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900閲覧!!【完結いたしました!】 憧れのアイドル―偶像と同じステージに立つ日まで―勝つか、消えるか、歌い手としての最初の一歩

#28

第三部 第八話 如月の本音

みんとは、
軽やかにステージ脇を離れていった。

観客席のゆめから見えるその背中は、
偶像としての余裕と安定感に満ちていて、

自然に、
でも確実に目を引く存在だった。

「…すごいな…」
ゆめは思わず息を飲む。

みんとの笑顔は、
誰もが羨むほど輝いていて、
ただそこにいるだけで場の空気を支配している。

その瞬間、
視界の端で、
如月がぱっと動いた。

「えっ!?」
ゆめは咄嗟に立ち上がる。

如月は周囲の人々やスタッフの会話を振り切るように、
誰にも告げずに走り出した。

その瞳は、
疑問と焦燥で光っている。

「待って、如月!」
ゆめは迷わず追う。

建物の影に追いつくと、
如月は膝をつき、
肩を震わせながら声を荒げる。
「ボク…ボクは…どうして…みんとが…あんなに…!」

その言葉には、
嫉妬ではなく、
戸惑いと疑問が濃縮されていた。

みんとの自然体の偶像力に圧倒され、
自分との違いに打ちのめされる—

—その純粋な疑問が、
如月を押し潰すように溢れ出す。

ゆめは膝をつき、
そっと手を伸ばす。

「如月…全部言っていいんだよ。本音を、全部」

如月は大きく息を吸い、
震える声で告げる。

「ボクは…ずっと、嘘をついてきた…強がってきた…
でも、みんとは…違う…自然に、偶像として、そこにいる…ボクには…できない…」

その瞬間、
ゆめのポケットのスマホが激しく震え出す。

通知が鳴り止まない—

—SNS、
メッセージ、
ニュース速報…

赤く光る画面が手の中で跳ね、
まるで警告のように鳴り響く。

ゆめは息をのむ。

「…これ、全部…次の波…?」

如月もゆめの手を握る。
瞳には涙が光るが、
震えながらも何かを決意しようとしている。

「うん…でも…どうしたら…いいのか…ボク…」

広場には張り詰めた空気が流れ、
背後でみんとは去っていく。

通知のアラートだけが、
静かに、
しかし確実に、
二人の心に迫る次の嵐を告げていた—。
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作者メッセージ

何となく…うん、何となく…

というわけで、次回は作者大好き(ではなく、かきやすいだけ(?))事件回です!

深夜(寝たらまじごめん)をお楽しみに!

2026/03/01 18:00

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