、
これからも―

大きな事件は起きない。

でも。

起きないようにしている人が、
確実にいる。

それが、
風白先生。

誰にも気づかれないまま。

作者メッセージ

ストックが…残り一話…!

よし、頑張って考えよう。

と、作者コメ書きながら思っていていたKanonLOVEです。


うーん、続きどうしよう…。

なんかリクエストあったらコメント書いてください!

2026/01/31 00:00

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悪魔学園一部爆笑系

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