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【リクエストOK】流行(もちろん曲とかも)知らない人の曲パロ

#4

【それがあなたの幸せとしても】【リクエスト】それがあなたの幸せとしても

夜の駅は、いつも少しだけ現実から浮いている。
蛍光灯の白さは冷たくて、なのにどこか優しくも見える。
人の声や足音は確かにあるのに、それぞれが別の世界の出来事みたいに遠い。

彼女はホームの端に立っていた。

「行くんだね」

僕の声は、思ったよりも弱かった。

彼女はすぐには返事をしなかった。
ただ、線路の先を見ていた。
そこにあるのは目的地であって、同時に、ここから消えるための出口でもある。

やがて小さく息を吐いて、

「うん」

それだけ言った。

「ここにいたら、たぶん駄目になるから」

駄目になる、という言葉は便利だと思った。
理由を全部まとめて、これ以上説明しなくていい形にしてしまう。

本当は、もっと細かくて、もっと曖昧で、もっと言葉にできないものが積み重なっていたはずなのに。

電車が入ってくる。風が押し寄せて、彼女の髪が少し揺れた。

「それでもさ」

僕は、無理やり声を出した。

「本当に、それしかないの?」

彼女は初めて、ちゃんと僕を見た。

その目は、強いというより疲れていた。
何かを選び続けてきた人の目だった。

「……他の道があったら、たぶんもう選んでる」

その言葉は、否定じゃなかった。諦めでもなかった。
ただ、今までの時間の重さそのものだった。

電車のドアが開く。

「それでも」

僕は言いかけて、止めた。

それでも、行かないでほしい。
それでも、ここにいてほしい。

そのどれも、彼女を軽くしてはくれない気がした。

だから代わりに、別の言葉が出た。

「……ちゃんと、食べて」

彼女が少しだけ瞬きをした。

「寝て。無理しすぎないで。……それだけは、約束して」

拍子抜けするくらい普通の言葉だった。

彼女は小さく笑った。

「なにそれ」

「それくらいしか言えない」

「うん……わかった」

その「わかった」は、さっきまでの返事とは違っていた。

電車に一歩、彼女が踏み出す。

そのとき、彼女は少しだけ振り返った。

「ねえ」

「……うん」

「もし、全部うまくいかなかったら」

言いかけて、彼女は少し笑った。

「そのときは、また怒ってくれる?」

僕は、うまく答えられなかった。

でも、うなずいた。

それでいい気がした。

ドアが閉まる直前、彼女はもう一度だけ言った。

「……行ってくる」

電車が動き出す。

離れていく窓越しに、彼女はまだこちらを見ていた。
手を振るわけでもなく、ただそこにいるみたいに。

僕は、その姿が見えなくなるまで立っていた。

しばらくして、ホームに静けさが戻る。

それでも、何かが完全に終わった感じはしなかった。

たぶんこれは別れというより、「続き方が変わる瞬間」だった。



ポケットの中で、スマホが小さく震えた。

短いメッセージ。

『ちゃんと食べてる?』
それだけ。
たったそれだけの文字なのに、さっきまで止まっていた時間が、少しだけ動いた気がした。

僕はホームのベンチに座って、しばらく画面を見ていた。

返信を打つ。

『食べてるよ。そっちは?』
すぐに返事は来なかった。
でも、それでよかった。

電車はもう見えない。

それでも、この線路の向こうに、確かに続きがあることだけは分かっていた。

そしてそれはきっと、

終わりじゃない。

作者メッセージ

mayu.418様のリクエストの「それがあなたの幸せとしても」を曲パロにしました!

いかがでしょうか()
イメージと違ったらすみません。
ガチ土下座します()

では!

2026/06/24 21:48

KanonLOVE
ID:≫ n00YEDEqgv6kY
コメント

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曲パロリクエストok平成初期脳の曲パロ

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