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#111

詩 まどろみの川

世界はまだ、
名前を持ったまま息をしている。

時計は時を数え、
窓の向こうでは風が
誰にも読まれない手紙を書いている。

けれど、
まぶたはゆっくりと重くなり、
思考は一枚ずつ葉を落とすように
静けさへ帰ってゆく。

ああ、
眠りは落下なのに、
どこにもぶつからない。

深い水へ沈むようでいて、
その水は体を支え、
重力さえ
やさしい毛布に変えてしまう。

昼の痛みも、
言いそびれた言葉も、
胸の奥で固く結ばれていた結び目も、
暗い泉に溶けていく。

境界がほどける。

私と夜のあいだにあった線は消え、
呼吸だけが、
月明かりに揺れる舟のように
ゆっくり、
ゆっくりと揺れる。

最後の意識は
星が水面に触れて消えるほど
かすかな光。

その一瞬だけ、
何も欲しくなくなり、
何者でもなくなり、
ただ安心だけが
静かな波紋となって広がる。

そして私は、
落ちるのではなく、
夜という大きな腕に
そっと受け止められていることを知る。
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作者メッセージ

はい。
眠い。
では。

2026/07/11 20:13

KanonLOVE
ID:≫ n00YEDEqgv6kY
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