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900閲覧!!【完結いたしました!】 憧れのアイドル―偶像と同じステージに立つ日まで―勝つか、消えるか、歌い手としての最初の一歩

#43

第五部 第三話 管理人の視線

スタジオの明かりはまだ白く冷たく、
空気は張り詰めていた。
昨日のライブの余韻は、
まるで嵐の後の静けさのように、
誰もが心に小さな波を抱えたまま、
日常を取り戻そうとしている。

みんとは、
昨日の自分のステージを何度も思い返していた。
「…あの時、声が少し震えたかも」
完璧に見えたステージの裏側で、
ほんのわずかに迷いが生まれたことを、
彼女自身が一番よく知っている。
観客は歓声を上げ、
画面の中で光り輝いていたけれど、
その光の影には、
まだ小さな揺れが潜んでいる。

そして、
如月はその隣で、
冷静に分析を続けていた。
昨日の違和感は、
まだ彼女の胸に残っている。
「光の表面だけを見てはいけない…その光を支える空気も、温度も、全て理解しなければ」
如月の目は、
舞台の残像ではなく、
周囲の人々やスタッフの微妙な動きに向けられていた。


そのとき、業界ニュースが飛び込む。
「絢香奇 麗、引退の可能性が浮上――」
SNSや掲示板は瞬く間に騒ぎ始める。
[太字][斜体]《うら様が引退!?》
《冗談だろ?》
《でも本人の発言も少し曖昧だ…》[/斜体][/太字]
ファンやメディア、
関係者の間で、
情報が錯綜し、
緊張感が増していく。

スタジオでは、
麗自身が元気に動き回っている。
黄色の衣装は太陽のように明るく、
笑顔と元気に満ちている。
だがその笑顔の裏で、
スタッフは手短にささやき合う。
「今日も元気だけど…引退の噂、本当なのか?」
「ファンの反応が読めないな…」


その光景を、
管理人は静かにモニター越しに見守っていた。
昨日のライブも、
今日のスタジオも、
全ての情報を頭に入れながら、
彼女の視線は如月に注がれている。

「この子は、感情で動かない…理知的だ。光を理解する力がある」
管理人の指先がメモの上で止まる。
如月の瞳には迷いがない。
だが、
その冷静さの奥に潜む熱意を、
管理人だけが知っている。
「選ばれる側ではない。しかし、理解者として、光を支える力を持つ」


みんとは、
そんな如月の様子に気づくことはない。
「昨日は光の中にいたけど、まだ完全に自分の場所じゃない…」
彼女の胸には焦りが芽生える。
みんとを支える立場としてのゆめも、
昨日の熱狂が冷めた今、
少しずつ不安を口にする。
「みんと…大丈夫かな…」
だが、
二人とも、
管理人の視線がこの場を包んでいることには気づかない。


管理人は、
画面の向こうで麗の動きも観察している。
「彼女は元気だ…だが、引退の噂がある限り、舞台は揺れる」
麗はシャウトし、
体を大きく使ったダンスでスタジオを震わせる。
「私の声に耳は耐えれるか〜!!いくぞー!Theory is a correct argument!!!」
その圧倒的な存在感と身体表現に、
スタッフも思わず息を呑む。
そして、
引退疑惑という影が、
その輝きをより強く、
切実に映し出す。

如月は、
麗の動きと周囲のざわめきを同時に観察する。
「光は、表面だけじゃない…周囲の反応、期待、そして揺らぐ可能性まで含めて光なのか」
昨日のライブも、
今日のスタジオも、
全てが彼女にとって学びの場となる。
「私は、選ばれなくても、光を理解できる立場に立てる」


管理人はゆっくりとモニターから視線を外し、
静かに呟く。
「如月…君の力を、いつか試す時が来る」
言葉は小さいが、
その意味は深い。
光を理解する者として、
如月はまだステージには立たない。
だが、
管理人はすでにその可能性を見抜いている。


その夜、
スタジオの外にはファンのざわめきが残り、
SNSには麗の引退疑惑が拡散し続けていた。

みんとは、
自分の胸の中に小さな迷いを抱えながらも、
今日もステップを踏む。
如月は、
冷静な瞳でそのすべてを見つめ、
次の瞬間に備える。
そして管理人は、
全てを見守りながら、
次の事件の芽を静かに感じ取っていた――
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作者メッセージ

授業中の自習時間に投稿したKanonLOVEです!

昨日は皆さん察しがついていると思うのですが、
寝てました!

今日は仮眠を取って頑張って深夜投稿もできるようにします!

先生に見つかりそうなので、では!

2026/03/10 09:05

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歌い手研修生から参加型

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