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#116

詩 陽炎

道の向こうで
夏が息をしている。

誰も触れていないはずの空気が揺れて、
世界は静かに輪郭をほどいていく。

手を伸ばせば届きそうな景色は、
近づくたびに少しだけ遠ざかり、
確かなものほど
光の中で名前を失っていく。

あの日の約束も、
言えなかった言葉も、
アスファルトの熱に溶けて立ちのぼり、
揺れる地平に紛れてしまった。

それでも陽炎は、
消えるためだけに生まれるのではない。

見えない風を映し、
目には映らない熱を語り、
「そこにあるものは、ひとつではない」と
黙って世界を教えている。

夕暮れが来れば、
揺らぎは何事もなかったように消え、
道は再びまっすぐになる。

けれど夏を越えた心には、
あのかすかな揺らぎだけが残る。

真実とは、
きっと動かないものではなく、

光と熱のあいだで、
一瞬だけ姿を見せる
陽炎のようなものなのだ。
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作者メッセージ

はいどーも、KanonLOVEです。

えーっとね、はい。
陽炎ってなんでしょうね。はい。

ってことで、では!

2026/07/16 21:20

KanonLOVE
ID:≫ n00YEDEqgv6kY
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