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900閲覧!!【完結いたしました!】 憧れのアイドル―偶像と同じステージに立つ日まで―勝つか、消えるか、歌い手としての最初の一歩

#40

第五部 第零話 余光を見つめて

ライブは終わった。
舞台上のスポットライトは消え、
歓声は波のように会場から消えていく。
控室のモニターに映る、
配信のコメント欄はまだ荒れていたが、
もうかつての炎上とは違う。
光を守り切った余韻だけが残っていた。

ソノスは椅子に腰かけ、
静かに手を組む。
指先には、
昨日のステージで感じた振動がまだ残っている。
あの瞬間――観客のざわめき、
歓声、
そして驚きの眼差し。
単独で歌い、
踊ったあの瞬間、
ステージは確かに新しい光に触れていた。

「……やはり、あの子は違う」
ソノスはつぶやく。
みんと。
まだ新人。
しかし、
その歌声は迷いなく、
ステージの空気を支配していた。
まるで、
光を受け取るべく生まれてきたかのような存在感。
守る者として立った自分の背中も、
自然に受け止めさせる―
―そんな力があった。

静かな室内で、
ソノスはふと目を上げる。
モニターの向こうに映る映像には、
如月の姿もちらりと映っていた。
ライブ中、
観客席でじっとステージを見つめていたあの子。
眉を少し寄せ、
口元を引き締め、
何かを分析しているように見えた。

「……あの子も、気づいているな」
如月の視線は、
ただの観客のそれではなかった。
表情は冷静で、
心の中の揺れは外に出さない。
でも、
何かを測り、
理解しようとしている。
その“疑問を抱える目”は、
まるで光そのものを見抜こうとしているようだった。

ソノスは軽く息を吐く。
守るべき光はただ輝くだけで十分だ。
だが、
光を理解し、
未来を考える者――如月の存在は、
次のステージを予感させる。
「この子は…光を継ぐわけではない。だが、光を理解できる」

昨夜のステージの興奮を思い返す。
単独でも歌い踊れる実力、
観客の動揺、
そしてみんとの隣で見せた自然な調和。
守るべき光がここにある。
だが、
理解者が現れたことも、
見逃せない。
如月――あの目は、
まだ誰も立てない道を見ている。

スマホが震え、
通知が届く。
ライブの感想、
応援の声、
そして“次に注目すべき者”としての小さな指摘。
ソノスは画面をちらりと見る。
言葉は静かだ。

《次の光は、もう動き始めている》


深く息を吸い、
ソノスは椅子から立ち上がる。
窓の外の街灯が、
夜の静寂の中で揺れる。

「守るべき光は、守られるだけでは育たない」

静かに、
しかし確かな覚悟が胸を満たす。

「準備はできている。あとは…見守るだけだ」

そして、
思考は自然と昨日のステージの残響へ戻る。
単独でも輝く歌声、
踊り、
観客を動かした力。
それを見た者の胸の奥に、
確かな“何か”を残すこと。
それこそが、
偶像の条件――守る者として、
見守る者として、
ソノスが選んだ道だった。

窓の外の夜は深い。
だが、
その闇の中に、
次の光を見つめる瞳があった。
「……あの子たちの時代が、もうすぐ始まる」

そして静寂の中、
ソノスは微かに唇を動かす。
小さく、
胸の奥で震える声を意識しながら。
「……私は、まだここにいる」

夜は、
守る者の静かな決意を抱き、
次章への扉を開いた。
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作者メッセージ

投稿遅れてすみませんでした!

夜もお楽しみに!(本日六時がワンちゃん無理かもです)

2026/03/08 13:05

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歌い手研修生から参加型

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