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#104

詩 曇り鏡

湯気はことばを持たないのに
今日という一日を
やさしく包み隠してしまう。

浴室の鏡は
誰かを映すことを少し休んで、
白い息の向こうで
静かに目を閉じている。

指先でひとすじ線を引けば、
そこだけ世界が目を覚ます。
ぼんやりと現れる顔は
いつもの私なのに、
どこか知らない人にも見える。

流れ落ちる雫は
思い出の輪郭をなぞるように、
映ったものを
少しずつほどいてゆく。

やがて湯気は消え、
鏡は何事もなかったように
すべてを映し返す。

けれど私は知っている。
曇っていたあの数分だけ、
鏡は真実を隠したのではなく、
急いで生きる私から
「見えなくてもいいもの」を
そっと預かってくれていたのだと。
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作者メッセージ

テーマネタ無くなってて草

では!

2026/07/04 21:09

KanonLOVE
ID:≫ n00YEDEqgv6kY
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