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900閲覧!!【完結いたしました!】 憧れのアイドル―偶像と同じステージに立つ日まで―勝つか、消えるか、歌い手としての最初の一歩

#34

第四部 第一話 揺れる光

ライブ終演後の楽屋は、
いつもより静かだった。

歓声は確かにあった。
ペンライトも揺れていた。
笑顔も返ってきた。

――なのに。

「……お疲れさま」

みんとは、
鏡越しにそう言って笑った。

完璧な笑顔だった。

汗のにじむ額も、乱れた髪も、
すべて[太字]“偶像として正しい”[/太字]。

けれど。

ゆめは、
気づいてしまった。

声が、
ほんの一瞬だけ震えていたことを。

本番中、
二番サビの入り。
一瞬だけ、
音程が揺れた。

観客は気づいていない。
いや、
気づいていないはずだ。

けれどゆめは、
分かってしまう。

「みんと……」

「うん?」

振り返る。
笑顔。
完璧。

何も言えなかった。

控室の隅で、
スマホが震えた。

ぴくり、
とみんとの肩が跳ねる。

「通知、切っておいたほうがいいよ」

如月が淡々と言う。

如月 の声は静かだった。

「うん、でも……大丈夫」

画面を伏せる。
だが視線は、
そこから離れない。

炎上は終わった。

世論は反転した。
むしろ支持は増えている。

けれど。

「ざわめき」に、
敏感になっている。

観客の拍手が一瞬揺れるだけで、
誰かが囁くだけで、

“評価”に聞こえる。

夜のレッスンスタジオ。

鏡の中の自分を、
みんとは見つめる。

音源を流す。

歌う。

伸びる。
響く。
正確。

完璧だ。

――完璧なはずだ。

サビ前。

息を吸う。

その瞬間。

胸の奥が、
きゅ、
と縮む。

また、
震える。

「……っ」

止まる。

音が止まる。

スタジオが静まり返る。

「ごめん、もう一回」

明るい声で言う。

だが、
マイクを持つ手が、
わずかに冷たい。


[水平線]
廊下の向こうで。

管理人は足を止めていた。

扉越しに、
歌声が途切れるのを聞いた。

一瞬だけ。

ほんの一瞬だけ。

目を閉じる。

――まだ、
判断はしない。

ドアノブに触れない。

そのまま、
静かに歩き去る。

[水平線]

再び、スタジオ。

「みんと」

ゆめが近づく。

神谷ゆめ の瞳は、
まっすぐだ。

「無理、してない?」

「してないよ」

即答。

早すぎるくらいに。

「ねえ」

ゆめの声が少しだけ揺れる。

「怖い?」

沈黙。

ほんの、
数秒。

みんとは笑った。

「ちょっとだけ」

その声は、
驚くほど素直だった。

「歓声が、急に静かになるとね……」

視線が、
遠くを見る。

「今、比べられてるのかなって思う」

誰と、
とは言わない。

けれど、
分かる。

[太字][太字][斜体]“伝説”。

“初代”。

“復帰説”。[/斜体][/太字][/太字]

名前は言わなくても、
空気に漂っている。

「私、誰かの代わりなのかな」

ぽつり。

その言葉に、
ゆめの喉が詰まる。

如月の視線が鋭くなる。

「違う」

ゆめが言う。

強く。

けれど。

みんとは首を横に振る。

「違わないよ」

静かな声。

「守られて、話題になって、持ち上げられて」

少しだけ、
笑う。

「私、守られてばっかりだよね」

その言葉は、
軽いのに重かった。

廊下の奥。

足音が止まる。

管理人は、
聞いてしまった。

拳を、
ゆっくり握る。

――まだだ。

まだ、
出るな。

光を奪うな。

胸の奥で、
封じたはずの声が揺れる。

けれど。

ドアは、
開かない。

[水平線]

スタジオの中。

如月が前に出る。

「守られるのが悪いわけじゃない」

静かな声。

「でも」

みんとを見る。

「守られたまま終わるかどうかは、自分で決められる」

その言葉に、
みんとの瞳が揺れる。

ゆめが、
そっと手を伸ばす。

触れる。

逃げない。

「次のライブ」

ゆめは言う。

「一番前で、私が支える」

みんとは、
少しだけ笑った。

「うん。でもね」

深く、
息を吸う。

震えは、
まだある。

それでも。

「次は、私が前に立つ」

小さな宣言。

かすかに震える声で。

けれど確かに。

揺れながら。

揺れたまま。

光は、
消えていない。
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作者メッセージ

今回チェック無しで急いで描いているためかなりおかしいところがある気が…

あ、手抜き小説とは違うんで、かなりマシだと思います、はい。

では!

PS:みんとが「AsterCode」を抜け、
偶像のグループ「asternitas」に入ったのではなく、
まだみんとは「AsterCode」にいる設定です。
でも、偶像グループにもいます。

ややっこしくってすみません。

2026/03/09 08:17

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歌い手研修生から参加型

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