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【2000閲覧!】【リクエスト可】 詩・ポエム、何かの曲書きます!

#101

詩 シガレット

もう戻れないことを知ってから、
懐かしさは少し苦い味になった。

駄菓子屋で買ったココアシガレットは、
煙のかわりに
幼い日の息づかいを吐き出していた。

白い一本をくわえる横顔は、
早く大人になりたかった子ども。

その願いは叶ったのに、
大人になった私は
あの日へ帰りたくてたまらない。

噛めば、かすかな甘さ。
舌の上でほどけるのはココアだけじゃない。

夕暮れの校庭、
誰かの笑い声、
名前もつけられなかった約束。
気づけばみんな、
別々の季節を歩いてしまった。

もう会えない人がいて、
もう話せない言葉があって、
「いつか」はいつの間にか
過去の中で眠っている。

小さな箱は、
思い出をしまうにはあまりにも軽い。

それでも私は今日もひとつ取り出して、
音も立てずに欠けていく白い一本を見つめる。
煙はどこにもないのに、
胸の奥だけが、
まるで何かを燃やしてしまったあとのように
静かに、白く霞んでいる。

ココアシガレットは、
甘いお菓子なんかじゃない。

あれはきっと、
二度と手には戻らない時間を、
ひとくちずつ味わうための、
世界でいちばん優しい別れだった。
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作者メッセージ

あーココアシガレットは美味い。

シガレットは…うん。
成人してから。

では!

2026/06/30 21:52

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