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#79

詩 剣

静かな鞘の奥で
剣は眠る。

鉄の身に刻まれたのは
勝利の名ではなく、
幾度も振るわれた時の重さ。

朝露を映せば鏡となり、
夕陽を受ければ炎となる。
だが剣そのものは語らない。

誰を守ったのか。
誰を傷つけたのか。
その答えを知りながら、
ただ冷たく光るだけだ。

嵐の夜には雷を集め、
凪いだ朝には鳥の影を映す。
世界の美しさも残酷さも、
同じ刃の上を通り過ぎてゆく。

やがて戦いが終わり、
人々が剣を壁に掛ける日が来ても、
その鋼は忘れない。

力とは振るうことではなく、
振るわずに済む日を願うことだと。

だから今も剣は眠る。
静かな鞘の奥で。
次の戦を待つためではなく、
次の平和を守るために。
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作者メッセージ

目閉じタッチタイピングシリーズでまたまたお題を決めました。

では!

2026/06/08 21:30

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