文字サイズ変更

350閲覧!?第二期始動! 募集内容は星の人にお店のメニュー!? 残り2人と4メニュー募集中!【参加型】星を紡ぐティータイム

#5

山羊座  ゆっくりでいいと、知らなかった

夜の街は、
もうほとんど音を立てていなかった。

歩くたび、
靴底が地面に触れる音だけが、
ぽつ、ぽつ、と残る。

「…ねむー」

羊夢八生は、
片手で山羊のぬいぐるみを抱え、
もう片方で目をこする。

襟付きのロンTの上に、
ぶかぶかの青紫色のセーター。
少し大きくて、
袖が手の甲を隠している。

「ここもやるん?
…いや、ちがうか」

誰に向けたわけでもない言葉。

でも、
足は自然と止まっていた。

裏道の先。
星みたいなランプが、
ぽわっと光っている。

「…おみせ?」

看板はない。
でも、
あったかそうだった。

理由は、
それだけで十分だった。

カラン。

鈴の音が鳴る。

「…あ」

ぬいぐるみを抱え直して、
小さく頭を下げる。

「い、いらっしゃいませー…じゃなくて」

自分で言って、
少しだけ照れる。

「うちは八生っていうんよ。
よろしく」

「こんにちは。いらっしゃいませ」

カウンターの向こうのマスターは、
いつもと同じ声で迎える。

「山羊座ですね」

「ん。そう」

こくん、と頷く。

カウンターの椅子は、
少し高い。

よじっと座って、
足をぶらぶらさせる。

差し出された紅茶は、
色がやさしくて、
甘い匂いがした。

「…あの」

遠慮がちに、
ぬいぐるみの耳を指でつまむ。

「それ、あまいやつ?」
「ええ」

その一言で、
表情が少しゆるむ。

一口飲んで、
ほっと息を吐く。

「…おいしい、甘いの、すきなんよ」

自然に言葉が出る。

「でもな、
おとなの人って、
がまんするでしょ」

カップを両手で包む。

「あまいの、あとで、って」

少しだけ、
眉が下がる。

「うちもな、
がんばらなって思って」



「ちゃんとせなって」



「ゆっくりやと、
だめな気して」

紅茶の湯気が、
ふわっと揺れる。

「…でも」

声が、
とても小さくなる。

「ねむいときは、
ほんとは、
ねむたいんよ」

マスターは、
何も言わない。

ただ、
カップを温め直す。

「山羊座は」

静かな声。

[大文字][太字][明朝体]「登ることを、
とても大切にする星です」[/明朝体][/太字][/大文字]

八生は、
ぬいぐるみをぎゅっと抱く。

「でも」

続く言葉は、
やわらかかった。

[大文字][太字][明朝体]「登る速さは、
決まっていません」[/明朝体][/太字][/大文字]

「……ほんま?」

「ええ」

「立ち止まっても、
座り込んでも」
眠ってしまっても」

八生の目が、
少し丸くなる。

「…じゃあ」

「うち、
ちょっとだけ、
やすんでもええ?」

「もちろんです」

その返事を聞いた瞬間、
肩の力が抜ける。

「…ねむー」

そう言って、
ぬいぐるみを抱えたまま、
こてん、と前のめりになる。

「んにゃー…」

マスターは、
そっとランプを見る。

星図の壁に、
ゆっくり、確かな線が一本、刻まれた。

高くはない。
けれど、
とても安定した線。

「急がない強さも、
確かにあります」

カラン。

扉が閉まる音は、
いつもより静かだった。

夜は、まだ深い。

次の星は、
自分の速さを、
まだ知らないまま、
でも確かに、
ここへ向かっている。

作者メッセージ

最近眠すぎてやばいkanonloveです。
眠すぎるので、今日はここで…
あ、参加型の参加よろしくね
では、皆さん

Have a nice dream!
(朝方に見てる方すみません)

2026/01/04 00:00

KanonLOVE
ID:≫ n00YEDEqgv6kY
コメント

この小説につけられたタグ

十二星座感情カフェ参加型

通報フォーム

お名前
(任意)
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
違反の種類 ※必須 ※ご自分の小説の削除依頼はできません。
違反内容、削除を依頼したい理由など※必須

盗作されたと思われる作品のタイトル

どういった部分が元作品と類似しているかを具体的に記入して下さい。

※できるだけ具体的に記入してください。

《記入例》
・3ページ目の『~~』という箇所に、禁止されているグロ描写が含まれていました
・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
タイトル
URL

この小説の著作権はKanonLOVEさんに帰属します

TOP