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350閲覧!?第二期始動! 募集内容は星の人にお店のメニュー!? 残り2人と4メニュー募集中!【参加型】星を紡ぐティータイム

#4

牡牛座 余裕の仮面と、足りない甘さ

夜の街は、
静かすぎて落ち着かなかった。
音がないと、
考えごとが増える。

「…はあ」

俺はポケットに手を突っ込んで歩く。
だぼだぼのTシャツが、
風に揺れる。
短パンは寒いけど、
別に気にしない。

余裕そうに見せるのは、
得意だ。

「そんぐらい一人でできるし」

誰もいないのに、
つい口に出る。

言っておかないと、
自分が子どもみたいに見える気がして。

角を曲がったところで、
光が見えた。

…変な店。

看板もないのに、
星みたいなランプだけが、
ちゃんとそこにある。

「…喫茶店?」

入るつもりはなかった。

でも、
足が止まった。

お腹が鳴る。

「…」

別に。
おやつの時間じゃないし。

でも。

カラン。

鈴が鳴ってから、
戻るのはなんか、
負けた気がした。

店の中は、
静かで、
あったかい。

壁には星の絵。
時計はあるけど、
時間が進んでない。

「こんにちは。いらっしゃいませ」

カウンターの向こうの人は、
大人かどうかも、
よく分からない。

俺は少し背筋を伸ばす。

「俺は富士真琴。よろしくね」

ちゃんと言えた。
年上みたいに。

「牡牛座だ」

マスターは頷くだけで、
変に褒めたりしない。

出された紅茶は、
濃い色で、
どっしりした匂いがした。

一口飲んで、眉をひそめる。

「…甘くない」

でも、嫌じゃない。

「ここはこうすると、うまくできるよ」

何の話かも分からないのに、
つい言ってしまう。

説明する側のほうが、
楽だから。

カップを置いて、
足をぶらぶらさせる。

「…なあ」

声が、少し低くなる。

[太字][明朝体][大文字]「俺さ、ちゃんとしてるって言われる」
[/大文字][/明朝体][/太字]
別に、嬉しいわけじゃない。

「大人っぽいって。
落ち着いてるって」

カップの中を見つめる。

「…でも」

言葉が、引っかかる。

「もうやだ。
おやつ食べたい」

思ったより、声が大きかった。

「甘いの、ないの?」

しまった、
と思う。

今の、
完全に子どもだ。

「…まあ、別にいいけど」

慌てて付け足す。

「我慢できるし」

マスターは、
目の前の少年を静かに見ていた。

余裕のある口調。
背伸びした言葉。

けれど、
椅子に届かない足が、
小さく揺れている。

牡牛座。
欲しいものを、
欲しいと言えない星。

マスターは、
何も言わずに、
カップの横に小さな皿を置いた。

角砂糖が、ひとつ。

「…なに、これ」

少年は警戒する。

「必要な分だけ」

マスターは、それだけ答える。

しばらくして、
少年はそっと角砂糖を紅茶に落とした。

ゆっくり溶ける。
混ぜない。

「…ちょうどいい」

小さな声。

「牡牛座は」

マスターは、静かに言う。

[太字][明朝体][大文字]「満たされるまで、
とても我慢強い」[/大文字][/明朝体][/太字]

少年は顔を上げない。

「でも」

続ける。

[太字][大文字][明朝体]「満たされなかった時間を、
体は、よく覚えています」
[/明朝体][/大文字][/太字]
少年は何も言わない。
ただ、
紅茶を飲み干す。

「…また来ていい?」

その声は、
最初よりずっと小さい。

「ええ」

マスターは頷く。

「扉は、
あなたを覚えています」

カラン。

扉が閉まる。

星図の壁に、
太く、
ゆっくりとした線が一本、刻まれた。

蠍座の深い線の隣。
甘さを求めて、
地に足をつける軌道。

マスターは、
それを見つめる。

[太字][大文字][明朝体]「欲しがることは、
弱さではありません」
[/明朝体][/大文字][/太字]
夜は、まだ続く。

次の星もまた、
自分の欲しいものに、
名前をつけられずにいる。

作者メッセージ

今参加型「学園内何でも屋〜悪魔ハ何者ナノカ、理由ハ魔導書二アル。〜」
の参加募集中です、ぜひご参加してください!
悪魔と生徒(部員と依頼人)募集中です

では、本年もよろしくお願いします!

2026/01/03 00:00

KanonLOVE
ID:≫ n00YEDEqgv6kY
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十二星座感情カフェ参加型

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