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【リクエストOK】流行(もちろん曲とかも)知らない人の曲パロ

#6

【マインドブランド】ノイズの向こう側

毎朝七時三十分になると、街は一斉に目を覚ます。
横断歩道の電子音。
電車の接近メロディ。
コンビニの入店音。
通知音。

世界は、音でできていた。

その中で、私だけが少しずつ静かになっていく。

ある朝、私の声が少し欠けた。
「おはよう」と言ったつもりなのに、「お……」しか出なかった。

同僚は笑った。

「寝不足?」

私も笑った。

そういうことにした。

翌日は笑い声が出なかった。

その翌日は、名前が言えなくなった。

病院では異常なし。

「ストレスでしょう。」

便利な言葉だった。

原因が分からないものは全部そこへ押し込めることができる。

街には「回収箱」がある。
古くなった家電。
割れた傘。
期限切れのカード。

不要になったものを入れるための箱。

ある夜、その箱の横を通ると、小さな貼り紙が増えていた。

「不要な感情も回収します。」

冗談だと思った。

でも私は立ち止まった。

財布からレシートを捨てるみたいに、「不安」だけ捨てられたら楽だろうなと思った。

箱を開ける。

真っ暗だった。

吸い込まれるように手を入れた。

指先が何かに触れる。

冷たい。

柔らかい。

心臓みたいだった。

次の瞬間。

胸の重さが、ふっと消えた。

その日はよく眠れた。
朝も軽い。

笑える。

仕事も進む。

「最近元気だね。」

そう言われる。

不安がない人生は、こんなにも簡単なのか。

私は毎週箱へ通った。

怒り。

嫉妬。

後悔。

寂しさ。

一つずつ預けていく。

軽くなる。

軽くなる。

どこまでも。

ある日。
母から電話があった。

「元気?」

「うん。」

「会いたいね。」

「うん。」

それだけだった。

切ったあとも何も感じない。

昔なら少し申し訳なく思った。

今は空っぽだった。

テレビで事故のニュースを見る。

誰かが泣いている。

画面を見ながら私はパンを食べる。

ジャムがおいしい。

それしか思わない。

会社帰り。
子どもが転んで泣いていた。

母親が駆け寄る。

「痛かったね。」

その言葉を聞いた瞬間。

私は理解できなかった。

どうして泣くのだろう。

どうして抱きしめるのだろう。

効率が悪い。

立てば済む話なのに。

そんな考えが浮かんだ自分に驚く。

驚いた。

……はずだった。

でも驚きも、もう残っていなかった。

再び回収箱を開ける。
中から声がした。

「返却はできません。」

誰もいない。

「あなたは希望しました。」

声は続く。

「痛みだけ消したい、と。」

箱の底で何かが脈打つ。

ドクン。

ドクン。

その鼓動だけが、やけに生々しい。

「感情は分別できません。」

私はようやく理解した。

悲しみを捨てると、優しさも落ちる。

怒りを捨てると、正しさも薄れる。

寂しさを捨てると、人を求める理由も消える。

全部つながっていた。

帰り道。
街は相変わらず音であふれている。

電車。

広告。

笑い声。

信号。

でも私は、そのどれも「音」としか認識できなかった。

音楽だったものは周波数になり。

会話だったものは振動になり。

「生きている」という実感だけが、静かに失われていく。

数日後。
駅前に新しい回収箱が設置された。

以前より少し大きい。

貼り紙にはこう書かれている。

「つらいお気持ち、お預かりします。」

夕方。

仕事帰りの人が立ち止まる。

学生が覗き込む。

疲れた顔の誰かが手を伸ばす。

私は少し離れたベンチから、その様子を眺めていた。

止めようとは思わなかった。

止めたいとも思わなかった。

ただ、人が一人、また一人と軽くなっていくのを見ていた。

その景色だけは、不思議と少しだけ美しかった。

作者メッセージ

リクエストあざっす!
遅くなってマジで申し訳ございませんでした。

ってことででは!

2026/07/15 21:51

KanonLOVE
ID:≫ n00YEDEqgv6kY
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曲パロリクエストok平成初期脳の曲パロ

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