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900閲覧!!【完結いたしました!】 憧れのアイドル―偶像と同じステージに立つ日まで―勝つか、消えるか、歌い手としての最初の一歩

#35

第四部 第二話 疑問を持つ者

広いオフィスの窓越しに、
夜の街が静かに光っている。
ネオンも街灯も、
遠くの車のライトも、
ひとつの海のように揺れていた。

如月は窓際で、
モニターの光に目を凝らしている。
画面には、
炎上が収束した経緯のまとめと、
逆に増えた支持のグラフ。

しかし、
彼女の目は数字よりも―

―空白や余白を見つめていた。

「なんで……」

つぶやく声は、
部屋に響かない。
数字やコメントでは説明がつかない、
どこか[太字]“違和感”[/太字]めいたもの。

炎上は急速に沈静化した。
そして同時に、
ひっそりと浮かび上がった名前――

[大文字][太字]――ソノス。
[/太字][/大文字]
元初代偶像。
引退して何年も姿を消した存在。
その名前が、
ネットの海に急浮上した。

「……なぜ、今……?」

如月はモニターの前で立ち止まる。
疑問が、
胸の奥で小さく波立つ。
偶像の裏には必ず誰かがいる――
でも、
今回はその[太字]“誰か”[/太字]の輪郭が、
あまりにも鮮明すぎる。

その瞬間、
携帯が震えた。
SNSの通知。
しかし内容は、
みんとへの誹謗ではなく、
ソノス復帰説に関する話題が中心だった。

「……表に出るなら、誰が得をする?」

如月は呟く。
答えはすぐに出ない。
けれど確かなのは、
表に出る者がいるだけで、
現役の偶像たちは比べられるという現実。

画面に目を戻すと、
モニターの端に映る管理人の姿が目に入った。
スーツに身を包み、
モニター越しの情報を静かに操るその姿。
総長としての威厳と、裏方としての冷徹さ――
両方が同時に存在している。

「……[漢字]管理人[/漢字][ふりがな]あのひと[/ふりがな]は、一体何者なんだ……」

胸の奥に、
初めて疑問が芽生える。
彼は表には出ない。
けれど、
全てを動かしている。
その手の内が見えそうで、
見えない。

如月は席を立つ。
廊下を歩きながら、
管理人の動向を思い描く。

「もしも、あの人が表に出たら……」

思考が止まる。
光を奪うかもしれない。
偶像としての純粋な輝きを、
壊すかもしれない。

けれど。

「……それでも、隠されすぎているのも気になる」

如月は指先で扉の取っ手に触れる。
目は真剣だ。
観察し、
疑問を抱き、
理解しようとする――
それが、
今の彼女の立ち位置だった。

[水平線]
スタジオでは、
みんとが鏡に向かって歌っている。
息は整い、
笑顔も戻っている。
しかし、
如月の目には、
小さな揺らぎが見えた。

「守られてばかりだって……言ったな」

心の中でつぶやく。
彼女は、
自分が守る側に回っていると思った瞬間に、
既に[太字]“光”[/太字]の中にいるみんとの心を垣間見ていた。

「でも、守る側は誰が守る……?」

問いが頭を巡る。
答えはない。
けれど、
如月は目を逸らさなかった。

[水平線]
夜のオフィス。

管理人はデスクに座り、
静かにモニターを見つめている。
通知の増減、
コメントの反応、
拡散の経路。
全てを把握し、
しかし手を出さない。

「……今はまだ、判断は下さない」

指先が、
机に触れる。
眠っている声は、
確かに胸の奥で震えている。

だが、
光を奪わず、
守るための時を待つ。

如月は知らない。
その存在が、
裏でどれほど大きな力を動かしているのかを――

そして、
次の火種は、
まだ空気の中で静かにくすぶっていた。

光は揺れ、
疑問は増す。
守られる偶像、
守る存在、
その間で、
物語はゆっくり動き始める。
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作者メッセージ

まじで最近すみません…。

寝てました…。(仮眠を取り忘れた)

では⋯(逃)
(また寝るわけではないぞ。)

2026/03/05 08:00

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歌い手研修生から参加型

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