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900閲覧!!【完結いたしました!】 憧れのアイドル―偶像と同じステージに立つ日まで―勝つか、消えるか、歌い手としての最初の一歩

#49

第六部 第三話 本音

ライブ後、楽屋はまだ熱気に包まれていた。
歓声の余韻、観客の光の海、ステージ上の緊張感――
全てが胸に残り、ゆめの手はまだ震えていた。

彼女は椅子に腰かけ、目を伏せる。
肩で小さく息をするたびに、まだ心臓が高鳴るのがわかった。
静かな涙が頬を伝い落ちる。

「私……本当は、ずっと……」

声にならない言葉が喉から漏れる。
舞台では笑顔で、後ろに立って支えるだけだった自分。
でも、本当はずっと――
光に憧れていた。
誰かの中心に立ちたいと思っていた。

その時、みんとが近づき、そっと肩に手を置く。
「ゆめ……」
抱きしめると、ゆめの震えがさらに大きくなる。
抱きしめ返すゆめの手は、力が入りすぎて硬く、でも確かに温かかった。

如月は、普段は冷静で理知的な彼女の目が、ほんの少し柔らかくなる瞬間を見せた。
「なんで言わなかったの……?」
その声は穏やかで、しかしゆめの胸に刺さる。
「ずっと、見ているだけでいいと思ったの? 支える側で?」

ゆめは小さく首を振る。
「違う……違うんです……」
声はまだ震えていた。
「偶像が羨ましかった……でも、自分が出たら、壊しちゃうと思った。
バランスが崩れる……私が出ることで、二人の光まで……」

みんとは涙を拭いながら、ゆめの肩を強く抱き寄せる。
「バランスなんて関係ないよ。ゆめ、あなたも光なんだよ」
如月も近づき、静かに手を伸ばす。
「ずっと待ってたんだよ。君が自分の声を出すのを」

ゆめの胸の中に、これまでの“支える側”としての意識と、今日初めて感じた“自分も光になれる”という確信がぶつかり合う。
涙が止まらない。言葉も途切れ途切れになる。

「怖かった……壊したくなかった……でも、本当は……ずっと光の側にいたかった……」
言いながら、ゆめは両手で顔を覆い、嗚咽を漏らす。

みんとはそっと背中をさすり、如月は肩に手を置いたまま、ゆめの存在を認める静かな力を与える。
「怖くて当然だよ。でも、逃げる必要なんてない。ボクたちがここにいる」
如月の声は、初めて柔らかく、温かく、ゆめの胸に届く。

その瞬間、ゆめは理解する。
光を羨むだけではなく、自分も光になれること。
そして支えるだけではなく、支えられることも悪くないこと。

「……ありがとう……二人とも……」
震える声が、少しずつ落ち着きを取り戻す。
「私……前に出ても、いい……?」

みんとが微笑み、如月も頷く。
「うん。君も光だよ」

涙で滲む視界の先、楽屋の明かりが温かく感じられる。
初めて、自分がこの場所で、偶像として立てる可能性を信じられた瞬間だった。
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作者メッセージ

はい、こんにちは。

学タブ間違えて持って帰った上に明日返納でもセーフだったことが判明したKanonLOVEです。

ということで今日・明日に渡って投稿させていただきます!

まあ急いで投稿しようとしたトコロ、寝坊+時間過ぎてるやん。
でいつものように改行していない+文字装飾を行っていません。

時間があったら編集し直すので許してください。

本シリーズはこれを含めないで残り三話……

返納までに投稿させていただきます!
では!

2026/03/12 18:43

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歌い手研修生から参加型

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