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【2000閲覧!】【リクエスト可】 詩・ポエム、何かの曲書きます!

#102

詩 指先あと一つ

朝でもなく、夜でもない。

一日の輪郭がやわらかくほどけていく頃、
交差点には赤い灯が静かに立っている。

車は流れ、
風は信号機の柱をすり抜け、
誰もがそれぞれの目的地へ急いでいる。

その流れのなかで、
自転車はすっと速度をゆるめる。

降りるほどではない。
けれど、そのままでは届かない。

だから少しだけ、
身体を前へ、横へ、
風に落ちないよう重心を預けながら、
片手を伸ばす。

もう少し。

指先が空を切り、
ハンドルはわずかに揺れ、
タイヤは静かに地面を信じている。

その一瞬だけ、
自転車と人は互いを信じ合っている。

やがて指先が丸いボタンに触れる。

小さな「カチリ」という音。

世界が変わるには、
案外それだけで足りる。

押されたことを知らせる灯がともり、
見えない約束が交差点の隅々まで伝わっていく。

歩く人のために。
ベビーカーを押す人のために。
杖をつく人のために。
そして、自転車のまま待つ自分のためにも。

伸ばしていた身体をゆっくり戻すと、
重心は再び鞍へ落ち着き、
風景は何事もなかったように動き始める。

赤はやがて青へ変わる。

誰も気づかない。
あの信号が変わる前に、
ほんの一人、
自転車から身を乗り出して
未来へ小さな合図を送った人がいたことを。

交差点には、
そんな名前のない仕草が、
今日もいくつも積み重なっている。

誰にも褒められず、
誰の記録にも残らない。

それでも確かに、
人の暮らしは、
ああいう一瞬の伸びやかな姿勢で
少しずつつながっているのだと思う。
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作者メッセージ

最近なんかクオリティ落ちてますね
すみません。
では!

2026/07/01 21:03

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