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250閲覧! 依頼人の参加待ってます!【大型(?)参加型】 学園内何でも屋〜悪魔ハ何者ナノカ、理由ハ魔導書二アル。〜

#2

契約シマセンカ?

神谷ゆめが図書室に来たのは、
本当に、ただの偶然だった。

放課後、友達と昇降口で別れて、
家に帰るには少し早くて、
どこかで時間を潰したかっただけ。

クラスはうるさいし、
部活の音は苦手だし、
だから人の来ない場所を選んだ。

古い校舎の奥にある図書室は、
いつも空気がひんやりしていて、
時間が止まっているみたいで好きだった。

その日も、
何か特別なことを期待していたわけじゃない。

…ただ、
目に入ってしまった。

棚の一番下、
奥に押し込まれるように置かれた、
分厚い一冊の本。

表紙は色あせて、
触ると粉が落ちそうなくらい古い。

題名は、ほとんど読めなかった。

「…なにこれ?」

声に出した瞬間、
なぜか胸の奥が、きゅっと縮んだ。

開いてはいけない。
理由は分からないけど、
確かに、そう思った。

なのに―

「ちょっと見るだけだし」

そう自分に言い訳して、
私はページに指をかけた。

―ぱらり。

その瞬間、
図書室の空気が変わった。

さっきまで聞こえていた、
遠くの部活の音が、

[太字][大文字][明朝体]消えた。
[/明朝体][/大文字][/太字]
時計の秒針の音も、
自分の呼吸も、
全部が遠くなる。

ページに並ぶ文字が、
ゆっくりと、
私に合わせて並び替わっていく。

難しい言葉のはずなのに、
読めてしまう。

理解できてしまう。

それが、
一番怖かった。

「…え?」

喉が、ひくっと鳴った。

そのとき―

[明朝体]「こんにちはぁ」
[/明朝体]
背後から、
やわらかくて、眠そうな声。

心臓が、跳ねた。

振り返ると、
そこにいたのは―

―少女だった。

水色の髪。
先に行くほど黒く染まっているミディアムヘア。
赤い瞳が、夕方の光を受けて、
やけにきれいに見えた。

「初めましてぇ、雷です!」

にこにこ笑って、
まるで普通の同年代みたいに。

でも、
ここは図書室の奥で、
私は誰かが来る気配を、
まったく感じていなかった。

「…えっと、え?」

言葉が、情けないくらい詰まった。

「こう見えても悪魔。
てか黙れ」

ふわっとした声の直後、
刺さるみたいな一言。

頭が、追いつかなかった。

「…あ、あく、ま?」

「うん」

雷は、
まるで「今日は晴れだね」みたいな調子で頷いた。

「で、君、困りごとあるでしょ?」

その言葉に、
なぜか胸の奥を見られた気がした。

困りごと。

誰かを助けたい気持ち。
放っておけない性格。
それで損をすることが多いのに、
やめられないところ。

全部、
ばれている気がした。

「大丈夫だよ」

雷は、
机の上の魔導書を指でとん、と叩く。

「力をあげるわけじゃないし」

「ただね」

少しだけ、
声のトーンが変わった。

[太字][斜体][大文字][明朝体]「見えるようになるだけ」
[/明朝体][/大文字][/斜体][/太字]
見えてはいけないもの。
聞こえないはずの声。
忘れられて、
置き去りにされた気配。

それを想像した瞬間、
背中が、
ぞわっとした。

[太字][大文字][明朝体]「代わりに、
 小さな約束をひとつ」[/明朝体][/大文字][/太字]

…小さな?

その言葉を、
私は信じてしまった。

今思えば、
悪魔の言う「小さい」は、
人間の基準じゃなかったのに。

「…約束って、なに?」

雷は、
一瞬だけ目を伏せてから、
笑った。

でもその笑顔は、
どこか疲れて見えた。

「困ってる人がいたら、
 無視しないこと」

その瞬間、
胸が、きゅっと締め付けられた。

それは―
私が、一番できないことだったから。

「それだけ?」

確認するみたいに聞いた。

雷は、
少しだけ首をかしげる。

「それだけ」

でも、
否定しなかった。

「無視できなくなる」ことを。

「見える以上、
 気づかないふりはできない」ことを。

私は、
甘いお菓子を誰かに分けるみたいに、
その約束を受け取ってしまった。

「…わかった」

言った瞬間、
魔導書が、
自分でページを閉じた。

ばたん、という音が、
やけに大きく響いた。

胸の奥で、
何かがカチッと噛み合った気がした。

それは、
鍵がかかる音に、少し似ていた。

「…えへへ。
これから仲良くしてくださいね!」

雷は、
一歩だけ後ろに下がって言った。

その距離が、
もう戻れない線みたいに感じた。

「…あ、ゆめです。
神谷ゆめ。
ゆめって呼んで」

声が、少し震えていたと思う。

「了解、ゆめ」

そう言った雷の影が、
一瞬だけ―
私の影と重なった。

その日から、
私の世界には、
影が増えた。

ただの暗さじゃない。
逃げ場のない影。

優しさを選び続けなければならない、
代償としての影。

この契約は、
簡単だった。

でも―
終わりが、見えなかった。

そして私はまだ、
それが「どれほど重い契約か」を、
本当の意味では知らなかった。

作者メッセージ

読んでくださってありがとうございます、kanonloveです。

学園系参加型を初めて書いたのですが…
どうでしょうか?

まだまだ募集中です、ぜひ参加してね☆

自称暇人一二三四五六七八九〇号のkanonlove

2026/01/01 23:57

KanonLOVE
ID:≫ n00YEDEqgv6kY
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