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350閲覧ありがとう! 参加〆切【大型(?)参加型】 学園内何でも屋〜悪魔ハ何者ナノカ、理由ハ魔導書二アル。〜

#17

夜ハ、静カニ壊レル

夕方。

校内放送が、
学園祭一日目の終了を告げた。

拍手。
歓声。
片づけを始める音。

「お疲れさまでしたー!」

その声が、
やけに遠く聞こえた。



「神谷さん」

風白先生が、
いつもより少し低い声で言った。

「今日は、
何でも屋は早めに切り上げましょう」

「…はい」

理由は、
聞かなかった。

聞かなくても、
分かる。



日が沈むと、
学校は急に広くなる。

人が減るからじゃない。

“距離”が、
変わるからだ。

廊下が、
妙に長い。

階段が、
一段多い。

同じ教室に、
二度入った気がする。

雷が、
肩の上で小さく言う。

「来たね」



「…あれ?」

片づけをしていた生徒が、
困惑した声を上げた。

「出口、
どこだっけ…」

一人。
また一人。

大騒ぎにはならない。

でも、
確実に増えていく。



風白先生は、
一切慌てなかった。

「こちらです」

「そのまま直進してください」

「階段は、
右手側です」

淡々と。
正確に。

まるで、
地図を頭の中で更新しているみたいに。

雷が、
ぼそっと言う。

「もう、
夜の構造把握してる」



その頃。

夜の校舎の奥で。

「…あれ?」

labyrinthが、
首を傾げた。

「…ちょっと、
変えすぎた…?」

「今さら?」

glitchが、
楽しそうに笑う。

「でもさ―

人間、
まだ気づいてねぇ」

labyrinthは、
不安そうに床を見る。

「…困らせるつもり、
なかったんだけど…」



何でも屋の面々は、
図書室に集まっていた。

オゾンさんは、
目を輝かせている。

「すごいね。

建物全体が、
半自動迷路。

設計者、
天才だよ」

雷が、
即座にツッコむ。

「褒めるな」



そのとき。

「…先生」

私は、
小さく声を出した。

風白先生が、
振り向く。

「夜食、
出せませんよね」

一瞬。

先生は、
ほんの一瞬だけ、
考えた。

「…ええ」

静かな断言。

「今日は、
何も作りません」

雷が、
心底ほっとした顔をする。

「英断」



校舎内。

迷っていた生徒たちは、
なぜか―

全員、
自然に出口に集まっていった。

誰かに誘導されたわけでもない。

でも。

「気づいたら、
ここにいた」

その証言が、
一致する。

風白先生は、
最後に鍵を閉めながら言った。

「…よし」

それだけ。



翌日。

学園内で、
奇妙な“了解”が生まれていた。

・風白先生は、
 料理をしない
・夜食は、
 絶対に出さない
・学園祭の夜は、
 寄り道しない

誰が決めたわけでもない。

でも、
全員が従っている。

「なんか…そうした方がいい気がする」

その一言で、
すべてが通じた。



風白先生は、
職員室でお茶を飲んでいた。

いつも通り。

「学園祭、
無事終わりましたね」

誰かが言う。

「ええ」

穏やかな笑顔。

―何も、
起きていない。

その顔だった。

雷が、
私の耳元で囁く。

「ね。

この学校さ

一番怖いの、
 先生だよ」

私は、
否定できなかった。

学園祭は終わった。

迷宮も、
一旦、
眠った。

でも―

この学校は、
もう普通じゃない。

それを、
誰も口にしないだけで。

作者メッセージ

この物語、人外が多いですね…。

まあいっか。

色々伏線(!?)っぽいのもはっているので、
探してみてね☆

誰々さんの正体―とかね。

じゃーね!

2026/01/30 00:00

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悪魔学園一部爆笑系

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