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#145

詩 パイナップル

夏の午後、
窓辺に置かれたパイナップルは
遠い海の記憶を
ひとりで抱いていた。
ざらざらとした皮膚、
無数の小さな傷、
それでも頭上には
緑の冠を戴いている。

太陽は、
あまりに明るくて
ものの哀しみまで
黄色く染めてしまう。

私はナイフを入れる。
硬い沈黙がほどけ、
甘い香りが
部屋いっぱいに流れ出す。

その瞬間、
南の島も、青い海も、
まだ見ぬ夏の日々も、
ひとつの果肉のなかで
静かに息をしていた。

パイナップルは笑わない。
ただ、光を蓄えている。

そして私たちは
その光をひとくちずつ食べながら、
失った夏のことを
少しだけ赦していく。
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作者メッセージ

今日の夕飯でした。

では!

2026/08/14 21:34

KanonLOVE
ID:≫ n00YEDEqgv6kY
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