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今を生きる人に私が伝えたいこと

#1

【テーマ:心】  心の居場所

夜の電車は、
昼よりも少しだけ正直だ。

窓に映る自分の顔は、
どこか他人のようで、
スマートフォンの光は、
やけに冷たい。

そのとき、
ふと声がする。

[明朝体][大文字]「あなたの[太字]“心”[/太字]は、いま、どこにありますか?」
[/大文字]
[/明朝体]驚いて顔を上げるけれど、
誰もいない。
あるのは、
揺れる吊り革と、
規則正しい走行音だけ。

「ここです」と胸を叩いてみても、
本当にそこにあるのかはわからない。

怒ると熱くなり、
悲しいと重くなり、
嬉しいと軽くなる。

けれど、
それは[太字]“心”[/太字]そのものだろうか。
それとも、
ただの反応だろうか。

昔、
デカルトは言った。
[大文字][明朝体][太字]「我思う、ゆえに我あり」
[/太字][/明朝体][/大文字]と。

考えている限り、
自分は存在する。
ならば、
心とは「考えている何か」なのだろうか。

けれど、
あなたは知っている。

考えすぎて眠れない夜、
思考はあなたを救わない。

では心とは、
考えるものではなく、
感じるものだろうか。

それなら、
なぜ本音を押し殺しても生きていけるのだろう。

心は、
案外、
静かに耐える。

まるで、
深い海のように。
表面は荒れても、
底は動かない。

東の昔、
釈迦は、
心の揺れを[大文字][太字]「苦」[/太字][/大文字]と呼んだ。

欲しい。
失いたくない。
認められたい。

その波が、
心を揺らす。

でも、
もし。

心が「持ち物」ではなく、
ただ「通り道」だとしたら?

怒りも、
悲しみも、
喜びも、
通り過ぎる風のようなものだとしたら。

あなたは、
その風そのものではないのかもしれない。

電車が駅に滑り込む。

扉が開き、
人が流れ出す。

あなたも立ち上がる。

心は、
どこにあるのだろう。

胸の奥かもしれない。
脳の働きかもしれない。
あるいは、
あなたと世界の「あいだ」かもしれない。

けれど、
ひとつだけ確かなことがある。

心は、
[太字][大文字]「今」[/大文字][/太字]を感じている。

未来の不安も、
過去の後悔も、
すべては「今」ここで起きている。

だから、
もし迷ったら、
ほんの少し立ち止まってほしい。

呼吸の音を聞く。
足の裏の感覚を確かめる。
空気の匂いを感じる。

心は、
遠くに行っていない。

あなたが気づくのを、
静かに待っているだけだ。

2026/02/28 07:49

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