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350閲覧!?第二期始動! 募集内容は星の人にお店のメニュー!? 残り2人と4メニュー募集中!【参加型】星を紡ぐティータイム

#12

魚座 仮の笑顔と振り返ってしまったこと

夜の街は、
深く静まり返っていた。

歩道に落ちる街灯の光が、
まるで星の粒のように路面を照らす。
人通りは少なく、
耳に届くのは遠くの信号の音だけ。

凛世は、
手首の銀の腕時計に触れた。

所々に錆びた跡がある金属の感触は、
心を少し落ち着かせる。

高校から付き合っていた彼が、
去年、
病で亡くなった。

覚悟はしていた―

―でも、日常の中でふと襲ってくる喪失感は、簡単に消えない。

「…どうすればいいか、わからないの」

凛世は小さく呟き、
足を進める。

一本裏道に入ると、
夜の静寂の中で、
ぽつりと揺れる光が目に入った。

小さな喫茶店―
―看板もなく、
星の欠片のようなランプだけが、
淡く瞬いている。

―こんな場所、今まで気づかなかった。

カラン。

扉の鈴が鳴る。

店内に入ると、
外の冷たい空気とは違う、
柔らかい温かさに包まれる。

壁には星図が描かれ、
時計の針はゆっくりとしか動いていないようだった。

現実と夢の境目のような、
静かで不思議な空間。

カウンターの向こうに立つマスターは、
年齢も性別も読み取れない。

しかしその瞳には、
どこか深く温かな光が宿っている。

「こんにちは、私は魚留凛世です。よろしくね」

マスターは小さく頷き、
無言で紅茶の用意を始める。

差し出されたのは、
ほのかに渋みを含む色の紅茶。

香りは控えめで、
でもどこか心の奥に届く甘さがある。

凛世は一口含む。
熱さが体を通り抜け、
胸に引っかかっていた痛みを少しだけ解きほぐす。

「…私は紅茶もコーヒーも好きよ」
そう言いながら、
凛世はかすかに笑った。
その笑顔の奥には、
手首の腕時計を撫でる指先の震えが隠れている。

マスターは何も言わず、
ただカップを温め直す。
その沈黙が、
言葉よりも慰めになる。

凛世の視線は自然と、
窓の外の夜空へと向かう。
思い出が、
次々と胸に浮かぶ。

高校の教室、
彼と肩を並べて笑った日々。

文化祭の帰り道、
寒い夜に手をつないだこと。
誕生日にプレゼントしてくれたこの銀の腕時計―
―錆びた小さな傷も、全て覚えている。

「…高校からずっと一緒だったのに…」
声が途切れる。
「去年、彼が…亡くなったの」
涙はまだ出ない。
ただ、
喉の奥に重さが残る。

マスターは静かに見つめ、
何も言わない。

ただ、
紅茶の湯気をゆっくりと立ち上らせ、
カップを温め直すだけ。
その行為に、
凛世の胸は少しだけ楽になる。

「…あー、彼氏ほしいわー…なんちゃって」
冗談めかして口に出す。
少しだけ笑ったけれど、
目は伏せたままだ。

マスターは微かに頷き、
口を開く。
[大文字][太字][斜体][明朝体]「魚座は、愛したものを大切に抱え続ける星です」
[/明朝体][/斜体][/太字][/大文字]
凛世は息をつく。
「…そうね。手放せない」

しばらくの間、
二人は沈黙のまま紅茶を味わう。

時間の針はゆっくり動き、
星図の壁の星たちは、
まだ線を結んでいない。
でも、
それが凛世には心地よい。

線で結ばれてしまう前の、
柔らかくて自由な瞬間―
―まるで自分の心も、
少しだけ自由になれた気がした。

「…どうすればいいんだろう」
凛世は小さくつぶやく。
「前に進むには、
忘れなきゃいけないのかな…?」

マスターは答えない。
ただ、
彼女の紅茶の温度を確かめるように、
そっとカップを持ち上げる。

「忘れることだけが、前に進む手段ではありません」
静かに言葉を紡ぐ。
「思い出を抱えたまま、少しずつ歩いていけます」

凛世は目を閉じ、
湯気の香りを吸い込む。

彼と過ごした日々、
笑ったこと、泣いたこと、
手をつないだ感覚。
全てを、今ここで味わうことができる―

―そんな気がした。

時間がゆっくり過ぎる中、

カラン。
扉の鈴が鳴る。

凛世は立ち上がる。
外の冷たい空気は相変わらずだが、

胸の奥にはほんのわずかに温かさが残っている。

「…また、来てもいい?」
小さな声で尋ねる。

「ええ」
マスターは微笑むように頷く。
「扉は、あなたを覚えています」

夜の街に溶けるように、
凛世は歩き出す。

腕時計は手首で静かに光り、
過去も痛みも、
少しずつ夜の星に溶けていく。

そして、
星図の壁では、
魚座の点がゆっくりと線に繋がっていく―

―凛世が抱えた心の痕跡のように。
夜はまだ深く、
次の星もまた、
静かに息を整えているところだった。

作者メッセージ

すみません、本日マジでねむいので
活動報告はなしで…

では…

Have a nice dream…(zzz😴)

2026/01/14 00:00

KanonLOVE
ID:≫ n00YEDEqgv6kY
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